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2020年3月12日

『メナム河の日本人』の魅力⑥ 「一区切り」

「秋→春のシーズン2019-2020」最後の作品『メナム河の日本人』は、2月15日~3月11日まで上演の予定でした。2月27日時点での新型コロナウイルス感染状況と、政府の感染症対策本部の方針および県の方針を踏まえ、2月29日以降の公演がやむを得ず中止となりました。
残る3回の一般公演にご来場予定だった皆様、また、これから中高生鑑賞事業公演に来場予定だった18の中高・特別支援・専門学校の約2,500名の皆様にご覧いただくことが叶いませんでした。29日に無観客で記録撮影のための上演を行い、それが大千穐楽となりました。
 
今回のブログでは、以下の2つをお届けします!ぜひご覧ください。
お届けしきれなかった舞台写真たち
写真で「バックステージツアー」
 
 

 お届けしきれなかった舞台写真たち

 
『メナム河の日本人』は昨年の夏6月28日~7月12日の第一期稽古、また1月4日からの第二期稽古を経て上演されました。
主人公の山田長政は、静岡に生まれ江戸時代初めに単身アユタヤ(タイ)にわたり活躍した歴史上の人物で、静岡市内には長政ゆかりの地が数多く存在しています。SPACでは関連企画として、ゆかりの地をめぐる「リーディング・カフェツアー」を開催し、静岡浅間通り商店街の歴史委員の皆さんは公演を記念して街歩きイベントを開催してくださいました。

関連ブログ
長政ゆかりの地でリーディング・カフェ♪(2019.11.12)
第一期稽古振り返り(2020.1.24)
「おためし劇場」開催レポート(2020.2.1)
山田長政と「メナム河の日本人」ゆかりの地めぐり 開催しました
 (2020.2.24/外部リンク・静岡浅間通り商店街ブログ 【夢門前ニュース】)

 
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こちらは、中高生鑑賞事業公演で配布していた鑑賞パンフレットの出演者紹介ページ。
遠藤周作が史実を元に造形した主人公・山田長政は、SPAC初参加の林大樹さんが演じました。
また、遠藤周作の小説『王国への道』『銃と十字架』でも登場する神父は、女性である布施安寿香が演じました。
あらすじや演出ノートなどボリュームたっぷりな鑑賞パンフレットは、「しずおかイーブックス」よりご覧いただけます。
 
公演中止までに公開できていなかったトレーラーと舞台写真たちをぜひご覧ください。
 

 
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 写真で「バックステージツアー」

 
公演中止となった残り3回の一般公演の関連企画は、終演後に創作・技術部が舞台裏をご案内する「バックステージツアー」でした。少しですが、写真で舞台裏をご紹介します!
 
写真は2/24に開催したバックステージツアーより、衣裳スタッフによる説明の様子。ほかにもお客さんに実際に舞台に上っていただき、音響や照明を体験していただきました。
 関連ブログ   開幕しました!&衣裳の秘密(2020.2.19)

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美術に使われたのは大量の布たち。劇場入りしてからの稽古では、舞台美術の見え方や仕掛けなど、演出家・俳優・美術班・舞台班のメンバーで日々検討が重ねられました。
 関連ブログ  舞台美術ができるまで(2020.2.6)

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舞台から客席のほうを見るとこんなふうになっていました。
舞台後方には俳優の出入りで使用する切り穴が。こちらは奈落に繋がっていて、俳優たちは舞台裏にあるエレベーターを使って移動していました。
 関連ブログ  『メナム河の日本人』スタッフインタビュー(舞台監督:山田貴大)(2020.2.18)

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こちらは「バックステージツアー」でも立ち入れない舞台袖。俳優たちが使用する小道具が上手と下手にそれぞれ準備されています。王妃役・大内智美が手に持っているのは、チェト・ター王子の人形です。

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演出の今井朋彦さんは、無観客上演の千穐楽が終わった後、最後の集合を朗らかに締めくくりました。

「こういうかたちで終わってしまったのは残念ではあるけれども、何らかの意味を持っているんだろうと考えています。そのひとつの大きな意味は、「もう一度やりましょう」ということではないかと思っています。必ずまたこのメンバーで会えることを願って、今日のノーツは再演の稽古初日に発表します(笑)。
ぜひこのメンバーで近い将来再演をしましょう。今日で「一区切り」ということで、ここまでの皆さんのご尽力に感謝します。ありがとうございました。」

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SPACは現在、招聘するアーティストたちとも緊密に連絡を取りながら、予定通り開催に向けて「ふじのくに⇄せかい演劇祭2020」の準備を進めております。いまどうしてもご覧頂きたい演目を揃えたこの演劇祭をぜひ皆様に安心して楽しんでいただけるよう、最大限の努力をしてまいります。ゴールデンウィークに皆様と劇場でお会いできますことを、SPAC一同、心より楽しみにしております。
『メナム河の日本人』も、また近いうちに同じ座組で集まって、皆様にご覧いただくことができますように。

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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #5
『メナム河の日本人』
2020年2月15日(土)、16日(日)、23日(日・祝)、24日(月・休)、29日(土)、
3月1日(日)、7日(土)

※新型コロナウイルス感染状況と、政府の感染症対策本部の方針および県の方針を踏まえ、2月29日(土)以降の『メナム河の日本人』公演の中止を27日に発表いたしました。詳細はこちらのページをご覧ください。

各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
演出:今井朋彦
作:遠藤周作
出演:林大樹、阿部一徳、大内智美、大高浩一、奥野晃士、加藤幸夫、小長谷勝彦、佐藤ゆず、たきいみき、布施安寿香、三島景太、山本実幸、吉植荘一郎、渡辺敬彦
★公演詳細はこちら
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