本日6/4(土)、いよいよふじのくに⇄せかい演劇祭2011が開幕します!『真夏の夜の夢』の現場では朝から俳優のメイクや、照明の確認などなど・・・公演に向けて準備を進めております!公演後にはふじのくに⇄せかい演劇祭2011の開会式も行われます。お餅と新茶のでおもてなしいたしますので、みなさんどうぞご参加下さい!
ではブログ・真夏の夜の噂...第22回目の今回は俳優の布施 安寿香(ふせ あすか)さんにお話を聞いてみましょう。
[ 近年のSPAC出演作品:『夜叉ヶ池』(2009・2008)百合役、 『ブラスティッド』(2009)ケイト役、『ペール・ギュント』(2010)女官役、『令嬢ジュリー』(2010)クリスティン役、『しんしゃく源氏物語』(2010)侍従役 ]
Q.自分の役について教えてください。
「仲居おてもと」という、割烹ハナキンで働いている仲居の一人です。キャラクターとしては、普段引っ込み思案な感じなのに内心目立ちたい願望を持っている人。真面目そうだけど話してみると「あ、この人変な人だった」みたいな(笑)。そして思い込んだら、周りが見えなくなるタイプかな。
Q.野田秀樹さんの戯曲を読んでどう感じましたか。
お芝居をはじめた大学時代、野田さんはもちろんすごく人気がありました。けど私はあまのじゃくなところがあるので、かえって野田さんの作品を避けていたところがありました。でも今回初めて戯曲を読んで、あっ面白いなあと素直に思ったんです。最初の頃は言葉遊びばかりが目立つ印象だったけれど、何度も読むうちにその奥にある深さと豊かさを感じました。シェイクスピアの作品を日本語に翻訳すると英語ならではの面白さが失われる部分もあるんじゃないかと思います。でもその分を日本語に対して繊細な感賞を持つ野田さんが書くことで、日本語が分る人にだけかもしれないけど、伝わる豊かさがあるように思いました。私、漢字の成り立ちとかが好きで、中学時代は漢和辞典をただ眺めたりしてたんですが、そんな自分を思い出したり、自分の体の奥に響いてくるものがありました。稽古中、他の人の台詞がふっと耳に飛び込んできて「ああ、いい言葉だな」ってよく思います。
Q.あなたならどんな媚薬・妙薬を使いますか。
「時間か空間か、もしくは両方を瞬時に飛び越えられる薬」がいいな。歴史が好きなので、何千年前とかに飛んでいろいろ見たり、歴史上のいろいろな人に会いたいですね。未来は見たいとは思わないけど。モネがどういうふうにその絵を描いたのかとか、どんな景色を見てそれをモチーフに選んだのかとか、モネの隣に座ってずっと見ていたいです。私は不器用なせいか、体が自分自身を縛っているように思えることがあって、体から精神がふっと遠い世界に飛んでいけたらいいなと感じます。今ここにいることがすごく大切だと思うからこそ、それに逆らいたくなるみたいです。
これまでは真面目な役を演じることが多く、自ら笑いをとりにいくコミカルな役は布施さんにとって新しい挑戦。出入り業者との掛け合いでは紅一点、「仲居おてもと」の布施さんにご期待ください!