■劇評塾卒業生 依頼劇評■
おっかさんはつらいよ、本当にね(でも、娘も…)!
『母よ、父なる国に生きる母よ』を観る
阿部未知世
1. ポーランドと言えば
2013年の<ふじのくに⇔せかい演劇祭>に、ポーランドの演劇が招聘された。東ヨーロッパの演劇とは…。この演劇祭では、初めてのことではないか?興味津々なのだが…、やはり遠い国だなあ…。ポーランドについて、いったい何を知っているのだろうか…。思い出すまま連ねてみると。
まず、アウシュビッツのユダヤ人強制収容所(これは、あまりにも重い現実)。社会主義崩壊の引き金となった民主化運動、<連帯>とそのリーダーのワレサ(これはグダニスクの造船所労働者に端を発する運動で、リーダーは敬虔なカトリック信者だった筈)。NATO に対抗したワルシャワ条約機構というのもあったし…。
イメージとしては、ドイツとロシア(ソ連)という両大国の狭間で、蹂躙され続けた歴史を持つところ。何か、つらい思いが伴うなあ…。アンジェイ・ワイダの重い内容の映画とか。 続きを読む »