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2008年10月8日

湯ヶ島小学校ワークショップ

10月2日、 「SPACの宮城聰総監督に教えてもらおう 『伝えること、表現すること』を学ぼう」
という授業の依頼を受けて、伊豆市立湯ヶ島小学校へ行ってまいりました。

参加者は5年生、6年生あわせて46名。
「SPAC秋のシーズン」で上演される『ハムレット』の音楽担当の棚川寛子を中心に、俳優5名、スタッフ総勢8名で天城へ向かいました。

学校で給食をいただいたあと(何年ぶり?の給食、実においしかった!ごちそうさまでした)、会場の天城温泉会館大ホールへ。ステージではなく、客席を収納して空いたスペースでさあ、開始です!

あらかじめ児童のみなさんに用意していただいたのは、なんと空のペットボトル。
SPAC俳優陣が持参した打楽器の数々(ジャンベ・クラベス・ジュンジュン・シェイカーなど)のアンサンブルに生徒の皆さんにも空のペットボトルを打ち鳴らして参加してもらおうというわけです。
(実はコカ・コーラ2ℓのペットボトルが一番いい音がするそうですが、なぜでしょうね?!)

身体をほぐすウォーミングをやった後は、輪になって、両手に1本ずつボトルを持ちます。
「自分の音を出すことは、他人の音を聴くことから始まる」
俳優が鳴らしたクラベスのリズムを聞いて、隣の子の持つボトルを叩いてそのリズムを伝えます。隣の子も、そのまた隣の子のボトルを叩いてリズムを伝えていく。一人一音ずつ追いかけて、音を伝えていきます。

次はしりとり。
一人が言ったことばを全員で唱和しつつ、音節でリズムをとる。
最初は声を出すことを恥ずかしがる子や大きな声の子などバラバラだったのが、だんだんみんなが「いま声を出している子」に耳を澄まして、聴き取れるようになりました。

そしていよいよ演奏です。
楽器はペットボトルのみ。4グループに分かれて、グループごとのフレーズを順番に演奏していきます。
複雑なリズムにもしっかりついてきて、 力強い演奏が繰り広げられました。
グループごとに「華やかさ」や「たくましさ」といった特色がはっきり感じられ、ロックも顔負けの迫力にあふれたライブ演奏が天城温泉会館に響きました。

最後に宮城総監督から、打楽器は「合っている」「合っていない」という感覚がダイレクトに返ってくるコミュニケーション・ツール。ズレているという違和感を、おたがいに少しずつ合わせていってハマったときの感触を覚えてほしい。
これからますます人間同士が直に接する機会が減っていくのかもしれないけど、だからこそ「一期一会」――という気持ちを大事にしてほしい、とお話がありました。

台詞も音楽も、呼吸を合わせて相手に伝えることが大切。俳優の身体もそれ自体が一つの楽器のようなものかもしれません。コミュニケーションも一緒です。自分を伝えるには、まず相手を知ること、聴くことが最初の一歩につながります。参加者のみなさん、あのグルーブの感覚を忘れずに!

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[1] http://www.otsukimi.net/spac/blog/?attachment_id=155
[2] http://www.otsukimi.net/spac/blog/wp-content/uploads/2008/10/img_0174.JPG

2008年10月1日

第5回中部高等学校演劇研究会秋季公演

第5回中部高等学校演劇研究会秋季公演が、静岡芸術劇場にて開催されました。
9月21日(日)は、ノンコンクール参加作品として、
 ●清水西高等学校『ワライダケ』
 ●島田学園高等学校『正義と悪と・・』
 ●常葉学園橘高等学校『クロスロード』
 ●静岡女子高等学校『ナツヤスミ語辞典[21世紀版]』
 ●島田工業高等学校『ワールド・エンド』

9月27日(土)・28日(日)は、コンクール参加作品として、
 ●静岡東高等学校『桜井家の掟』
 ●焼津水産高等学校『栞』
 ●大井川高等学校『Fermata』
 ●静岡学園高等学校『トシドンの放課後』
 ●静岡高等学校『夏の庭』
 ●榛原高等学校『流れ星の作り方』
 ●静岡城北高等学校『時計の針を進めましょう』
 ●静岡市立商業高等学校『Is―アイズ―』

が上演されました。

この秋季公演では、高校演劇部の皆さんに、静岡芸術劇場での上演を通して、よりレベルの高い舞台作りのスキルを獲得してもらうために、プランの打合せからSPACのスタッフがアドバイスをおこなっています。

静岡芸術劇場という大舞台での舞台づくりも4年目となる今回、どの学校も確実にレベルアップしてきています。前回参加した時とは比べものにならないほど役者、スタッフの力が上がった学校もあり、その舞台成果にスタッフも大変驚きました。

コンクールでは、SPAC文芸部の演劇評論家・大岡淳が審査員として各校の講評と今後の課題について、ノンコンクールでは、打ち合わせの段階から立ち会ってきたSPAC技術スタッフがイメージの具体化、リハーサルの進め方を含めて講評を行ないました。また「合評会」では、演劇部OBOG、客席の皆さんからの意見を含めた議論が活発に行なわれ、彼らの今後の活動の糧になることと思います。

27日・28日のコンクールでの、最優秀校1校、優秀校1校が大岡淳(SPAC文芸部)の審査によって決定いたしました。
この2校は11月15日・16日に行われる県大会に出場いたします。

最優秀校
 静岡高等学校 『夏の庭』
優秀校
 静岡市立商業高校 『Is―アイズ―』

今回の公演をさらにパワーアップさせて頑張ってほしいと思います。


この静岡芸術劇場での高校演劇も4年目を迎えました。初年度に出会った生徒はもう学校を卒業し、それぞれの道を歩んでいます。そして不思議なもので、代替わりしても各学校のカラーというものはあります。先輩達が残した財産を受け継ぎ、新たな課題と向き合いながら、確実に成長しています。卒業生の中には、その後もSPACに足を運び、元気よく声を掛けてくれる人たちもいて、彼らの存在は現役生にとってだけでなく、私たちスタッフにとってもとても励みになっています。
下の写真は、公演を終えたばかりの現役生と演劇部OB、SPACスタッフの記念写真です。終演後、現役生が送ってきてくれました。ここが青春の場所!という感じが溢れているいい写真でしょ。

2008年7月13日

守番日記3 椎と孟宗竹~時間と空間の景色~

 樹木は乾燥に耐えられなくなると枝枯れを起こす。それは、枯れてしまうのではなく、生きる術として自ら枝を枯らすのだそうだ。そのようにして全体の乾燥を抑え、一方では、水気を探して根を伸ばしていくというのである。 

 同じ生きる術にしても、大木と孟宗竹の地上での争いは凄まじい。

 里山が孟宗竹席捲の脅威に晒されているのは知っている。丈が高く密集する習性もあって、他の樹木への陽光を遮り、枯らしてしまうのだと考えていたが、内実はそんな方程式通りではなさそうだ。 

 大木は嵐の猛威を一身に受け止め、その力をもって纏わりつく軍団を叩きのめす武器にしているように思えてならない。

 というのは、侵入者の孟宗竹が勢いに任せ木々を飲み込みながら、梢の周囲の直径が二十メートルを優に超える椎や樫の大木に迫っている。この段階で大抵の自生の樹木は絶えてしまっているが、大木の周りでは、自身の傷つき枯れ落ちた太枝とともに、芯を止められ、葉をそぎ落とされ、根元もぐらぐらの無残な姿の孟宗竹が散乱している光景が一箇所や二箇所ではない。両者の攻め合いがいかほどのものであったか、あまりにも痛ましく唖然とさせられる。戦いは何としても未然に防ごう。 

 もう一つ大切なことを教えられた。椎や樫は強いだけで生き延び君臨しているのではない。自らも弱り枝葉を振るった分、陽光を地表に導き、根元に眠る種子の発芽を促している。

 既に、わが子だけでなく、アオキやヤブコウジ、隠れ蓑などの一族も芽生え、彼らも新しい集団をつくり始めている。  

 舞台芸術公園での話である。  

2008年5月21日

守番日記 2千両(センリョウ)~手づくりの庭~

守番の冬は忙しい。何せ厄介者の虫も、にょろにょろとしたものもいないのだから、勝って放題に伸びる蔓や藪の整理も気にならない。
 そう思って残してきたといえば手前勝手とお叱りもあろうが、園地作業は四季を通しそういう場所での自然との競争だ。
 根止めを施した茶畑際の竹林も、何年も手入れを怠ったので、孟宗も細竹に化してぎっしりと茂り、立ち枯れも出始めている。
 この一月は、兎に角傷んだものから取り除こうと夢中であった。作業が進む中で少しずつ竹林に空間も生じてくる。その瞬間の自然の対応は早い、暗い藪の中へさっと陽が差し込んできた。落葉も息づいているかのように、一枚いちまいが輪郭を見せてくる。“森は生きている”と思わず感動が走る。
 しかし、これだけで終わらなかったのが憎い。さすが舞台芸術公園というべきか。
 つやつやの青い葉の間に輝くような小さな紅色の実をつけた小木。葉は細く披針形で、丈が三十センチ程、紛れもなく百両(カラタチバナ)である。慎重に周囲の小枝を取り除くともう一本。園内に十両(ヤブコウジ)は珍しくないが百両には初めて出会った。嬉しい限りである。
 少し離れた箇所に万両も見つけた。全て鳥たちからの贈り物であろう。
 飴も鞭も、汗も涙も糧にしてほしい。やがてセンリョウも、いや千両役者も続々と出てくるに違いない。感謝。

2008年4月29日

守番日記 1山茶花~現場からの報告~

舞台芸術公園ロータリーからの富士の眺めは見事である。殊に雲上の富士は幻想的だ。
 それにしても、背後の山茶花の植え込みは貧弱極まりない。日本平パークウエイ(市道池田日本平線)に接する面の生垣にしているのだが、長細いコンクリート枡の中で乾燥気味になるのか、葉はいつも黄ばんだ色、丈も一メートルほどで十年前の植栽時と変わらない。枝枯れとともに支柱の竹も朽ちかけ、ススキや蔓も絡み、見すぼらしさだけが目についてしまう。
自然の中で人工的な植栽は馴染み憎い面もあるが、せめて自生の植種を選択すべきであったろう。
 何れ模様替えするにしてもと思いながら、昨年の秋、はじめて枯れ枝、朽ちた支柱、枯れ草を取り除いた。気まぐれの手入れであったが、長年放置した後ろめたさも幾分取れた気になった。
 年が明けて一月半ばの夕暮れ、ロータリーの片隅に赤い花が点々と浮かぶ光景に目を見張った。輝いている。生垣越えの沿道の林が黒の背景になってその木立の間から、射すような光がピンポイントで山茶花の花を当てている。
 陽が低い冬の、そのまた一瞬を捉え山茶花は、“ここに居るよ”と呼び止めたのか。いや違う。今まで何を見ていたのさ!
この地が舞台芸術の世界だけに尚更のことかも知れない。
 よく見ると竹の支柱がまだ残っている。取り払って自由にさせてみよう。

 

2008年4月12日

有度サロン開講!

今年度の新たな事業としてスタートした「有度サロン」。芸術・思想・社会科学など、さまざまな領域で活躍する芸術家・批評家・研究者などが集い、討議を行う場「有度サロン」のスタートです。
初日の5日にまず鈴木忠志演出、三島由紀夫作の『サド侯爵夫人(第2幕)』を、舞台芸術公園「楕円堂」で観劇したあと、レクチャー、討議、翌6日には五十嵐武士氏と苅部直氏による公開講座が開催されました。苅部氏からは前日に観劇した『サド侯爵夫人』に絡めての三島由紀夫論と戦後日本論が展開され、客席からも質問、意見が飛び交いました。世代や専門分野の異なる人々が同じ舞台を観て議論をする、劇場ならではの熱い場となりました。
 
この「有度サロン」がこれからどんな場を創っていくのか、とても楽しみなスタートでした。

2008年3月5日

ITOプロジェクト『平太郎化物日記』劇場下見

12月に公演予定のファミリー劇場糸あやつり人形芝居『平太郎化物日記』のITOプロジェクトのみなさんが静岡芸術劇場の下見・打合せにいらっしゃいました!

『平太郎化物日記』は、その高い技術と美術性で大人からこどもまでを魅了し、再演不可能!と言われていた幻の名作でしたが、今回SPACでの上演にむけて一歩、踏み出すことができました。

脚本、演出、美術を手掛けられた天野天街さん、昨年「秋のシーズン」で『赤ずきんちゃん』を上演したみのむしの飯室康一さんをはじめ9名のITOプロジェクトのみなさんが劇場を下見、スタッフとの打合せを行いました。写真は舞台芸術公園での1枚です。みなさん、今から期待していてください!!

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SPACTシャツ販売開始!

[1]SPACTシャツが完成しました!

 「異才・天才・奇才 こども大会」から初お目見え!SPACスタッフは黒、販売用にはチョコレートとアッシュグレーの2色を用意しています。

 「Shizuoka春の芸術祭」の期間中にも販売していきます。1,500円です。劇場でお求めください!!

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[1] http://otsukimi.net/spac/blog/wp-content/uploads/2008/03/Tshirts.JPG
[2] http://otsukimi.net/spac/blog/wp-content/uploads/2008/03/TshirtsBLACKs.JPG

異才・天才・奇才 こども大会2008!

3月1日(土)2日(日)、2日間にわたって、「異才・天才・奇才 こども大会」が開催されました。静岡県内の小学生が、何でもあり!の特技を静岡芸術劇場の舞台で発表するというこの大会、今年で9回目を迎えました。今年も元気いっぱいのこどもたちがたくさん登場して、私たちにパワーを与えてくれました。3月1日に17組45名、2日に18組56名のこどもたちが参加。歌あり、ダンスあり、腹芸、和太鼓、コントなどなどなどなど!!!

今年は、新たな企画として参加者1組につき1人、SPACの俳優またはスタッフ、制作がチューターとしてリハーサルから本番まで一緒に行動しました。リハーサルから本番まで、舞台での立ち方などについてアドバイスしたり、お昼を一緒に食べてどんな練習をしてきたかなどを聞き出して、これまでは司会者が行っていた参加者の紹介も各チューターが行いました。

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こどもたちの面白さに舞台の上ではあまり見ることのないSPAC俳優陣の素顔(?)が加わり、とても温かい舞台になりました。

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最後は全員舞台へ!会場の観客も巻き込んで、大盛り上がりのフィナーレ!

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2008年2月11日

防災訓練を行いました

2月8日、舞台芸術公園にてSPAC自衛防災訓練を行いました。これは、劇場での火災発生時など万一の場合に適切な措置がとれるように、毎年劇団員総出で取り組んでいるものです。SPACでは各劇場施設ごとに「通報連絡班」「消火班」「避難誘導班」のチームが組まれており、非常時にはそれぞれが担当の場所で即座に対応できる体制になっています。この日の訓練は、公演中に楽屋付近で火災が発生したという想定で行われました。お客様の安全を確保することを第一に考えながら、スタッフはそれぞれの持ち場で真剣に訓練に取り組みました。(写真は消化器の使い方の練習をしているところです)万が一火災が発生した場合には、火災の発生をいち早く周囲に知らせることが大事だという指導のもと、俳優たちは率先して大きな声で周囲に声かけをし、訓練を行いました。

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