2018年8月3日

「SPAC秋→春のシーズン2018-2019」製作発表会 レポート(後編)

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去る7月23日(月)、東京・飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京で、「SPAC秋→春のシーズン2018-2019」製作発表会を開催。前編では、シーズン#1『授業』、#2『歯車』までをご紹介しましたが、後編では、宮城の新作となる#3『顕れ』、#4『妖怪と私(仮題)』をご紹介します。

シーズン#3『顕れ』(原題:『Révélation』は、アフリカ・カメルーン出身でフランス在住の女性作家レオノーラ・ミアノが2015年に発表した戯曲。アフリカ社会の分断を生んだ奴隷貿易の実態に深く切り込む戯曲を、宮城がその独特の死生観で祝祭音楽劇として立ち上げます。なお、本作はフランスのコリーヌ国立劇場からの委嘱によって創作され、9-10月にフランスで世界初演されたのち、来年1-2月静岡で上演されます。

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宮城は「レオノーラ・ミアノさんが目の前にいるので、話すのが恥ずかしい。偉そうなことも言えないし…。戯曲が書かれてからこれが初めての上演なので、非常にプレッシャーがあります」と語りつつも、「この戯曲は、最初に申し上げた、自分というものが今までと同じではいられないような危機に直面した人間を描いています。ヨーロッパ・西アフリカ・新大陸の間での三角貿易、所謂奴隷貿易ですが、これにアフリカ側でも加担する人たちがいました。そして彼らは、自分あるいは世界に向けてなのかもしれませんが、この上ない無念、あるいは恨みを抱え込んでいる。しかし、口を開くことができない、誰にも言えないし、誰も言ってはくれないわけです。こういう語られることのない恨みは、今生きている人間をも不幸にしていく、僕はこう考えています。だから演劇という手段を使って、その語られない恨みを解き放っていきたい。それを一番のメインの仕事と捉えています。ミアノさんの『顕れ』という戯曲は、まさに僕の仕事のど真ん中の戯曲なんですよね。ですので、今回上演させていただくことになりました」と作品への思いを述べました。

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シーズンのラストを飾るのは、ジャン・ランベール=ウィルド作・演出の『妖怪と私(仮題)』です。SPACではこれまで『スガンさんのやぎ』『隊長退屈男』、そして今年の演劇祭で『リチャード三世 ~道化たちの醒めない悪夢~』を上演してきたジャンさん。満を持してSPAC俳優・スタッフとの新作に挑みます。

死後、おかしな妖怪の世界に迷い込んだある一人の男。魑魅魍魎に翻弄されながら、壮絶な人生を回想し、試練を乗り越えて辿り着いた先に待っていたのは――。自由と情熱に溢れた主人公の生涯を通して「生きること」の喜びを描く愉快な音楽劇です。

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ジャンさんについて、宮城は「フランスの若手演出家の中で、はじめて国立劇場のディレクターになった一人なんですね。30代で国立演劇センターのディレクターになるというのは非常に珍しいんですけれども」と紹介。さらに「今日、西さんと多田さんに来ていただいていますが、ジャンさんも含めて、僕より若い世代でこの先演劇界を担っていくだろうなと思われる、そういう逸材です」と期待を寄せました。また、「ジャンさんはレユニオン島というフランスの海外県で生まれているんです。そのレユニオン島で、彼は子供の頃から近所のおばさんなどにいわゆる妖怪の話をずいぶん聞かされたそうです。また彼は、戦争に行った男、先程申し上げた一つの危機的な瞬間の代表例がおそらく戦場だと思うのですが、人を殺すか自分が殺されるかという局面に立たされた男に関心を持っていて、その戯曲も書いています。この二つの要素、戦争に行って戦場で何を見るかということ、それから幼少期の妖怪体験、つまり妖怪というものが本当にいるような気がする、そういう世界で生まれ育っているという、この二つから、この後申し上げなくても、とある日本の偉大な漫画家のことをほとんどの方が思い起こされると思います。今はまだその方の名前をあまり出さないようにしていますが、ジャンさんはその漫画家の全作品を読破するほど傾倒していて、そこからインスピレーションを得た新作を書くことになります。もちろんこれは全くの新作ですが、人間が危機的な瞬間に直面する、まさにそのことを目の前にある肉体を使って描く、そういう作品になるに違いないと考えています」と語りました。

その後、『顕れ』の作者レオノーラ・ミアノさんにもご登壇いただいてのフォトコール。

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9月20日からの『顕れ』フランス公演と10月からのシーズン開幕に向けて、私たちスタッフにとっては、改めて気合を入れる製作発表会になりました。

参加くださった皆様、本当にありがとうございました。そしてシーズン開幕をどうぞお楽しみに!

※製作発表会後、続けてレオノーラ・ミアノさんの講演会を行いました。この模様は『顕れ』ブログでご紹介します。
→8/5(日)更新しました!こちらからお読みいただけます。

★SPAC秋→春のシーズン2018-2019ラインナップ詳細はこちら
http://spac.or.jp/autumn2018-spring2019.html


2018年7月30日

「SPAC秋→春のシーズン2018-2019」製作発表会 レポート(前編)

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毎年10月から翌年3月にかけて古今東西の名作戯曲を中心に静岡芸術劇場で上演する「秋→春のシーズン」。今年は新作4本を発表するという超豪華なラインナップになりました♪
そこで、多くの皆様にこのラインナップを知っていただくべく、7月23日(月)、東京・飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京で、「SPAC秋→春のシーズン2018-2019」製作発表会を開催。シーズン#1『授業』を演出する西悟志さん、#2『歯車』を演出する多田淳之介さん、そして芸術総監督の宮城聰が登壇し、自身の演出作について語りました。

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会見冒頭宮城は、「SPACの秋→春のシーズンは、「演劇の教科書」がもしこの世にあったならば、必ず掲載されるであろう“人類共通の財産”と言える作品を上演するのが基本的な考え方なんです。これは観客動員に左右されずに作品を選んでいくということでもあります」とコンセプトを説明。

そのうえで、「優れた芸術っていうのは、危機的瞬間に直面した人間の心の状態を瞬間冷凍してとどめているものだと僕は考えています。危機的瞬間って所謂ネガティブな意味ばかりでなく、喜怒哀楽どれに関しても度外れていて、今までの自分ではいられなくなってしまうような瞬間です。恋なんかもそうですね。それを見事に、瞬間冷凍のようにとどめているのが、多くの優れた芸術なんじゃないでしょうか。僕らは生きている中で時々そういう危機に直面し、うろたえてしまいます。しかし芸術を観ると、これまでにも案外似たような局面を人類は体験していて、そういう瞬間に人はどうしていたのかということを学ぶことができます。これは芸術の大きな遺産、人間が蓄えてきた知恵なんです。演出家は、生きている俳優の肉体を使って、瞬間冷凍されたものを解凍してみせるのが仕事。というわけで、演出家という人が僕は活躍して欲しいと思っているんです」と語りました。

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その一方で、日本の演劇界では「演出家」だけでやっていくのは難しいとも言及。野球になぞらえて、「高校野球では、ピッチャーで四番を打っている人はいますが、プロになるとどちらかに専念する場合が多いですよね。王貞治さんとか。ごくまれに大谷翔平みたいな人がいますが、やはりピッチャーか打者に専念する人が大半です。翻って日本の演劇界は、不思議なことにピッチャーで四番のままプロになっていく人が多い。それは世界の中でみるとユニークで良いことでもあるのですが、逆に言えば“人類の遺産”として折角残っている過去の優れた作品を上演する、その専門家がほとんどいないということなんです。だから僕は演出家にもうちょっと活躍して欲しいって思っていて、今年の「秋→春のシーズン」では、僕がまさに期待している西さん・多田さんに、演出の専門家として、過去の遺産を今を生きている俳優の身体で表現するという演劇の王道を展開していただきたいなと思っています」と述べました。

 宮城の概要説明に続き、各上演作品の紹介へ。
シーズン第一弾は、不条理劇の傑作、ウジェーヌ・イヨネスコの『授業』。内気な老教授のもとへ個人授業を受けに訪れた一人の快活な生徒。穏やかに始まった授業は徐々に変調をきたし、衝撃のラストへ…。
本作を演出する西悟志さんは、宮城の「危機的瞬間に直面した人間」という言葉を受けて「今危機的状況にある西悟志です」と発言。会場を一気に和ませました。

そして、「話し言葉は“おまじない”だと考えています」と述べ、実際に参加者の一人に「手を挙げていただけますか?」と挙手を促しました。手を挙げる参加者。それを受けて、「こうやって言葉をかけることで、私は労せずして人を動かすことができます。これを私は“おまじない”と言っています」とその意味するところを説明。続けて、「手を挙げてくれない可能性もあったわけですから、この“おまじない”はかかったり、かからなかったりします。自分は“おまじない”をかけるのが上手いと思っていますが、一方で結構かかりやすいです。だから、ここ2カ月くらい自分がまるで『授業』の中の教授を演じてしまうような、戯曲が自分の中に降りてきちゃうようなことがあって」と語りました。

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その中で「教えることって楽しいよね」というシンプルな言葉が生まれたとし、「何で楽しいかと言えば、力を持つから。力を持つということは多分すごく楽しいことなんですが、力を行使することは不愉快なこともあるんです。イヨネスコの『授業』は、“教える”という行為の中に暴力性をはらむことを描いた傑作戯曲だと思っています。でも、教えることを不愉快だからと言ってやめてしまったら、多分そこには何も起こらなくなってしまう。多分言葉も演劇も同様に力を持つことを恐れてはいけないし、一方で暴力にもなりえるということを常に頭に置いていなければならない、と考えています」と述べました。

また、「裏返って教えられる人もいるわけです。戯曲中、生徒は暴力を振るわれ、ひどい目に遭いますが、この生徒のことを覚えている人がどれだけいるんだろうと考えます」とし、「“教える-教えられる”という関係の中で否が応でも力を持ってしまう自分が、教えられて押しつぶされていく人たちを忘れないこと、それが自分の仕事なんじゃないか。押しひしがれていく、力を行使される女性たちを中心にこの戯曲に取り組んで行きたいと思っています」と抱負を語りました。

続くシーズン#2は芥川龍之介最晩年の小説の舞台化となる『歯車』です。
 知人の結婚披露式のために上京し、ホテルに滞在しながら執筆を行う、とある作家。破滅や死への不安に襲われながらも心を平静に保とうと執筆に向かう姿は、死の直前の芥川本人なのでしょうか…?
 本作の演出を手掛ける多田淳之介さんは、SPAC初登場。「SPACで作品を創らせていただけることや、何よりSPACの俳優と作業できるのをすごく楽しみにしている」と語り、また「中高生鑑賞事業公演もすごくモチベーションになっている」と喜びと期待をにじませました。

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 一方で「中高生に見せる作品が『歯車』という…。僕は戯曲だったり小説だったり、色々なものをもとに作品を創る中で、その題材をどうやって今の人たちに“我が事”として捉えてもらうか、を考えることが多い。だから『歯車』をそのように捉えてもらうのはなかなか大変だと感じています。小説自体、のりにくいというか、読み進めるのが難しい。所謂話のないお話でもありますし…」と苦笑い。
 ただ、「構造としてはすごく面白い小説」と述べたうえで、「間違いなく芥川本人である作家が、苦しみながら小説を書いている。でもこの作家は、小説を書くことはあまり辛くなさそうなんですよね。それ以外のことは辛そうなのに、筆はすごい勢いで進んでいたり(笑)作品自体は表現として強度があると言うか、文芸としてすごくレベルの高い作品だと思います。おそらく入れ子構造というか、書いている作家(芥川)が作中にいて、彼も苦しみながら書いているんだけれど、すごく面白い作品を書いているようにも見える。この入れ子構造は面白いなって思っています」と語りました。

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 さらに、「僕も昔は脚本を書いていて、「東京デスロック」という名前の劇団を今もやっていますが、人が死ぬ話ばかりを書いていたんです。正確に言えば、死なれた側の話などですが。なるべく「死ぬ」ということをポジティブに、「死」を描くことで、「生きること」をいかにポジティブに捉えられるかを考える。この『歯車』からも、「生きること」「生きるとは何か」ということや、「息苦しさとは何か」ということを考えていけたら良いなぁと思っております」と抱負を述べました。

宮城は、「多田さんに何で『歯車』をお願いしたか、一つは多田さんの名前が淳之介で如何にも文芸っぽいということもあって(笑)淳之介が龍之介を演出するって良いんじゃないかって(笑)」と冗談を言いつつも、「先程多田さんが“入れ子構造”っておっしゃいましたけれども、この構造そのものを上手く演劇にしてくれるんじゃないかっていう期待をしています。多田さんは、メタ構造的なものを立ち上げるのがとても上手で、最近劇作はされないけれども、かなり劇作家的な技術を演出に持ち込んでいる方だと僕は思っています。また、演出家としてカンパニーを率いているという非常に稀有な存在です」と期待を寄せました。

後編につづく

2017年10月28日

『変身』日記2017 #3 ~グレゴールの部屋の中~

雨の夕方。
リハーサル室に行ってみると、
グレゴールの部屋のドアが開けられるシーンの稽古中でした。

グレゴールが虫になってしまったことをまだ知らない家族や、
出勤してこないグレゴールを訪ねてきた、会社の支配人が
彼の姿を初めて目にする瞬間です。

ちょっと無茶を申し上げるかもしれませんが
グレゴールの部屋の前にいる家族の気持ち、
皆さん想像してみてください。

部屋から出てこないグレゴール。
ドアの向こうから聞こえる、ずいぶんと様子のおかしな声。

さあ、部屋のドアが、開きます…!

…なーんて想像するとなんだかちょっとこわい気がしてきますが
SPAC版『変身』では
演出の小野寺さんや、音楽の阿部海太郎さんの遊び心も感じられるシーンです。

緊張感でいっぱいの中、ついクスリと笑ってしまうような、
いや、笑えないような…?

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▲写真はその少しあとのシーンより。

さあ、グレゴールの部屋のドアが開いたとき、
なにが見えて、なにが聴こえるのでしょう?

ぜひ劇場でお確かめください!

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SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯2
『変身』
2017年11月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日)、
12月3日(日)、9日(土)、10日(日) 各日14時開演
演出:小野寺修二
原作:フランツ・カフカ
音楽:阿部海太郎
出演:大高浩一、貴島豪、榊原有美、鈴木真理子、たきいみき
   武石守正、舘野百代、野口俊丞、宮城嶋遥加、吉見亮
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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2016年10月10日

【『高き彼物(かのもの)』への道 7歩目】出演者インタビュー第4弾・石倉来輝

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『高き彼物』出演者インタビューの4人目は、藤井秀一役の石倉来輝さんです。
石倉さんは、藤井秀一と同じ18歳。そして静岡での稽古期間は、初めての一人暮らしにも挑戦中。オーディション合格の喜びからここまで、石倉さんは何を考え、どのように過ごしているのでしょうか。
(収録は第一期稽古最終日2016年8月31日に行いました。)

–石倉さんが演じる藤井秀一はどういう人物でしょうか?

昭和53年の東京に住んでいる高校3年生です。受験勉強のため、長野で行われる予備校の夏期合宿に参加する予定でしたが、あることがきっかけで、猪原家の元でお世話になっています。性格は僕と正反対で、思ったことがあまり表に出ないし、溜めこんで思いつめちゃうような子です。揺るぎない自分を持っていて、自分が違うなと思うことをちゃんとわかっているのに、それを表に出さないのは彼のよくないところだなと思います。

–正反対なのですね。

僕はこの春まで秀一君と同じ高校生だったのでわかるところはありますが、秀一君ほど自分の核がないし、彼は進学校に通っているし、自分にはない経験をしています。それに、僕は思ったことが身体や言葉に出やすいところもあって、役との溝があるなと感じています。高校生という子どもと大人の間にいる中で、秀一君は今をしっかり捉えることができているように思います。

–自分と全く違う役とはどのように向き合っていますか。

そうですね。「自分を知る」ことでしょうか。さきほどお話しした「溜めこむ」ということは、秀一君はやるけど自分はあまりしないことだから、まずは自分が普段やっていることを意識するようにしています。自分を知って自分を抑制するというのが、腑に落ちています。……だけど、まだ悩んでいることは多いです。

–藤井秀一と同様、ご自身も現在、東京から静岡に来ていて、先日は川根に行くという経験をしました。そこから役や作品について想像は膨らみましたか。

すごく感じるものがありました。いくつかトンネルを抜けて山にバーっと囲まれた川根町が見えた時、すごく安心しました。初めて川根町に行ったのですが、とても居心地が良くて。秀一君が、川根町の猪原家に落ち着いてしまうのはわかるような気がします。秀一君もこうだったのかなって合点がいきました。

–秀一は川根町にある前山橋の辺りでバイク事故を起こし、友人を一人失っています。実際に前山橋の近くまで行ってみていかがでしたか?

他人事には思えなかったです。稽古で古舘さんが、僕たちのことを役名で呼ぶことがあるので、知らないうちに自分と役の境界線が曖昧になっているという不思議な感覚があります。そういった状況の中で秀一君にとって重要なところに行くと、自分にしかわからない重たい空気がありました。
自分が経験した訳ではないけれど、他人事でなくなっている感覚です。

–今年の4月に出演者オーディションが行われ、本作への出演が決まりました。応募した動機をお聞かせください。

僕は3月まで演劇の専攻がある高校にいました。演劇でご飯を食べていきたくて卒業後に色々と探している中で、このオーディションを見つけました。受かるとは思っていませんでしたが、いい機会だからダメ元で当たって砕けろと思って受けました。だから電車の中で合格通知を見た瞬間は忘れられないですね。オーディションを受ける以前にSPACの作品は観たことがあって、感動したし、すごいなという印象があったのでなおさらです。
オーディションでは、『高き彼物』の一部のシーンをリーディングしたのですが、その時に「この稽古場に通いたい!」って強く思いました。実際の稽古は僕にとってすべてが新しくて、一瞬一瞬が血肉になっている感覚があります。もっと吸収したいって欲が出てます。

–稽古場でとても積極的な姿を見ているので、その理由がわかりました。

稽古場ではまだまだ出来ないことも多くて、皆さんの足を引っ張ってるんじゃないかって悩んだりもしているので、積極的と言われるのは意外でした。すごい俳優さんばかりで日々学びです。

–演技するのが好きなのですね。

自分でないというのがいいのかもしれません。みんなに伝わるように自分のことを自分の言葉でしゃべるのが難しくて、得意ではないんです。一方、演技だと戯曲とかフィクションという共通言語の力を借りて対話が出来る、人と知り合って揺さぶり合えるので、生きている実感があります。

–藤井秀一という人物をどのように演じていきたいですか?

藤井秀一になるというよりは、僕が藤井秀一というフィクションを借りて、舞台上にどういるかというのを考えています。秀一君のように、高校生は大人になると気にならないような些細なことに思い悩んでがんじがらめになってしまうこともありますが、それはすごく美しいことだなと思います。それを、秀一君を通じて表現したいですね。

–上演に向けての意気込みをお聞かせください。

まだ経験の少ない自分が舞台に出ることになるので、自分の経験も身体も全て使って、『高き彼物』という話を通じて今見つめるべきものを大切にしたいと思っています。この機会を頂けたことに感謝し、『高き彼物』という話に自分自身の経験も身体も全てを投じて、今見つめるべきものを表現したいと思っています。

–ありがとうございました。

公演情報はこちら。
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SPAC秋→春のシーズン2016 ♯2
『高き彼物』
一般公演:11月3日(木・祝)、5日(土)、13日(日)、19日(土)
演出:古舘寛治 作:マキノノゾミ 舞台美術デザイン:宮沢章夫
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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2015年3月26日

【SPACこども大会】卒業生は今!?

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3/28(土)に、「SPACこども大会」を開催いたします。
県内の小学生に、自分の特技を思いっきり披露してもらうこのイベント、
今年も個性豊かでにぎやかなこども大会になりそうです。
詳細はこちらをご覧ください。

2001年からスタートし、今年でなんと16回を迎えます!!
これまでの15回の大会には、県内の幅広い地域から553組1182名の小学生が参加してくださいました。
中には、その特技を磨き続けて活躍されている方々もいらっしゃいます。


▲ 笠原江梨香さん

第2回大会に「空手演武」でご出演いただいた笠原江梨香さんは、
ロンドンで開催された「第30回オリンピック競技大会」テコンドーで、7位入賞を果たしています。

ほかにも様々な分野で活躍している方が大勢いらっしゃいます。
「SPACこども大会」が少しでもその背中を押す手助けになっていたら、
こんなに嬉しいことはありません。
今年も、きらきらした子どもたちの魅力を最大限に引き出せるよう、SPAC一同精一杯努めます。


2014年12月15日

クリスマス、幻の歌姫ミス・ナイフがやってくる

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さて、今年も早いもので残りあと、半月となりました。

ご好評をいただいている、小野寺修二演出『変身』公演も
残すところ、週末公演は2回のみです。
まだ、観ていないという方、どうかお見逃しなく。

そして、もうひとつ、この年末見逃していただきたくないのが、
『ミス・ナイフ、オリヴィエ・ピィを歌う』公演です。

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鏡の前で口紅を塗ってみたころ
~オリヴィエ・ピィ『ミス・ナイフ』のこと~

SPAC文芸部
横山義志

女装キャバレーショー『ミス・ナイフ』は劇作家・演出家オリヴィエ・ピィのライフワークともいえる作品である。1996年初演だという。この年には、ピィはまだ30代になったところで、セドリック・クラピッシュの映画『猫が行方不明』でゲイの男の子役で出演して、同居するヒロインに「ほら、もっと肩出して、セクシーにしなさいよ」なんて恋愛指南をしたりしてた。私がはじめてミス・ナイフを見たのは2004年。そんな青年の面影も残っていたピィが、パリのバスティーユにある「カフェ・ド・ラ・ダンス」で、お客さんに流し目を送りながら一生懸命お尻をふっていたのをよく憶えている。なんと宮城さんのク・ナウカがパリ公演を行ったのと同じ劇場だった。不思議な縁。

それから2007年にはオデオン座の芸術監督、つづいてアヴィニョン演劇祭の芸術監督に就任して、なんだかすっかりフランス演劇界を代表する存在になってしまった。気がつくとちょっと貫禄がついてしまったピィが、2012年にオデオン座サヨナラ公演としてこのミス・ナイフを再演する、と言い出したときには、ちょっと驚いた。静岡でもぜひやりたいという。

このときは忙しすぎて静岡公演は実現しなかったが、2014年のアヴィニョン演劇祭では、芸術監督就任直前に、なんとオフで、自分で小屋を借りてミス・ナイフをやっていた。「ぼくはここのオフで芝居をはじめたんだ。来年からはもっとインとオフの垣根をなくしていきたい」なんていいながら。10年前に比べて露出はだいぶ減ったけど、リップサービスと流し目は健在。それに大人の魅力(?)とちょっぴり哀愁が加わって。

ふだんのオリヴィエ・ピィの芝居は、きれいな男の子はいっぱい出てくるけど、えらく長台詞が多くて、平気で上演時間10時間とか24時間とかだったりして、やたらと壮大なものが多い。だけど、きっとミス・ナイフをやると、子どもの頃、ドキドキしながらお母さんのワンピースを出してきて、鏡の前で口紅を塗っていたのを思い出すんだろう。

そんな大事な舞台を、ようやく静岡に持ってきてくれるという。今も相当忙しそうなのに。だいたい女装キャバレーショーをやっている演劇祭の芸術監督が他にいるだろうか?いつも大きな十字架をかけてるけど、クリスマスのミサに出なくていいんだろうか?すてきなクリスマス・プレゼントまで、もうあと一週間足らず。アジア公演は台北と静岡の二カ所だけ。まだ多少お席があるようなので、ぜひピィさんの流し目に出会いにいらしてください。

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◆公演情報◆
『ミス・ナイフ、オリヴィエ・ピィを歌う』 
 12月23日(火・祝) 17:00開演

 静岡芸術劇場
 上演時間:約90分 歌詞:フランス語/日本語字幕付き

 出演:オリヴィエ・ピィ(歌)ほか
 http://spac.or.jp/missknife.html

☆終演後に、レセプション・パーティ「オリヴィエ・ピィ&宮城聰と語らうクリスマスの夕べ」を開催します。

◆『ミス・ナイフ、オリヴィエ・ピィを歌う』日本公演記念◆
「オリヴィエ・ピィ&宮城聰と語らうクリスマスの夕べ」


右:オリヴィエ・ピィ 左:SPAC芸術総監督・宮城聰 今年7月フランス・アヴィニョンにて

 日時:12月23日(火・祝)19時開始予定
 場所:レストラン「オアシス」(グランシップ1階/静岡芸術劇場隣り)

 詳しくはこちら
 http://spac.or.jp/missknife.html#page1


2014年11月13日

【日刊!『変身』】ともちゃんとナギちゃん。

みなさま、こんにちは。
制作部の山川祥代です。

本日の【日刊!『変身』】ブログは
『変身』の作品創作に携わっている
「はたらく素敵女子」2名をご紹介したいと思います。

まずは、『変身』の音響オペレーターを担当している
SPAC創作技術部音響班の山﨑智美さん。
通称ともちゃん。(私の中で)

1

稽古場の音響卓の前に座り、
稽古の様子を一部始終見つめながら
小野寺さんのその瞬間にひらめいた案に即反応し、
何百とあるであろうストックの中から
「音」という名の効果を提示していく・・・
当たり前のことのようで、
稽古場に与える影響然り、
ものすごいことなんだろうなって
しみじみ感じます。

2

微動だにしないたたずまいというか、出で立ちには
ちょこんとかわいらしく座っているように見えて
その真剣な眼差しと瞬時の判断力に驚かされます。
それでいてお声のかわいらさしさといったら!
初めて耳にしたときは
「何てエンジェルボイスなんだ!」と感動したほどです。

そして2人目は同じく創作技術部で
舞台班の廣﨑ナギ子さん。
今年の4月からSPACメンバーとなったニューフェイス。
通称ナギちゃん。(またもや私の中で)

3

ナギちゃんも今年が1年目だなんて信じられない程、
テキパキ動いてくれています。
新作はとても面白いけど、その分やっぱり大変なことも。
何もないところから生み出すということは
それだけ新しいものを用意しなくてはいけないということ。
装置にしても小道具にしても、
必要なことはわかっているけど、何せ創作中なので
稽古の進捗に大きく左右されてしまいます。
しかし、そんなことにも打ちのめされず
ともちゃん同様、その場の適応能力を大いに発揮しながら
ドライバーを使って道具を用意したり、大きな板を支えたりと
そのたくましい働きっぷりはとてもかっこいいです。

4

そんなともちゃんとなぎちゃんに
今まさに創作がおこなわれている『変身』稽古について
どんなことを感じているかコメントをいただきました!

【山﨑】
「普段の生活では気にも留めないような
小さな仕草からも受け取ることのできる
意図や感情を見逃さないよう、
日々の稽古の中で心掛けています。」

【廣﨑】
「『変身』は新作なので、まさに何もないところから
一つの作品が創り上げられています。
その過程に携われているという事実が
もう楽しいです。そして光栄です。」

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いい音出せるようにがんばります!(山﨑)
観ないと後悔しますよ!(廣﨑)

『変身』の「働く素敵女子」、
ご堪能していただけましたでしょうか?
この2人が『変身』の創作現場にバッチリ付き添って
実際の公演でも活躍してくれます。
俳優、そして他のスタッフたちも
小野寺さんとの新作に全力で向き合っています。
そんな「熱い」稽古場から生み出される
SPAC新作『変身』、どうぞお見逃しなく!

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
公演の詳細はこちら
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2014年11月10日

【日刊!『変身』】大高浩一の語り

だんだんと作品の姿が見えてきた稽古場より、レポートは続きます。

本日はこの方をご紹介しましょう。

今年度は、
『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』のナラ王、
ふじのくに野外芸術フェスタで上演した『天守物語』で
姫川図書之助役のムーバー(動き手)、
静岡文化芸術大学で上演した『綾の鼓』では
華子役のムーバーだった大高さん。

今回の『変身』では、

2
語る。

2
語る。

動きを作っている俳優たちと絡みながら
あるいは彼らの間をすり抜けながら
そして装置を縦横無尽に使いながら

3

語ります。

大高さんの台詞をここまでたっぷりと味わえるのは
SPACにいつも来てくださっている皆さんにとっても、ちょっと珍しいはず。

大高浩一ファン必見ですね?

大高さん

「楽しみにしててください!」

(大高さん最近その顔お気に入りっすね。)

ご来場お待ちしております!!

制作担当 中野三希子

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
公演の詳細はこちら
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2014年11月2日

【日刊!『変身』】読んで、観る楽しみ

昨日のしおりの話題に引き続き、読書といえば…
普段、お客様とお話ししていると
よく「原作を読んでいないとダメかな?」と仰る方がいらっしゃいます。

もちろん、「ダメ」なんてことはありません!

ですが、可能であれば一度お読みいただくと
細部までじっくりと味わっていただけるかな?とは思います。

読んだことのない方にも物語を伝えられてこそ、
初めての方にも楽しんでいただいてこそ、
という面もあるものの
観劇の際に深読みの喜びを得たい、
ストーリーを分かっていた方が安心、という方は
カフカの『変身』、ご観劇前にお読みいただくのもオススメです。
一度読んだよ、という方も、改めて読んでみると
また違った面白さにお気付きになるかもしれません。

そして、舞台で観る『変身』では
原作を読んだときに感じた面白さが
いっそうくっきりと見えてくるかもしれませんし
あるいは、読んだときとはさらに違った「何か」を
見つけていただけるかもしれません!

(小説って、舞台って、これだからやめられないですね…!!)

『変身』、長い小説ではありませんので、
わりあい気軽にお読みいただけると思います。
ぜひ今回の特製しおりを片手にどうぞ。

青空文庫でも読めますよ!

…さて、稽古もぐいぐい進んでおります。
本日は、真剣なまなざしが素敵なこのお二人の写真を最後に。

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稽古を覗いていても、ひとりひとりの表情にドキッとさせられます。
顔の表情にも、身体の表情にも、そしてもちろん、発する台詞の力にも!
ほんとうに、それぞれの俳優たちのいいキャラクターがどんどん出てきているようです。
どうぞお楽しみに!

制作部
中野三希子

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
公演の詳細はこちら
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2014年11月1日

【日刊!『変身』】読書のおともに

一日の稽古休みを挟み、雨模様の本日です。
今週末、『ドン・キホーテ』『走れメロス』の俳優たちは
大道芸ワールドカップでのパフォーマンスで皆様にお会いしますが
新作に立ち向かう『変身』チームは今日もひたすら稽古稽古稽古。
お客様にお会いするのは12月の楽しみとさせてください…!

さて、季節は読書の秋。
『変身』では今回、特製のしおりを作って
書店さんに配布していただきます!

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(ご協力いただいたお店:戸田書店さん、MARUZEN&ジュンク堂書店さん、谷島屋書店さん)

昨日出来たてをお渡ししてきたばかりですので
順次、各店舗さんに配置していただけるかと思います。
静岡市立中央図書館さんと御幸町図書館さんにもこれからお届けします!

このしおり、
『変身』ご来場の際にお持ちいただくと…

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ささやかながら、カフェ・シンデレラでサービスをさせていただきます。

書店や図書館でどうぞお手にとって、
秋の読書のおともに、
そして12月のご来場のおともになさってください☆

制作部
中野三希子

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
公演の詳細はこちら
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