2012年11月10日

<病ブログ9 最終回> 舞台写真と舞台裏映像公開!!

ご好評をいただいた『病は気から』は、
11/4に一般公演、11/5に鑑賞事業公演を無事に終えました。

<病ブログ最終回>では、舞台写真を一挙大公開します。
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終演後には、劇場1Fロビーにて、
「病は気から の 気になる舞台裏」と題して、
舞台裏のダイジェスト映像を放映していました。
そちらをブログでも公開します。

舞台裏で、出演者やスタッフはこんなことをしていたのかと、
驚きが沢山です。

秋のシーズン2012、
ノゾエさんの潤色・演出で素敵な喜劇『病は気から』が
SPACのレパートリーに加わりました。
また、いつか近いうちに、皆様にご覧いただける機会がくることを願って、
<病ブログ>最終回といたします。

SPAC秋のシーズン、次はラスト『ロミオとジュリエット』です。
オマール・ポラス演出、SPAC、テアトロ・マランドロ共同制作作品、
こちらもどうぞお楽しみに。


2012年11月4日

<病ブログ8>川上友里さんインタビュー

今回は、出演者の川上友里さんにインタビューしました!
川上さんは、SPAC初参加です。

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Q)SPACの作品に参加してみてどうでしたか?
A)最初はプレッシャーがすごかった…。ホームシックになって、
毎日お母さんに電話してました(笑)。
男の子の役や長いセリフを話すのも初めてだし、
海外の戯曲っていうのもあり、お芝居が馴染まなくて辛かったです。
でも芝居だけに打ち込める、とても贅沢な修行でした。

Q)女優を目指したきっかけを教えて下さい。
A)三谷幸喜さんのTVドラマを観たのがきっかけです。
小劇場の俳優さんがたくさん出ていて、それがとてもカッコよく見えて。
それから映画やドラマをよく見るようになりました。
ただ、映画とかは芸能人がやるもので自分とはかけ離れすぎているように思えて…
私、田舎の人間なので。
それで手が届くのは演劇だと。
演劇なら私のようにどこにでもいるような子でもできるのではないかと。
でも女優になりたいなんて言えなくて、親には専門学校に通うって言って関西に行き、
毎日芝居ばっかり見てましたね。

Q)ノゾエさんの劇団「はえぎわ」に所属されていますが、入団された経緯を教えてください。
A)初めてノゾエさんを見たときの衝撃、とにかく存在感がすごかったです。
作品はよくわからなかったんですけど。
大阪の劇団を辞めて、もう劇団には入らないって思っていたんですけど、
この人だったらついていきたいと思って、はえぎわのオーディションを受けました。
劇団って、その劇団の作品が好きじゃないと入れないと思うんですけど、
ノゾエさんみたいな人にはもう出会えないって。

Q)公演は残すところあと二回ですが、これからこの作品を観に来てくれる方に一言。
A)笑ってほしい!何も考えずに観てもらえたらいいなって。
こんなに直球な作品って最近自分の周りではあまりないので、
面白かった!って素直に笑ってもらいたいですね。

『病は気から』 残すは本日4日(日)15時開演の一般公演と、
5日(日)13時開演の中高生鑑賞事業公演のみです。
中高生鑑賞事業公演も、一般のお客様も観劇できます。
まだご覧になっていない方、最後のチャンスです。


2012年11月1日

<病ブログ7>ノゾエ征爾さんからメッセージ!

今回は、潤色・演出を手がけたノゾエ征爾さんから、
公演中日を終えて今の心境と、
これからご覧いただく皆さんへのメッセージです。

そして、ノゾエさんは、連日の公演の合間に、
静岡市内の中高生にもメッセージを伝えにいきました。

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ノゾエさんが神奈川県にあるサレジオ学院中学校・高等学校に通っていたのが縁で、
静岡サレジオの朝礼で、中高生の皆さんを前に講演しました。

演題は「人と人」。
演劇の魅力や演劇を通しての人との出会いについて語りました。

静岡サレジオ訪問の新聞記事はこちら

一回一回の生の出会いがあるのが演劇の魅力。
『病は気から』一般公演は、残すところ11/3&4の2回限りです。
どうぞ、お見逃し無く。


2012年10月31日

<病ブログ6>舞台写真公開!!

『病は気から』一般公演がついに10/27に開幕しました。

中高生鑑賞事業で沸きに沸いた客席ですが、
一般公演でもこれでもかというくらいに笑いが、
客席を満たしていました。

今回のブログでは、いよいよ舞台写真を一部公開します。
お待たせしました。

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終演後には、トークゲストを招き、
潤色・演出のノゾエ征爾さん、SPAC芸術総監督 宮城聰3人での
アーティスト・トークを開催しました。

ゲストのしりあがり寿さん、長塚圭史さんからの質問をきっかけに、
この作品が出来上がるまでの過程や裏話、
さらにはノゾエさんの過去話まで。
トークの様子は全編ウェブで公開しています。

2012年10月27日 アーティスト・トーク
ゲスト:しりあがり寿氏

2012年10月28 アーティスト・トーク
ゲスト:長塚圭史氏

Twitterの関連ツイートもまとめてみました。
『病は気から』関連ツイートまとめ

一般公演残るは11/3&4のみです。
ノゾエ征爾×SPAC×モリエールの傑作喜劇、
どうぞ、お見逃しなく。

公演詳細はこちら


2012年10月29日

【映像】『病は気から』アーティスト・トーク ゲスト:長塚圭史氏 2012年10月28日

10月28日(日)の『病は気から』終演後に、
長塚圭史さんをお迎えして、
ノゾエ征爾さん、宮城聰とのアーティスト・トークを開催しました。

長塚さんとノゾエさん、
お互いモリエールと同じ、
劇作家であり、演出家であり、俳優でもあるふたりが、
稽古環境のことや、戯曲と俳優との関係など、大いに語りあいます。

ノゾエさん 「・・・何に心臓がピクッとくるかっていうところだけを
探し続けるみたいな、そういう作業しかしてないですね・・・うん?」
(会場:笑)


2012年10月28日

【映像】『病は気から』アーティスト・トーク ゲスト:しりあがり寿氏 2012年10月27日

10月27日(土)の『病は気から』終演後に、
漫画家のしりあがり寿さんをお迎えして、
ノゾエ征爾さん、宮城聰とのアーティスト・トークを開催しました。

しりあがりさんの物腰柔らかなつっこみで、
ノゾエさんが製作裏話を大いに語ります。
しりあがりさんとノゾエさんの意外な過去の関係もあきらかに!?


2012年10月26日

<病ブログ5> 舞台には浅草最後の映画館の客席が!?

明日27日『病は気から』いよいよ一般公演初日!!


<病ブログ5>では、『病は気から』の舞台セットが、新聞で取り上げられましたので紹介します。

日本経済新聞(朝刊) 2012.10.25
『病は気から』日経新聞

静岡で長年映画に携わってこられた斉藤隆さんにも、
コラムを書いていただきましたので、ご紹介します。

“映画館”の椅子とモリエール
10月24日からグランシップにある「静岡芸術劇場」でモリエールの『病は気から』が公演される。この公演に際して、ちょっとうれしい話を聞いた。浅草の映画館の椅子が演劇の舞台装置として使われるということだ。
東京の浅草は映画館発祥の地である。昭和の映画館全盛の時代から映画館の灯をともし続け、先月の9月に閉館した「浅草世界館」。その客席の椅子88席が再び静岡の地の演劇空間という舞台で、日の目を見ることになった。「世界館」という館名は映画館の創成期には多くつけられた名前だ。静岡でも大正期の両替町に「世界館」という映画館があった。
昭和30年代に黄金期をむかえた映画館は、時代の流れの中で大きく変容し、平成の今日ではますます減少傾向にある。静岡の七間町にあった映画館も昨年10月、主要な8館が閉館していった。老朽化と経済性で映画館の多くはシネコン(シネマ・コンプレックス=複合型映画館)に移行している。
「浅草世界館」もそんな時代の流れの中で閉館を余儀なくされたのだろう。単独の映画館はいずれなくなってしまう事だろう。
「映画館」という独特な空間の中で、映画を楽しみ、共有してきたものにとって、これは実に寂しいことだ。映画文化は発生して、まだ100年余の歴史しかない表現形態である。その表現を鑑賞する空間としての「映画館」も時代とともに変化していくことは仕方がないものだろう。
17世紀のモリエールの演劇が、21世紀に公演され、その舞台装置のひとつとして、古い映画館の椅子が再生される。文化というものの奥深い不可思議を感じさせる楽しいニュースだ。
人々の営み、その喜怒哀楽は、昔も今も大差はない。演劇に生き、演劇に死んだモリエール。しかし彼の演劇は今日も生き続けている。
そのモリエールの演劇が公演され、映画館で多くの人々とかかわり共有されてきた椅子が、再び演劇空間の舞台でスポットを浴びる。そんな演出をさせる才人モリエールは、つくづく粋な計らいをする人だ。映画館の文化をこよなく愛するものとして本当にうれしい話だ。

斉藤隆(さいとう・たかし)
1941年、旧清水市生まれ。清水東高、同志社大卒。66年、オリオン座、ピカデリーをはじめ映画館などを運営する静活に入社。営業本部長を務め、2008年4月退社。09年3月、静岡の映画館史をまとめた「静岡映画館物語」を出版。


2012年10月23日

<病ブログ4>舞台美術 深沢襟さんインタビュー

◆中高生鑑賞事業パンフレット連動企画◆

<病ブログ4>は、中高生鑑賞事業パンフレットとの連動企画です。
パンフレットに掲載している深沢襟さんへのインタビューのロングバージョンをお届けします。

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舞台美術 深沢襟(ふかさわ えり)
静岡県出身。2012年で舞台美術に携わって15年。
代表作にSPAC『ペール・ギュント』『グリム童話』など。

Q.なぜ舞台美術の仕事をするようになったのですか?
深沢:母が芝居を見るのが好きな人でした。小さい頃から母に絵を教えてもらったり、芝居に連れて行ってもらったりする機会がありました。ある舞台を見たときに、幼少時代の役を演じている出演者が木の後ろに隠れて、次に出てきたときに10年後、大人になっている、というシーンがあったんです。舞台装置が役柄を演じる入口として使われているのを見たときに、今まで単なる風景と思っていた装置が違う風に見えてきて、そのとき初めて舞台装置に着目し、それから注目するようになりました。13歳の時です。その後、美術大学に入ったのですが、その頃にはすでに舞台に関わりたいと思っていました。作家として作品をつくることにはあまり興味がなく、1人の力では突破できない何かをつくりたいという衝動があったんです。大学には教わりたい先生がいたので、最初からその先生について舞台美術を専攻しました。

Q.舞台美術の仕事は具体的にどういうものですか?
深沢:どの演出家と組むかによって仕事の内容が変わってきます。演出家による戯曲(ぎきょく)の読み解きを聞いた上で、こういう空間はどうですか?と提案します。演出家によってはこういうふうにしたいと要望がある場合もあります。その場合は、その装置をSPACの劇場の空間に落し込むときにどういったアレンジが必要かとか、こういう俳優だからここはこうした方がいいといったことを提案する仕事になります。
 舞台美術の仕事には2つあると思います。まずは演出家が要求するキーワードや空間を読み取って形にすること。もうひとつは俳優との関係性です。この2番目の仕事は舞台制作の現場で起こります。装置を建て、俳優がそこに立ったときに、今回やりたいことに本当に合っているのか、を確かめます。もしくは、俳優が稽古(けいこ)をしているのを見ながら、小道具はこうした方がよい、装置のあの部分はどうなの?などと発見し、改善していきます。より重要なのは、この俳優と美術との関係の方だと思います。私も十何年やってきて最近特に思っています。今この空間で何が起こっているかを、どれだけ発見できるかがとても重要な仕事です。

Q.舞台美術というと、デザインしたものを舞台上に建て込むもの、と考えている人も多いと思うのですが、深沢さんの場合は稽古の中で舞台美術を変えていっているということですか?
深沢:そうですね。これは稽古に立ち会えるSPACだからできることでもあります。舞台美術が成立しているかどうかは、舞台美術のモノがよいということではありません。作家活動の場合、例えば彫刻であれば、彫刻を空間に配置したときに、その彫刻がよくなければいけないでしょう。舞台美術の場合は、舞台作品の方向性に対して、どういうポジションをとったか。そこに成功の鍵があると思います。俳優とどう関われているか、衣裳や照明との兼ね合い、流れている全体の時間との関係性、そういう観点からのよしあしがあります。そこが作家個人の作品との圧倒的な違いになります。
 舞台の力は、そこに俳優、照明などが加わって、もともと美術のフォルムが持っていた世界に、お客さんが別の入口を見つけることができることです。戯曲を読んだだけのときとは違うイメージが湧き出てくる。そういったところが舞台の魅力だと思います。だから、舞台美術は見た目だけで完成しているものではないんです。
 それが舞台美術の仕事の難しさでもあって、とくに自分が手を動かしてつくっている場合は、客観的な判断ができにくくなるんです。つくっている自分の内面に目が行ってしまうからです。そこから目を逸らさなくてはいけない。演出家の視点まで意識を持って行かなくてはいけないのですが、それができなくなってしまうことがあります。舞台美術の仕事には客観的に見る力が必要です。

Q.『病は気から』の舞台美術では、どこが見どころになりそうですか?
深沢:劇場では、客席にお客さんが座り、舞台上で俳優が演じます。劇場が持つシステムです。観客と俳優の関係、それから戯曲を書いている作者との関係もありますね。お客さんと俳優は対等ですが、作者はちょっと上から見ているような感じもある。その関係をかき回すような舞台美術。3つの関係が入り乱れるような装置になると思うので、そこをお客さんに楽しんでほしいです。

(2012年9月15日 静岡芸術劇場にて)

鑑賞事業パンフレットは、一般公演でも物販コーナーにて販売しています。
鑑賞事業パンフレット『病は気から』


2012年10月21日

<病ブログ3> 宮城聰 『病は気から』を語る

<病ブログ>ワン、ツーときて、今日はスリーです。

今回は、先日のファン大感謝祭にて行なわれた
≪芸術総監督宮城聰による「秋のシーズン2012」ラインナップ紹介」≫から、
『病は気から』の部分をご紹介します。

モリエールの『病は気から』には、そんな裏話があったとは。
嘘のようなホントの話です。
宮城から見たノゾエさん潤色の魅力もあわせてどうぞ。

満面の笑みで『病は気から』を語る宮城芸術総監督

満面の笑みで『病は気から』を語る宮城芸術総監督

モリエールはフランスのシェイクスピア
『病は気から』は、モリエールという17世紀の劇作家の作品です。彼はシェイクスピアより50年くらい後に活躍した人です。シェイクスピアがイギリスを代表する劇作家であるのに対してモリエールはフランスを代表する劇作家ですが、この2人はとても似ています。モリエールは劇団の座長で俳優、しかも劇作家。だから自分の劇団のために書いているんです。つまり、こういう若い俳優がいるとか、今この役者に人気が出てきたとか、そういう自分の劇団の状況に合わせて戯曲を書いています。しかも自分の役も書いている。これはシェイクスピアと、とても似ています。
モリエールは、今でもフランス演劇人のあいだでは、理想や憧れの存在としてみられています。フランスの俳優は誰もが異口同音に「いずれはモリエールのように自分の戯曲を書いて演出して、出演もしたい」と言います。そんな俳優にとっての憧れを、17世紀に実現していた人です。

医者嫌いのモリエールが、医者好きの男を演じる
『病は気から』の話に移りますが、モリエールという人自身は、医者が大嫌いだったんです。「医者嫌い」というと、医療そのものを否定しているとお考えになるかもしれませんが、彼の場合はちょっとちがうんです。彼は、免疫力や自分の体の中の自然治癒力みたいなものを信じていたようなんです。彼にしてみれば、医学というものは対処療法であって、病気そのものを治すんじゃなくて、症状を治すだけなんだということです。これは、割と今日の知見と似ていて、彼のような考え方は、今でこそそんなに珍しくないですよね。
けれども、17世紀の医者というのは、めちゃくちゃ偉いんです。医者は、あらゆる学問に最も通じている人間とされていたんですね。ですから、本来はギリシャ語やラテン語ができて、当時一番偉いとされていた牧師さんとかと、同列に並び称される職業なんです。誰からも尊敬されて、何を聞いても答えることができる、そういう立場だったのが当時のお医者さんです。モリエールはそういうお医者さんにはかかりたくないと思っているんです。
『病は気から』は、彼の最後の戯曲です。というのは、モリエールはこの作品の主役のアルガンという男を演じているんですが、4回目の公演後にモリエール自身が死んでしまうんです。作品の中で、モリエールはアルガンの弟にこんなことを言わせています。「自分は医者にかかりたくないので、たとえ病気になっても治してもらわなくて結構だ」と。「自分の体は、自分の病気と釣り合うくらいにしか体力がない。そこに薬までもらうと、その薬に耐える体力はないから、薬は飲めないんだ」と。面白いことを言っています。しかしまあ、モリエールは、自分の病気がどれくらい深刻かということを、分かっていなかったのかもしれませんが。
この芝居は、劇団のパトロンだった、当時のフランスの王様に捧げられていました。ところが、王様に観てもらう前に、自分が死んでしまった。モリエールにとっては、とても心残りだったと思います。
けれども劇の中のアルガンという登場人物は、それとは正反対で、全く病気ではないのに、お医者さんにかかりたくてしょうがない人として描かれています。何も病気がないのに常に薬を飲んでいないと心配なんです。これはすごく現代的です。もらった薬をこれを何錠、これを何錠と飲む。当時は飲み薬ばかりでなくて、浣腸っていうのも非常にもてはやされていたらしく、1日に12回浣腸をしたとか書いてあるんですね。「今日はまだ10回しかしていない。あと2回くらいしないと心配だ」とか。それくらい薬に頼っている主人公を、実は医者嫌いなモリエールが演じていたというのは、皮肉といえば皮肉ですし、人間というものは実に今も変わらないなあと思ったりします。

ノゾエ征爾さん潤色・演出の魅力
『病は気から』は、ノゾエ征爾さんが潤色・演出をします。今回の潤色では、台詞を少し今風に書き換えていますが、時代や場所の設定は変えていません。原作にある、あからさまなツッコミみたいなものを削って、もう少し「くすくす笑い」みたいなものを増やしています。どかっと笑うような笑いは消して、含み笑いをしたくなるような、そういう台詞を増やした潤色です。潤色台本だけを読んでいただいても、本当にノゾエさんの筆が冴えていることがわかると思います。今年、岸田國士戯曲賞をとったばかりの、まさに脂の乗ったノゾエさんの潤色・演出にご期待ください。


2012年10月18日

<病ブログ2>ノゾエさんインタビュー

『病は気から』は10月24日の中高生鑑賞事業公演が初日です。
初日1週間前のタイミングで、ノゾエさんにインタビューしてみました。

演出家卓から舞台を見つめるノゾエさん

演出家卓から舞台を見つめるノゾエさん

Q:SPACの俳優たちと今回一緒に作品を創ってみていかがですか?
A:いい意味での摩擦がたくさん生じています。
今回のように土俵の違う人たちが集まってやると、
摩擦は起きない方がおかしいですから、
これはむしろ健康的で演劇的な現象だと思います。

当初は予想していない事柄がたくさん起きていて、
それは残り時間が少なくなったところで更に加速していくと思うので、
最終的にどういうところに行き着くかすごく楽しみです。

Q:普段は役者としても活動されていますが。
A:演じるのは好きだと思います。なんだかんだでたぶん出しゃばりだと思うんで(笑)。
小さい時から人前で何かをするっていうのはずっとやっていました。
アメリカに住んでいたので、週末とか、友人の家族が集まって、
いわゆるパーティーっていうのが普通によくあって。
そういう場で手品をやってみたりとか、ちょっとしたモノマネをやってみたりとか、
小さなショーを披露するのは好きでしたね。

Q:今回は今までで一番大きな劇場での上演になりますか?
A:一番大きい部類ですね。
以前『欲望という名の電車』を上演した
豊橋のメモリアルホールも大きかったんですけど。
海外の名作をやるときには、なぜか大きな劇場ですね(笑)。
普段自分が使っている筋力とは違う筋力を要されているので、
新しい筋トレをやっている気分で、新鮮で楽しいです。

Q:ノゾエさんの作品には、よく椅子が登場していると思うのですが、
今回も舞台美術に椅子が使われていますね。何か理由はありますか?

A:椅子は最も身近にあるものの一つで。
椅子に対する意識って薄いと思うんですけど、
たぶん何もない空間に椅子があったとしたら、
そこに腰掛けない者はいないと思うし…。
一日の中でどれだけ椅子のお世話になっているんでしょうね。
立つか、座るか、横になるかですかもんね。
椅子の妙な存在感に惹かれているのかもしれないですね。

Q:今回の戯曲に対する印象は、稽古前と現在とでは変わってきていますか?
A)第一期の稽古などで色々苦悶した結果、
あまり難しく考えなくていいのではないかと、
今は割とシンプルに考えられるようにはなってきました。
今回の戯曲は自分の感覚とも遠いものではないですし、
最初は古典ということで敷居の高さを感じてしまっていたんですけど、
今は、知らず知らずのうちに近寄ってこれたのかなぁと感じています。

Q:お客様に一言。
A:僕は、計画的に緻密に組み立てて考えることがあまりできなくて。
「なんかこれが気持ちいい感じがする」みたいな、
感覚的なところで生み出して、お客さんの前に出した時に
色々見えてくるというか、形になってくるというか。
だから僕の作品は、お客さんとの対話で
初めて完成されるものだと思っています。

そういえば、ある建築家の方が話していた言葉で、
まさに自分の作り方だと思えるものがあったんです。
その人が言うには、とりあえず何でもかんでも星を散りばめるんだと。
自分がいいかなと思う星をどんどん散りばめていって、
そうしたら最後の方になって、それがいつしか、
気がつかないうちに繋がって、星座になっていると。
それはまさに僕の創作過程を表現している言葉でした。

最初はともかく、いいと思う星をどんどん打ち上げる。
気がついたらあの星とあの星とあの星が繋がって星座になっていた。
余ってしまう星もあるけど、それもあるからこそ星座もより引き立つ。
あとはそれがどういう星座かは、
お客さんが決めてくれればいいと思っています。
あまりこっちでこの星と星が繋がっていてこの星座が出来ています、
というような決めつけはしたくないですね。
お客さん一人一人が、それぞれの星座を見つけてくれたらいい。

今回も、ぼくらが良いと思える星はたくさん打ち上げてあると思うので、
観客の皆さんがそれぞれの素敵な星座を見ることができたならとても嬉しいです。


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