出演俳優24人にインタビューをしたブログ・真夏の夜の噂もいよいよ今回が最後。ふじのくに⇄せかい演劇祭2011で初お披露目となった『真夏の夜の夢』の噂話はいかがでしたか。
ではブログ・真夏の夜の噂...第24回目の今回は俳優の渡辺敬彦(わたなべ たかひこ)さんにお話を聞いてみましょう。
[ 近年のSPAC出演作品:『ペールギュント』(2010)ドヴレ王役他 ]
Q.自分の役について教えてください。
僕の役は「メフィスト・フェレス」といいます。シェイクスピアの原作には出てこない役で、野田さん版『真夏の夜の夢』のオリジナルの役です。ストーリーの進行役も少し兼ねているかな。「メフィスト・フェレス」は悪魔という意味なんですが、一般的な悪魔の悪い・恐いイメージだけじゃなくて、滑稽さや哀れみだとか、そういう色をプラスしたいと思っています。
Q.作品の見所について教えてください。
見所は演奏じゃないでしょうか。僕は芝居の冒頭しか演奏しませんけど(笑)。実際、役者と演奏を両方やるのは見かけよりもものすごく大変で、昨年『ペール・ギュント』という作品ではじめてやった時はお手上げ状態でした。今回の作品は音楽劇にならないって聞いていたから静岡に来たけど、聞いていたら来なかったかもしれなくて(笑)。いや、それくらい大変なんですよ。でも今回は「演奏やるぞー」って結構やる気になってきていたところ、結局演奏をあんまりやれない役になりました(笑)。
もう1つはいわゆるリアルな芝居ではなく、SPAC独自の演技術ですかね。絵で魅せるというような、普通とは違う役者さんたちの演技が見所です。
Q.あなたならどんな媚薬・妙薬を使いますか。
「後悔をしない薬」があったら欲しいな。「これでいいのだ」状態になろうっていうのが今年の抱負で。過去を後悔しないだけじゃなく、決断するときにも迷わずに「これでいいのだ」で行きたい。芝居で役作りをしていても「ああすれば良かった」とか「思った通りにできなかった」とか思うから。迷い多き人生です(笑)。・・・まぁ、「どっちでも大差ないんじゃないの」って後になると思うんだけど(笑)。
舞台上だけじゃなく、インタビューでも低くてとても素敵な声でお話を聞かせてくれた渡辺さん。渡辺さん演じる「メフィスト・フェレス」は悪魔なのに子どもの人気者になりそうです。