ブログ

2011年4月20日

真夏の夜の噂...④ 俳優:牧山祐大さん談

ブログ・真夏の夜の噂...第4回目は俳優の牧山 祐大(まきやま ゆうだい)さんにお話を聞いてみましょう。

写真はインタビューを行ったSPAC静岡芸術劇場内の1Fロビーです。このロビーにはイスとテーブル、そしてSPACや演劇に関する書物が置いてあり、みなさんに自由にお入りいただけます。

 

RIMG0063_1

[ 近年のSPAC出演作 ドン・ファン(2011、2009)スガナレル役、わが町(2010)進行係役、ペール・ギュント2011)見知らぬ船客役他 ]

 

Q.自分の役について教えてください。

私牧山祐大は「パック」という役をやらせていただきます。この作品には「ピーターパン」も挿入されてるように、「パック」というのは大人になれない人と思っているんだけど・・・。実は配役が決まるまで「パック」のことをあまり考えてなかったからぼんやりとしてます。自分が演じるとは全然考えてなかった。ほら、尊敬する「北島マヤ」(※1)先生が演じた役でしょ。「パック」といえば小さくて花のある女の子がやるもんだと思ってたから、39歳の「パック」って。(笑)39歳で「パック」。ニートってこと?(笑)やるからには北島マヤ先生を越えようと思います。

(※1)北島マヤ:美内すずえ作の漫画「ガラスの仮面」の主人公

Q.野田秀樹さんの戯曲を読んでどう感じましたか。

ちょうど大学に入った頃「夢の遊眠社」と「第三舞台」が流行ってて、初めて付き合った彼女は「夢の遊眠社」が大好きで、「第三舞台」は深夜テレビで企画集団みたいなノリで発展してて、その2つが俺が演劇を始めるときにあった大きい何か。早稲田の演劇研究会に入る前に、どうしようかなーと思って観た芝居が野田さんの戯曲を使ってて、意味は分かんないけどおもしろいなーって。当時の野田さんは夢とか幻みたいな存在で、そんな戯曲だと思いましたね。それをやることになるとは思わなかった。逆に十何年たってるから、イメージしないでやれると思う。うん、おもしろいよ。野田さんは頭いいんだなーって思う、本当に。

Q.あなたならどんな媚薬・妙薬を使いますか。

ちょっと諸刃の刃だけど、「サトラレ」(※2)みたいな、俺の考えてることが読み取られちゃうような薬を使いたい。「サトラレ」の漫画を読んでると、サトラレちゃう人がかわいそうだ、みたいなスタンスだけど、そんなにかわいそうかな?読み取られて困るような、俺はそんな大したこと考えてねぇって思うんだよね。芝居だと明らかにその人の言動が嘘なんだっていうのがバレてるからすごく楽。自分の考えを言葉にしちゃうと、その言葉には俺の解釈が入っちゃってすごくめんどくさいなって思うときがある。相手の解釈で聞いてほしいって思うときがあるじゃん。ばれちゃったらどうしよって思うこともあるけど、下品なことは言ってるし、それに対してネガティブな思いはないし。基本的にネガティブな思いみたいなものを持つような気がしないから知られていい。勝手に俺の考えてること読み取って、その人が俺のこと解釈してくれたらどんなに楽だろうって思う。

※2 サトラレ:佐藤マコト作の漫画作品

 

独特の感性と語り口の牧山さん、ほんの少し牧山さんの世界観を垣間見れた気がします。そして牧山さんが尊敬する「北島マヤ」先生の漫画もロビーに置いてあるので、読んだことのない方、今一度読み直したい方、どうぞSPACのロビーにお立ち寄りくださいね。