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2011年6月7日

真夏の夜の噂...23 俳優:本多麻紀さん談

ふじのくに⇄せかい演劇祭2011の第一週目、『真夏の夜の夢』の公演が幕を閉じました。大勢のお客様に来場頂きまして本当にありがとうございます!

 

ではブログ・真夏の夜の噂...第23回目の今回は俳優の本多麻紀(ほんだ まき)さんにお話を聞いてみましょう。

 

IMG_0937_本多さんしゃがむ

 [ 近年のSPAC出演作品:『しんしゃく源氏物語』(2007)侍従役・(2010)宰相役、『ドン・ファン』(2011、2009)アミンタ、ナポリ兵、カモメ役、『ペール・ギュント』(2010)アニトラ役他、『王女メデイア』(2010)イアソン(ムーバー)、『わが町』(2010)エミリ役 ]

 

Q.自分の役について教えてください。

私の役は「そぼろ」といって、割烹ハナキンの娘「ときたまご」の幼友達です。 シェイクスピアの原作では「ヘレナ」にあたります。「そぼろ」は元恋人の「デミ」を忘れられずに追いかけている。でも「デミ」は幼友達の「ときたまご」の夢中、という切ない役です。

Q.野田秀樹さんの戯曲を読んでどう感じましたか。

野田秀樹さんは私にとって神様みたいな方なので、舞台を観るのはもちろん戯曲を読むだけでももうまぶしくてまぶしくて!戯曲の一言一言をワクワク・ドキドキしながら読みましたね。実際の舞台はかなーり昔に映像で拝見しました。なので今回「あの役者さんだったらこの台詞をこう言っていたかな?」なんて想像しながら…すっかり一ファンですね。野田さんの作品は言葉のリズムがポンポンと気持ち良くて、舞台から発せられるエネルギーがすごいのでそれだけでもう本当に楽しい。けど今回は宮城さんの掲げる「詩の復権」によりこの戯曲の持つ詩的な世界観を、特に「コトバ」をきちんと伝えたいです。

Q.「そぼろ」と本多さん、似ていると思うところはありますか。

演じるときは基本的に、自分に役のキャラクターを近づけないようにと思っています。自分の思い込みで役を作りたくない。でも「そぼろ」にはどうも共感してしまう、肩入れしたくなる部分がたくさんあって。…恋愛に関して?うーん不器用なところは似てますかね。「そぼろ」は「デミ」に向かって真っ直ぐですごいなと思うけど、もしかしたら今までの男の子にはそんな風ではなくて、「あなたは世界のすべて」という「そぼろ」の台詞にあるように、「デミ」はコンプレックスとかで頑なだった「そぼろ」の心の扉をちゃんとノックしてくれた、初めてちゃんと向かい合ってくれた人なのかなって思うんです。 かつての「デミ」のその誠実さを信じているから「そぼろ」は今も一途に向かっていけるんじゃないかな。 コンプレックスを抱えていた自分が「デミ」によって初めて肯定してもらえた。その肯定感がないと「そぼろ」はポキッと折れちゃうんじゃないかと。本当に「そぼろ」には幸せになってほしいですね。「ときたまご」はねぇ、放っておいても勝手に幸せになりますよ(笑)。だから私は「そぼろ宣伝部長」的なスタンスで行こうと思っています。

Q.あなたならどんな媚薬・妙薬を使いますか。

「一週間、別の人になれる薬」。生きているとさぁ、ちょいちょい素敵な人にで会うでしょ?実際に出会う人だけでなく、絵を見たり、舞台を観たりしていても「なんかこの人相当素敵!」て思わせてくれる人たくさんいるでしょ。一週間体験して、その人の「素敵の源」を探りたい。 そういった方たちは私には想像も及ばない辛い、大変なことを抱えておられるのかもしれないけど、それが素敵の秘密なら知りたい。どうせ一週間だしね。あ、ちょっと違うけど、最近コンビニで雑誌の表紙の「こじはる」(※1)を見てまぁなんてかわいいの!と思って、「こじはる」にもなってみたいと思いました。たぶん「薬をたらされて鏡を見た、ときたまご状態」になることでしょう。

※1 こじはる:アイドルグループAKB48所属・小嶋陽菜の通称

 『真夏の夜の夢』の公演は終わりましたが、飼い猫とのんびり過ごす間もなく、次に出演する『天守物語』の稽古に入った本多さん。多忙な中でも、元気でおちゃめな本多さんの一週間こそ覗いてみたいです。

本多さんが出演する『天守物語』についてはこちら→http://spac.or.jp/11_fujinokuni/castletower