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2017年7月20日

アヴィニョン法王庁日記(9) 2017年7月5日 最終公開稽古(ゲネプロ)

SPAC文芸部 横山義志

今日は本番前の最終公開稽古(ゲネプロ)。

14時舞台・照明スタッフ劇場入り。15時音響・衣裳スタッフ入り。16時半俳優集合、楽器・小道具セッティング。17時~17時40分トレーニング。NHKの撮影クルーが入る。

ゲネプロに向けて、今年のふじのくに⇄せかい演劇祭で『MOON』を発表してくれた演出家のタニノクロウさん、アヴィニョン演劇祭報告会のためにドキュメンタリーを撮ってくれる映画監督の本広克行さん、「ストレンジシード」のウォーリー木下さん、劇団渡辺の渡辺亮史さんが到着。

19時~20時全体稽古。20時~21時演奏稽古。その後楽屋入り。

21時半客席会場。22時ゲネプロ開始。

アヴィニョン演劇祭の法王庁中庭でのゲネプロは、プレス関係者ではなく、基本的に演劇祭で働く方々やお世話になった方々に観ていただくものだそうで、今日は2,000人の客席に1,000人くらいが来てくれている。

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▲法王庁前広場で開場を待つ観客

公演後には宮城さんインタビュー三本に、SBSのための鈴木隆秀さんによるオリヴィエ・ピィさんインタビュー。鈴木さんがピィさんに「なぜこの作品を法王庁中庭のオープニング作品として招聘したのか」と聞くと、「アヴィニョン演劇祭のコンセプトにぴったりだと思ったからだ。アヴィニョン演劇祭は民衆的な演劇のフェスティバル。宮城さんの作品は偉大な芸術なのだが、全ての人々のための偉大な芸術なんだ」と答えてくれた。

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▲鈴木隆秀さんのインタビューに答えるオリヴィエ・ピィさん

演劇祭ディレクターのオリヴィエ・ピィさん演出作品に出ている俳優さんたちのなかには静岡に来たことがある方も少なくない。

昨年「ふじのくに⇄せかい演劇祭」の『少女と悪魔と風車小屋』で主演してくれたデリア・セピュルクル・ナティヴィさん「この法王庁中庭の空間をすごくリスペクトした演出で、これだけこの空間にふさわしい作品ははじめて見た」とおっしゃってくれた。

終演後、楽屋口に2009年の『少女と悪魔と風車小屋』や2012年の『ロミオとジュリエット』で主演したセリーヌ・シェエンヌさんがオリヴィエ・ピィさんと話している。セリーヌさんに声をかけると、「オリヴィエは「楽屋に入ればいいじゃん」っていうんだけど、本当に入っていいのかな、と思って・・・」と、なんだかもじもじしている。SBS鈴木さんのインタビューでは「私は世界で一番のファンなんです!」とおっしゃり、楽屋に連れて行くと、やはり『少女と悪魔と風車小屋』『ロミオとジュリエット』の主演をした美加理さんと熱く抱擁。

「せっかくなので何かアドバイスを」と美加理さんに聞かれたセリーヌさんの言葉。

「本当に最高の舞台だったから、このままやればいいから、とにかく楽しんで。日が暮れてくると、鳥が飛んでくるでしょう。それでトランペットが鳴って、お客さんが入ってくる。あの客席の前で舞台に立つと、すごく特別な気分。すごいエネルギーをもらって、舞台の上にいる。この感覚は、きっと死ぬまで忘れられない。私もここで舞台に立つたびに、ああこの感覚、と思う。この気持ちを思う存分味わって。」

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▲セリーヌ・シェエンヌさん(左)と美加理さん(右)
 
 
*アヴィニョン法王庁日記バックナンバー*
(1) 2017年6月27日 静岡からフランスへ
(2) 2017年6月28日 アヴィニョン到着
(3) 2017年6月29日 仕込み一日目
(4) 2017年6月30日 仕込み二日目
(5) 2017年7月1日  仕込み三日目
(6) 2017年7月2日  アヴィニョン法王庁の歴史
(7) 2017年7月3日  法王庁中庭での上演の歴史
(8) 2017年7月4日  フォトコール
(9) 2017年7月5日  最終公開稽古(ゲネプロ)
(10) 2017年7月6日 公演初日
(11) 2017年7月7日 公演二日目
(12) 2017年7月8日 公演三日目
(13) 2017年7月10日 公演四日目

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第71回アヴィニョン演劇祭オープニング招待作品
アンティゴネ
構成・演出:宮城聰 / 作:ソポクレス / 出演:SPAC
7月6日(木)・7日(金)・8日(土)・10日(月)・11日(火)・12日(水)各日22時開演
会場:アヴィニョン法王庁中庭
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