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2023年11月5日

『ばらの騎士』ブログ♪3 第一期稽古を振り返る

みなさんこんにちは。
ただいま静岡芸術劇場では、『ばらの騎士』の第二期稽古が始まり、1月から始まる公演に向けていよいよ本格的に動き出しました!ここで、8月に行われた第一期稽古を振り返ってみたいと思います。


~第二期稽古初日にパシャリ!これから3月10日の千穐楽まで一直線です~

原作は、オーストリアの作家フーゴー・フォン・ホーフマンスタールと、ドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウスが共に創作したオペラ。SPAC版では芸術総監督宮城聰と、昨年のシーズン演目『リチャード二世』の演出が好評を博した寺内亜矢子が、初の共同演出として軽快な喜劇へと仕立て上げます。音楽には、SPAC初登場の根本卓也さんを迎え、初タッグ尽くしの新作となっております。
(音楽・根本さんのインタビューブログはこちらからお読みください♪)

第一期稽古が始まったのは、2023年8月1日。日本の各地で猛暑が記録された今夏、スタッフ・俳優合わせて40人近くが集まる大所帯の座組でアツい夏を駆け抜けていました。


~「楕円堂」で稽古をするスタッフ、俳優たち~

原作のリブレットを自分なりに読み解く宮城。俳優たちとともに1歩1歩、1ページずつ読み、喋り方や方言、テンションなどを模索していきます。


~登場人物の関係性、時代考証など、作品のさまざまな要素を熟考してセリフの一言一言を練る宮城と俳優たち~

原作は貴族たちが暮らす華やかな18世紀のウィーン社交界が舞台。SPAC版では日本の明治、鹿鳴館を彷彿とさせる時代・場所に置き換わります。
登場人物一人一人の人物像を観察し、この時代に生きていたら、日本に生きていたら、どのような話し方をするのか、、、。宮城と俳優たちが一緒になって深めていきました。


~俳優との議論やコミュニケーションも作品作りには重要なこと~

一方、音楽を担当する根本さんは、初日の顔合わせ後から俳優たちと音楽の製作にさっそく着手!
根本さんは、指揮者、作曲者、チェンバロ奏者とマルチな顔をもち、日本オペラ界では業界の屋台骨として活躍されています。
劇団SPACとは全くと言っていいほど異なるルーツを持つ彼が、俳優たちと音楽を作っていく姿、それはまさに試行錯誤の日々でした。


~音楽を担当する根本卓也さん~

日々宮城が書き進めた台本を受け取ると、瞬く間にそのテキストに音楽をつけ、楽譜と共に稽古場に現れる必殺仕事人の根本さん。
指揮法や歌い方、拍の取り方など、根本さんが持つ技術をワークショップのような稽古の中で伝授しつつ、楽器や演奏者の配置など、細やかに調整しながら曲を完成に近づけていきます。
今作の醍醐味でもある、俳優による生演奏。音楽のルーツを持たずとも、これまでの作品で演奏を経験してきたSPAC俳優ですが、根本さんとの音楽作りは新たなる挑戦でした。


~演奏指導をする根本さんの背中と俳優たちの真剣な眼差し~


~それでも稽古場には常に笑顔が絶えません~

第一期稽古の前半で大部分の作曲を終えた根本さん(仕事が早い!早すぎる!弟子入りしたいっ、、、!)。出来上がった楽譜を俳優たちに託し、第二期稽古での再会までしばしお別れ。


~根本さん最終参加日にセルフィ―~

第一期稽古の後半では、台本と音楽を融合させ、物語を通しながら全体の骨組みを作る作業に突入!

『ばらの騎士』は、異なる身分に立つ貴族たちがそれぞれの恋愛事情に翻弄されながら繰り広げる、3幕で構成される喜劇です。物語を通じたドタバタハプニングも、心の底からの愛に身を焦がす瞬間も盛りだくさんで、場面ごとに異なる見せ場が詰め込まれています。


~創作風景の一コマ。何かとてつもない盛り上がりと笑いが稽古場を包んでいます~


~ルンルンな振付を試行錯誤している瞬間をパシャリ。こんなにウキウキなのに、俳優としてみんな大真面目なんです!~

面白さが際立つ場面では、俳優が一丸となって歌いながら稽古場を駆け巡り、心をつく場面では一つ一つの言葉、仕草の重みがグッと増します。


~先ほどの写真とうってかわって真剣な表情で台本に向き合う俳優たち~

稽古を進めるなか、座組一同で、物語の恋愛面について議論することも。演出家二人の意見が各々異なる場面もあって、どう意見を摺合せていくのかも、初共同演出ならではの出来事です。


~共同演出の寺内亜矢子。その眼差しの奥で、どんな作品の構想を見据えているのでしょうか~

このようにして骨組みが形作られつつある『ばらの騎士』第一期稽古は8月下旬に一旦終了。俳優、スタッフは、第二期の稽古まで、それぞれ他の作品、事業に参加し、パワーアップして再集結しました。このブログでは紹介しきれなかった場面やスタッフも数多くいて、とにかく全てが盛りだくさんです。
SPAC新作『ばらの騎士』がこれからどうなっていくのか、ぜひご注目ください!

(SPAC制作部・坂中季樹)

★『ばらの騎士』サロン情報★
11月11日(土)には、『ばらの騎士』講座が開催されます。気になる貴族たちの恋愛模様を文芸部・大岡淳が解説します!
サロンメンバーでない方の単発でのご参加も可能となっています。観劇前に作品についての知識を深めましょう!
皆さまのご参加をお待ちしております。
『ばらの騎士』講座
11月11日(土)
10:30~12:30 会場:静岡芸術劇場
詳細はこちらhttps://spac.or.jp/news/?p=23540
お申し込みはこちら

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SPAC秋→春のシーズン2023-2024
#3『ばらの騎士』


演出:宮城聰・寺内亜矢子
作:フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
音楽:根本卓也
出演:石井萠水、大高浩一、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦、榊原有美、佐藤ゆず、武石守正、永井健二、本多麻紀、牧山祐大、宮城嶋遥加、森山冬子、山本実幸、吉植荘一郎、若宮羊市[五十音順]

2024年1月7日(日)、8日(月祝)、13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、3月10日(日)
各日14:00開演 会場:静岡芸術劇場

★公演の詳細はこちらをご覧ください。
https://spac.or.jp/au2023-sp2024/der_rosenkavalier