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2019年5月17日

「グッドデザイン賞とロングライフデザイン」イベントレポート

去る4月21日、D&DEPARTMENTで開催された「d SCHOOL」出張版トークツアーのゲストとして、SPAC芸術局長の成島洋子が登壇しました。
「グッドデザイン賞とロングライフデザイン」をツアーテーマに、日本デザイン振興会の矢島進二さんとD&DEPARTMENTのナガオカケンメイさんが、「良いデザイン」「ながく続くデザイン」とは何かをトーク。
ツアー先の土地のグッドデザイン受賞者をゲストに、ということでお声がけいただきました。
少し日が経ってしまいましたが、今回のブログではこちらのトークイベントで語られた内容を抜粋してご紹介します!
 
SPACは2018年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
舞台芸術作品の創造・上演とともに、優れた舞台芸術の紹介や舞台芸術家の育成を事業目的として活動し、静岡から世界レベルの演劇を発信して国際的な文化交流を図っているという、その活動が一つのデザインとして高く評価されました。https://www.g-mark.org/award/describe/48284
 
D&DEPARTMENT SHIZUOKA by TAITA
47都道府県に1か所ずつ、現地のパートナーと共につくる拠点「D&DEPARTMENT」の2店舗目としてオープン。
過去には、2014年に宮城聰がトークイベントに登壇したり。(関連ブログ:【『グスコーブドリの伝記』の魅力 #10】 宮城聰が発見したこと
2017年に発刊されたガイドブック「d design travel 静岡」ではSIGHTおよびPEOPLEのページでSPACが取り上げられています。
今年の演劇祭では開催前~期間中にかけて、店舗内に20年間の歩みをたどることができる資料などを特別に展示。さらに、「ご近所ぐるぐるマップ×ふじのくに⇄せかい演劇祭」も作ってくださり、演劇祭を応援してくださいました!

 
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▲「ご近所ぐるぐるマップ」お客様に好評でした!
 
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▲左からSPAC芸術局長・成島洋子、日本デザイン振興会・矢島進二さん、D&DEPARTMENT・ナガオカケンメイさん
 
矢島 まずは、受賞したときの思いを聞かせてください。
成島 ほっとしました。そもそも応募のきっかけは、審査員からの推薦(*)だったんです。それこそグッドデザイン賞といえばプロダクトデザインの賞というイメージだったので、戸惑いながらでした。すべてが暗中模索というか、これで果たしていいんだろうか?と思いながらやっていました。ですので受賞自体はほっとしたという感じでした。
(*)「グッドデザイン賞」にふさわしいと思われる企業・団体・取り組みを審査員から推薦。推薦を受けた場合には一次審査をパスし二次審査から参加できる。
 

▲トークイベント参加の皆様にご覧いただいたSPAC紹介映像
 
ナガオカ 静岡の人はSPACがあるから、どこの県にもあると思うかもしれないけど、日本でも珍しいことですよね。
成島 劇場に来ていただいて演劇を観て楽しんでいただくということはもちろんですが、それ以外にもいろんなレベルで、地域のなかに劇場があり劇団がある・アーティストが住んでいるということが、地域にとって意味がある。このことを実現していけたらいいなと思っています。
矢島 サッカーとかラグビーとかのチームが地域に根付いているように、県が劇団をつくって演劇の魅力を広めていきたいということですよね。
成島 そうですね。質の高いものを作り続けながら裾野は広く、を心がけています。劇場に来ない人も何らかの形でSPACに関わる・アクセスするチャンスが出てくるように。例えばお子さんが学校の鑑賞事業でSPACを観に行く、街中でのパフォーマンスからSPACを知るということであったり。20年常に万全ではなく、フロンティアという感じでやっています。
 
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成島 ありがたいなと思ったのは、SPACは演劇公演やフェスティバルなど、イベント・事業ベースで捉えられがちなんですけれども、「グッドデザイン賞」というのをいただくことでSPACは”在り方そのもの”なんだ、ということを応援していただいたような感じがあります。
矢島 劇場のデザインでもなく、舞台の一つの作品でもなく、長きにわたる活動の実績と県民との関わりそのもの。さらに劇団だけではなく劇場を運営していく体制・仕組みを持っている、ということが評価されたのだと思います。「グッドデザイン賞」を受賞して変化はありましたか?
成島 静岡にはたくさん大企業があり、例年グッドデザイン賞をとっている企業があるなかで、SPACが受賞するということは自分たちも驚きでしたし、外部の人にも知っていただける機会になったのではないかと思います。繰り返しになりますが、デザインといっていいような活動・在り方そのものなんだということが伝えられたのではないかと。
ナガオカ 20年もやっていればお子さんだった人が劇場に来たりだとか、ありそうですよね。
成島 小学校1年生のときから知っている色んな人材育成事業に参加していた子が今SPACの舞台に出ていたり、世代をまたぎながら来てくださる方々がいたりしますね。つい先日、静岡芸術劇場開館20周年ということで記念式典も行いました。
(関連リンク:朝日新聞(2019.4.19) 静岡芸術劇場20周年 宮城聰さんに仏勲章

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ナガオカ 「ふじのくに⇄せかい演劇祭」についても教えてください。
成島 普段は劇団が作った作品を年間通して劇場で上演しています。「秋→春のシーズン」では「もし演劇の教科書があったら」という観点で宮城が作品を選び上演しているのですが、ゴールデンウィークの10日間だけはエッジのきいた作品を招聘・上演しています。
この期間海外から100名くらいのアーティストが静岡に来て、舞台芸術公園だったり静岡の街中に滞在します。今の時代、映像でいろんな国の情報が入ってきますが、生身の人間がやっていることを見る、というのはなかなかありません。たとえば今までだとシリアのような紛争地域で起きていることを作品にしていたり、自ら障がいがありながらインクルーシビティを社会の中に開いていこうという作品を作っていたり。
異質なものに出会えるのが「ふじのくに⇄せかい演劇祭」です。人間ってこんなに多様なんだということが海外のカンパニーに会うと本当に実感します。
矢島 いまのお話を聞いて「演劇は世界を見る窓」というキャッチフレーズ、そしてそれを長く実践されてきているんだなということがよくわかりました。
 
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成島登壇の第二部だけでなく、全編通して「デザイン」についてじっくり考えることのできるイベントでした。
ご来場いただきました皆様ありがとうございました!このあとも矢島さん・ナガオカさんによるトークツアーは、5月18日(土)東京、26日(日)京都と続きます。詳しくはこちらをご覧ください。
SPACは「ふじのくに⇄せかい演劇祭」が終わって間もないですが、6月には『イナバとナバホの白兎』の上演・そして海外ツアーが控えています!夏には人材育成事業、それが終わると「秋→春のシーズン」5作品です。ぜひ演劇祭だけでなく、年間通してSPACの活動に注目していただければ幸いです。静岡でお待ちしています!
 
<関連リンク>
2019年度上演ラインナップ
ステージナタリー特集記事 「ふじのくに⇄せかい演劇祭」から「メナム河の日本人まで」宮城聰×今井朋彦対談
チケット好評販売中!6月8日・9日『イナバとナバホの白兎』
人材育成事業 参加者募集がはじまっています!
【参加者大募集!】SPACシアタースクール2019『オフェリアと影の一座』
「SPAC-ENFANTS-PLUS=スパカンファン-プラス」新メンバー募集のお知らせ

2019年5月4日

「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」前半レポート

GWは早くも折り返し、「ふじのくに⇄せかい演劇祭」は今年も連日賑わっています!開催20回目を迎えた演劇祭前半4作品のチケットは、開幕前に全てソールドアウト。「平成」から「令和」への改元で巷が湧く中、「GWは静岡へ!」の合言葉が浸透してきたことを実感しながら迎えた10連休。4月27~29日、前半の3日間を写真とともにレポートします♪
 
4月27日(土)

『Scala-夢幻階段』開幕初日は、土砂降りの雨とともに始まりました。強まる雨にも関わらず、静岡芸術劇場には続々とお客様が来場され、ロビーはこれから始まる祭典への期待と高揚感に包まれます。
 

SPAC芸術総監督の宮城聰が、劇場入り口でお出迎え。[撮影:平尾正志]
 
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2Fロビーでは、これまで開催した20回のポスター展も。[撮影:平尾正志]
 
開幕作品の『Scala-夢幻階段』は、世界的に注目されているヨアン・ブルジョワ氏の日本初上演作ということで、静岡はもちろん、首都圏をはじめ遠方からも多くのお客様が。劇場に一歩足を踏み入れると、舞台には階段がそびえ立つグレートーンの大きなセットが目に飛び込みます。
 
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[カンパニー提供写真 / 撮影:Géraldine Aresteanu]
 
舞台に男が現れ、不意に壁の額縁が落ち・・・。日常的な動作が行きつ戻りつし、時間軸が次第に歪んでいくかのよう。全てが目の前で起きていることだとわかりながらも、観客は非現実的な浮遊感に包まれます。ブルジョワ独特のセンスとユーモアに、笑いが起こるシーンもしばしば。人間離れした動きの連鎖が生む濃密な60分、観客は舞台に釘付けになりました。
 
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[カンパニー提供写真 / 撮影:Géraldine Aresteanu]
 
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トランポリンを使ったアクロバットに、思わず拍手が起こる。[カンパニー提供写真 / 撮影:Géraldine Aresteanu]
 
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カーテンコールには熱い拍手が送られた。[撮影:平尾正志]
 
初日の舞台芸術公園では、「開幕式」も行われました。昼から降り続いた雨が奇跡的に止み、新緑が目に鮮やかな野外劇場前広場に、大勢のお客様が集います。
SPAC芸術総監督宮城聰の挨拶、そして難波喬司静岡県副知事のご祝辞に続き、駿府城公園で上演される『マダム・ボルジア』のSPAC俳優たちによる「開幕パフォーマンス」が、賑々しく行われました。
 
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「開幕パフォーマンス」の笛や太鼓の音色が広場に響く。[撮影:猪熊康夫]
 
開幕式の後は、いよいよ宮城聰が演出するSPAC作品、『ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む』を野外劇場「有度」で上演。
 
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[撮影:猪熊康夫]
 
廃材の柱を組み上げた舞台美術が、今回も見事に再現されています。2015年と同じキャストで、それぞれに4年という月日を重ねた俳優たちが、唐十郎が紡ぐ珠玉のセリフ群を一層丁寧に観客に渡しているように感じました。宮城のサプライズ出演のワンシーンも健在!客席が大いに湧きます。俳優たちの吐く息が白くなるほどの冷え込みにもかかわらず、満席の会場は集中した空気に包まれました。
 
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[撮影:2枚目/平尾正志、その他/猪熊康夫]
 
終演後の冷えきった体には、カチカチ山の「フェスティバルbar」が待っています。今年は静岡おでんも登場!地元のおいしいものをほおばりながら、俳優たちとの語らいにも花が咲きました♪
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[撮影:猪熊康夫]
 
4月28日(日)

2日目の朝には、『Scala』の出演者によるワークショップを開催。講師を務めたのは、ブレイクダンスやコンテンポラリーダンスをバックグラウンドに持つメヘディ・バキさん、スタント俳優出身でアクロバットを得意とするルカ・ストゥルナさん。そして、『Scala』のアーティスティック・アシスタントとして来日した津川友利江さんも、通訳兼アシスタントとして30名の参加者とともに作品の“秘密”の一端に触れました。
 
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ウォーミングアップもユニーク。相手との距離を感じながら歩く参加者とメヘディさん。
 
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1人の体を数人で持ち上げる。体を委ね、浮遊しているような感覚を体験。
 
27日(土)・28日(日)、2日のみの貴重な上映となったのが、グランシップ映像ホールで上映されたドキュメンタリー映画『コンゴ裁判 〜演劇だから語り得た真実〜』。作品は、コンゴで起きている虐殺や環境汚染に関する「模擬裁判」を記録したドキュメンタリー映画。国際企業によるレアメタル争奪戦により、地元住民の土地は奪われ、河川が汚染され、民族紛争や貧困による様々な犯罪の連鎖が起きている。そして加害の一端に、携帯電話などの電子機器を消費する私たちの生活がある、という極めて重い事実が観客に突きつけられました。そしてフィクションである演劇が、実社会における真実を炙りだす役割を持ち得ることも実感しました。
 
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[カンパニー提供写真]
 
4月29日(月・祝)

『Scala』は、最終日も満員の客席から惜しみない拍手が送られ、終演後には出演者全員によるアーティスト・トークが開催されました。
 
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[撮影:平尾正志]
 
お客様には、アーティストに聞いてみたいことを「質問カード」に書いていただき、宮城がその質問をアーティストに投げかけていきます。驚くほどたくさんのカードが寄せられた中で、7人のバックグラウンドに関する質問に、サーカス、アクロバット、スタント、ブレイクダンス、演劇、さらにクライミングやボクシングなど、パフォーマーたちが自身の表現の源となっているフィールドを紹介。様々なテクニックとアイディアがこの作品に結集していることが改めて知れました。
 
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「私たちは異なる道をたどってここに集まった」、そう話す出演者たち。[撮影:平尾正志]
 
演劇祭前半の最後を飾ったのは、27日から舞台芸術公園の屋内ホール「楕円堂」で3公演を行なった韓国の『メディアともう一人のわたし』
 
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水を湛えたセットの両側で演奏する俳優たち。[撮影:猪熊康夫]
 
前半、メディアが後に夫となるイアソンたちと遊ぶ幼少時代は、どこまでも無邪気でコミカル!しかし幸福な時間も束の間、ストーリーの大胆な省略と飛躍が、裏切った夫への復讐に駆られるメディアの感情を加速させていきます。嫉妬に狂うメディアと、子どもたちへの情愛に苦しむもう一人のメディア。二人の俳優の感情が頂点に達し復讐が成し遂げられた時、世にも恐ろしい場面にも関わらず涙する観客もちらほら。日常では経験しないような激情に引き込まれ、観る者の心もまさに“引き裂かれる”ようでした。韓国演劇の底力を感じる舞台で、前半戦が終了しました。
 
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楕円堂の扉を開け放ったラスト、赤いセットに新緑が映える。[撮影:猪熊康夫]
 
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演出家のイム・ヒョンテク氏や韓国チームと。お疲れ様でした![撮影:平尾正志]
 
演劇祭は早くも後半戦に突入!3日からはいよいよ「ストレジシード」も始まり、ジャンルはさらに広がります。まだ演劇祭のチケットも好評発売中!残りの日程もどうぞお見逃しなく。

(テキスト:制作・坂本彩子)

2019年4月30日

『マダム・ボルジア』ブログ5 ~あらすじ編~

こんにちは。
制作部の宮川です。

いよいよ「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」が開幕しました!

『マダム・ボルジア』チームは、静岡芸術劇場内での稽古を終え、駿府城公園での現地稽古に入っています。雨が降ったと思ったら晴れてきたり、またいきなり風が吹き始めたりとコロコロお天気が変わる中、俳優とスタッフが一丸となってリハーサルを進めています。

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SNSにリアルタイムでの写真もアップしておりますので、ぜひそちらの方も覗いてみてください!(Instagram:spacshizuoka

そして『マダム・ボルジア』ブログ5回目では、作品のあらすじを稽古写真と共にお届けいたします!

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

物語はとある夜の出来事から始まります。

主人公のルクレチア・ボルジア(=ルクレツィア、美加理)は、悪名高いボルジア家の令嬢として常に世の注目の的。
そんな彼女には、訳あって幼い頃に自分の手許から離した最愛の息子・ゼンナロ(=ジェンナロ、大内米治)がおり、ある夜、偶然にも息子を探し当てます。
 
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自らが母であることを隠したまま、ゼンナロの未だ見ぬ母への想いに耳を傾けるルクレチア。
 
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しかし、再会の喜びの最中に、突如として現れた、ボルジア家に恨みを持つゼンナロの友人である青年貴族たちから、ひどい辱めを受けてしまいます。
 
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許し難い侮辱を受けたルクレチアは、腹心の部下・九平太ぐべいた(=グベッタ、阿部一徳)とともに復讐の夜宴を決行!そこで青年らを毒殺しようと企てます。
 
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そんな最中に、ボルジア家の家紋を汚すいたずら事件が起き、ルクレチアは夫である在本蔵あるほんぞう(=アルフォンソ、大高浩一)に犯人の死を誓約させます。
 
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しかし、捕らえられた犯人はまさかのゼンナロ!!
 
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ゼンナロの運命は如何に?!
 
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そして、様々な人物の感情と思惑が往き交う先には衝撃の結末ラストが…!
 
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「ヴィクトル・ユゴーの作品って少し物語が難しいのでは…?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、全く心配御無用。
原作はルネサンス期・イタリアの物語ですが、今回の演出では戦国時代の日本に舞台を移しますので日本人の私たちにも馴染みやすく、物語はまるでメロドラマを見ているかのように繰り広げられますので、どなたでも気軽にご覧いただけると思います!
 
そして俳優たちによる生演奏はもちろん、今回は太田垣悠さん振付のダンスシーンもありますので、ぜひお楽しみに♪
 
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〈太田垣悠さん(右手前)による振付の様子〉
 
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ゴールデンウィークの後半は、駿府城公園で皆様をお待ちしております!!
 

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『マダム・ボルジア』
構成・演出:宮城聰
作:ヴィクトル・ユゴー
訳・翻案:芳野まい
音楽:棚川寛子
振付:太田垣悠
出演:SPAC

公演日時=5月2日(木・休)、3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)各日18:45開演
会場=駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
上演時間=未定(120分以内) ※日本語上演/英語字幕
*詳細はコチラ
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2019年4月29日

『マイ・レフト/ライトフット』を見て、ちょっと先の日本の社会を想像する

SPAC文芸部 横山義志

昨年スコットランドのエジンバラ演劇祭に行って、見てきたなかで圧倒的におもしろかったのがこの作品でした。

脳性まひで左足だけを動かすことができる青年が作家になり、画家になる感動の物語を、名優ダニエル・デイ・ルイスが演じて大ヒットした『マイレフトフット』。スコットランドの小さな劇団で、「最近インクルーシブな演劇とか流行ってるから、『マイレフトライトフット』みたいなのをやってみようか?」という話になり、最近売れていなかった俳優が「ああいうのをやるとアカデミー賞を取れるんだよね」といって、脳性まひの青年役を演じようとします。そこで、劇団のスタッフをしている右足が不自由な青年がいるので話を聞いてみようということになったのですが、青年は自分が出演するものと思い込んでしまいます。そして青年がためらいながらも勇気を振り絞って稽古場に行くと、脳性まひをノリノリで演じている別の俳優が・・・。

かなりブラックな障がい者差別ネタが連発されるのに、なぜか素直に笑えて、なんだか前向きな気持ちになれる、不思議な作品です。

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「インクルーシブ(包括的な)」という言葉は、最近英語圏で「障がいのあるなしにかかわらず参加することができる」といった意味でよく使われる言葉です。とくにスコットランドでは、様々な分野で、障がい者が参加しやすい仕組みがつくられています。エジンバラ空港から市街に行くバスの観光案内ビデオにも手話通訳がありました。この作品にも、歌に会わせて踊るように手話をするイギリス手話通訳の方が参加しています。この作品は、障がい者と健常者が一緒に作品を作っている「バーズ・オブ・パラダイス」という劇団が主体となって作られました。同劇団の芸術監督で作・演出のロバート・ソフトリー・ゲイルさんも脳性まひの方で、スコットランドではけっこう有名人のようです。ゲイルさんはこの作品で、障がいをもつ当事者の視点から、「健常者」の無理解を笑い飛ばしています。

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スコットランドってどこにあるか、ご存じでしょうか。実は私も去年初めて行ったのですが、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)」を構成する国の一つで、グレートブリテン島の一番北にあります。日本でいえば青森県といった感じでしょうか。中世から栄えていた古都エジンバラは夏でも涼しく、雨もよく降って、8月なのにコートが必要な日もあったりします。そんなエジンバラが一ヶ月間、演劇で埋め尽くされます。この作品はスコットランド国立劇場のプロデュースで、エジンバラ演劇祭のメインプログラムの一つとして上演されていました。

スコットランドの俳優さんたちを見ていると、妙に親近感を持ってしまいます。いかにも「美男美女」という方はあまりいなくて(失礼!)、むしろ「どうせ私なんて」という感じのたたずまいだったりするのですが、ちょっと歌ったり踊ったりするとすごくパワフルで、ふだん内に秘めているものがあるんだろうな、と感じさせられます。この作品に出ている俳優さんたちは、まさにそんな感じです。ジェンダーバランスの面でも日本よりかなり進んでいて、演劇界でも女性の活躍が目立ちますし、ゲイルさんのように同性のパートナーがいる方も少なくありません。舞台上では、とてもアクティブな「肉食系女子」と、おとなしめの「草食系男子」の組み合わせに多く出会いました。

短い滞在でしたが、スコットランドには学ぶべきものが多いなあと思いました。10年後、20年後の日本の社会を想像するためにも、ぜひご覧いただきたい作品です。

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5/2(木・祝)開催の関連シンポジウム「クリエイティブ・アクセシビリティについて考える」では、難聴者などの障がい者向けに「UDトーク」でリアルタイム字幕配信を行います。詳しくはこちら

日本語手話による作品紹介ビデオが公開になっています!こちらから。

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ミュージカル
『マイ・レフトライトフット』
演出・作:ロバート・ソフトリー・ゲイル
製作:バーズ・オブ・パラダイス・シアターカンパニー、ナショナルシアター・オブ・スコットランド

公演日時=5/2(木・休)14:30、5/3(金・祝)13:30
会場=静岡芸術劇場
上演時間= 120分(途中休憩含む) ※英語上演/日本語字幕
*詳細はコチラ
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2019年4月26日

『コンゴ裁判』~「演劇」を使って世界に介入する~

SPAC文芸部 横山義志

ミロ・ラウの『コンゴ裁判』は、昨年のアヴィニョン演劇祭で見たなかで、最も刺激的な作品の一つでした。一度だけ小さな映画館で上映されていた映像作品なのですが、これほど演劇が「世界を変える」ことができると実感させられたことは近年なかなかありませんでした。

ミロ・ラウはスイス出身で、「国際政治殺人研究所」という奇妙な名前のパフォーマンス集団を主催しています。ふじのくに⇄せかい演劇祭では2013年に、ルワンダで民族虐殺(ジェノサイド)を煽動したラジオ局を舞台にした『HATE RADIO』を発表してくれました。これもまさに「政治による殺人」をテーマにした作品でした。ラウは昨年からベルギーの公立劇場NTヘントの芸術監督に就任しています。

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▲『HATE RADIO』舞台写真
 
ラウは作品づくりやリサーチのためにしばしば紛争地域を訪れていますが、そういうときには「ジャーナリストとか映画監督とかいうとなかなか検問を通れないが、「演劇をやっている」といえば笑って通してくれる」といいます。いかにも社会的影響力がなさそうだから、というわけです。この『コンゴ裁判』は、まさにこのような今日における演劇のイメージを逆手に取った作品といえるでしょう。

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▲映画『コンゴ裁判』ポスター

ルワンダでの虐殺とそれにつづく内戦は、やがて隣国コンゴで、アフリカ内外の数多くの国を巻き込む戦争へと発展していきます。「第三次世界大戦」とも呼ばれ、600万人以上の犠牲者を出したこのコンゴ戦争を取材するために、ラウは『HATE RADIO』のあと、何度もコンゴへと足を運んでいました。そしてある日、たまたま訪れた村で、前夜に虐殺が起きたことを知ります。ルワンダに隣接するコンゴ東部では、大規模な戦争が収まった今でも、小規模な紛争や虐殺がしばしば起こっています。何人もの方が亡くなっても、加害者が裁かれることはまずありません。そこで、ラウは「お芝居の法廷」をつくることにします。

ラウは「演劇をやるのでぜひ出演していただきたい」といって、地元の州知事や、警察を所管している内務大臣にまで声をかけ、本人役で「出演」してもらうことに成功します。そして本物の証人や関係者を呼び、ハーグ国際刑事裁判所で多くの虐殺事件などを扱ってきた弁護士にも判事として参加してもらいます。

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▲『コンゴ裁判』より

そこで浮かび上がってくるのは、山間の小さな村で起きた虐殺の背景に、国や地方自治体と多国籍鉱山会社との癒着があり、さらにはそれを支える「国際社会」がある、という巨大な構図です。携帯電話、ゲーム機、コンピュータなどに欠かせないコルタン(タンタル)という鉱物は、埋蔵量の6割~8割がコンゴにあるといわれています。その産出地域が長年政治的に不安定な状態に置かれているために、極めて過酷な条件で働くコンゴの方々によって、それが比較的安値で供給されている、という現状があります。今多くの人が使っているスマートフォンを作るのにも、コルタンが欠かせません。日本も当然、この状況と無関係ではありません。1998年にはじまった第二次コンゴ戦争は「プレイステーション戦争」とも呼ばれ、2000年に発売されたPlayStation2の大ヒットによってコルタンの市場価格が急騰したために紛争が再燃したと言われています。

今、コンゴでは、この『コンゴ裁判』の上映会を通じて、各地で同様の模擬法廷をつくる動きがあるといいます。「演劇」という仕組みを使って世界を描き出し、世界に介入しつづけるラウの仕事を、ぜひ体感していただきたいと思います。

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<ドキュメンタリー映画>
『コンゴ裁判 ~演劇だから語り得た真実~』
脚本・監督:ミロ・ラウ
製作:フルーツマーケット、ラング・フィルム

公演日時=4/27(土)、4/28(日)各日15:00
会場=グランシップ 映像ホール
上演時間=100分 ※フランス語上映/日本語・英語字幕
*詳細はコチラ
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2019年4月22日

ピッポ・デルボーノが語る今作への思い

去る3月19日に、「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」「ふじのくに野外芸術フェスタ2019」および「ストレンジシード静岡」の東京記者発表会を行いました。
『歓喜の詩(うた)』構成・演出のピッポ・デルボーノさんは、同日アートフェスティバルに参加されるため香港に滞在しており、特別にビデオ通話でご参加いただきました!
今回のブログでは、記者発表で語られた本作への思い、そして宮城が語った期待をご紹介します。
 
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『歓喜』というのは一つの「人生の旅」です。
ジャンルーカ・バッラレーという俳優が、「心の苦しみというのはいつか去っていくだろう。そして歓喜が訪れるだろう。」と言うのですが、これが私の考える「歓喜への道のり」ということになります。
今この時代に、「歓喜」というタイトルで演劇を上演するのは非常に難しいと思っています。非常にレトリックのある言葉なんだけれども、でも「歓喜」という言葉を語るのが難しい今の時代だからこそ、「歓喜への道のり」を私は一緒に創作を行っている劇団員や音楽、言葉、さらにはダンス、現代芸術のインスタレーション的な舞台装置を使って物語りたい。
この作品は苦しみに満ちた叫び声ではじまります。それは傷のような、なにかが壊れてしまったような、そういう叫び声から始まるんですけれども、それは私が考える「歓喜」というのが、問題がなにもないというような状態、よく考えられるような喜び一般を指しているのではなく、”苦しみを超えた先にあるもの”というコンセプトだからなんです。
先ほども映像で見ていただいたように、舞台の上には紙で覆った船や布などが置かれて、最後に花が登場します。この花というのはわたしのイメージの中では蓮の花です。皆さんもよくご存知であるように、蓮の花というのは、泥の中から美しい花を咲かせる。つまり、苦しみの中から花が生まれるというようなイメージです。イタリアを代表するシンガーソングライターで、ファブリツィオ・デ・アンドレという人がいるんですけれども(デルボーノさんと同じリグーリア州の生まれ)、彼の歌のなかでも以下のような歌詞があります。
dai diamanti non nasce niente, dal letame nascono i fior
(ダイヤモンドから生まれるものは何もない、肥えだめから花が生まれる)

 
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「2007年に上演した『沈黙』のなかでベートーヴェンの「手紙」が出てきましたね。
今回の『LA GIOIA』というタイトルを見たときにも、ベートーヴェンのことを思い出しました」
という呼びかけに対し、デルボーノさんは
「もちろんベートーヴェンというのはこの作品のなかに深く影響している。やはりベートーヴェンも耳が聞こえないなかで「歓喜の歌」という最高傑作を創りあげたわけです。耳が聞こえない中で美しい音楽を作り上げる、というのは、私たちが苦しみのなかにいて歓喜ということについて考えるのとまったく同じ、いわばパラレルな状態です。」と応答。
 
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会場からは、3度目となる演劇祭参加について、静岡やSPACについての感想をという質問がありました。
ピッポ・デルボーノさんは、
「わたしはとても日本を愛していて、特に静岡、宮城さんに対して非常に大きな愛情を抱いています。3回もフェスティバルに呼んでいただいて本当に感謝しています。日本を愛しているのはなぜかというと、日本というのは大きな苦しみと優しさ、両方を持ち合わせた国だと考えているからです。苦しみ、そして賢明さというものが同時に存在している、日本に来ると自分の家に戻ったような気もするんです。」
と答え、2007年の、今でも語り草となっている雨の中での野外上演についても、忘れられない出来事になったと語ってくれました。
(関連ブログ:2017年【5/1演劇祭レポート】静謐な楕円堂にこだまするピッポ・デルボーノの魂の叫び…!『六月物語』
 
 
また、記者発表の最後にも、宮城はピッポ・デルボーノさんへの思いを語りました。
 
「僕がSPACに来てから13年になりました。2007年に着任してすぐに演劇祭に招聘したのが、ピッポ・デルボーノさんだったんです。彼と僕は同い年で色々なところで非常に共感するし、ライバルという気持ちもある、常に意識している存在なんですね。
その年、彼のたくさんのレパートリーのなかから厳選して、『戦争』と『沈黙』という2作品を上演してもらいました。そして彼が昨年作ったのが『歓喜(の詩)』。
デルボーノさんにとって、ミューズと言ってもいいかな、創作のパートナーでありイメージの源泉であったボボーさんという言葉の話せない俳優がいました。ボボーさんは二十数年施設に入っていて、そこで行われたワークショップでデルボーノさんとボボーさんは出会い、その後デルボーノさんはほとんど施設から奪うようにして、自分のカンパニーのメンバーにしました。そのボボーさんが今年の2月に亡くなりました。デルボーノさんの創作の一つの円環がここで閉じられた、というわけです。
 『戦争』『沈黙』そして『歓喜』、これがピッポ・デルボーノというアーティストの大きな輪を示しているのではないか。もちろんこの先デルボーノさんがボボーさんを亡くした後、新たな創作の道に入っていくことを期待しているけれども、ボボーさんと二人で歩んでいたあの道の一つの回顧を、この『歓喜の詩(うた)』という作品で見せてくれると思っていて、それも僕にとっては感慨深いことです。」
 
 
『歓喜の詩』初演で重要な役割を演じられていたボボーさんですが、本公演では<声の出演>として登場されます。
 
そこに関わるたくさんの人たちの思いが詰まった舞台の祭典「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」。その最後を飾るのが本作『歓喜の詩』です。
苦しい過去、辛い現在、不安な未来、そんなものを乗り越えて、誰もが人生に幸せの華を咲かせられる。明日からまた、希望に満ちた一歩を踏み出せる。
新しい元号が始まる、この大型連休の最終日に、祭りの最後の締めとして、ぜひ、本作を劇場でご覧ください。
きっと連休明けの平日の朝も、穏やかな気持ちで迎えられるはず!
 
▼『歓喜の詩(うた)』作品トレーラー

 
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『歓喜の詩(うた)』
構成・演出:ピッポ・デルボーノ

公演日時=5/5(日・祝)、6(月・休)各日13:00 ★5日は残席僅かとなっております。ご予約はお早めに!
会場=静岡芸術劇場
上演時間=100分 ※イタリア語上演/日本語・英語字幕
*詳細はコチラ
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2019年4月21日

【レポート】「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」キックオフミーティング

「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」開幕まであと1週間を切りました!
おかげさまで前半27日~29日の4作品は、28日の『ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む』をのぞいて完売・キャンセル待ちとなりました。
4/22追記:『Scala』4/24に追加販売する若干枚数を除いて、前半の作品は全公演完売御礼となりました!『Scala』追加販売の詳細はこちら

後半も残席僅かの公演がございます、ぜひお早めにご予約ください!
詳しいチケット販売状況はこちら

去る4月13日に、演劇祭関係者が一同に会するキックオフミーティングを開催しました!
ボランティアスタッフ「シアタークルー」の皆さんや、関連企画「ストレンジシード静岡」の関係者など、総勢約80名が静岡芸術劇場に集結。(昨年より20名増!)

最初に芸術総監督・宮城聰よりご挨拶。
 
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「みなさんお集まりいただきありがとうございます。僕は猪年の生まれなんですけれども、SPACに着任した2007年が猪年だったんですね。ちょうど一回りして13年目に突入しました。自分で言うのもなんですが、SPACの充実を今日のこの日も実感しています。
僕は自分の芝居をつくることも一生懸命やらなくちゃいけないけれども、作品を作っているだけでは”こんなことやっていても自分の独りよがりなんじゃないか”って疑念が湧いてくるんですね。でも今日のように皆さんが集まってくださったり、我々が街に出たときに声をかけられたりしていくなかで、まったくの独りよがりとも言えないな、少しは社会に関係しているのかなと感じて、嬉しく思っています。
今日だけでなく、フェスティバルの最後の日まで、どうぞよろしくお願いいたします!」

 
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俳優もスタッフも混じってわいわいレクリエーションしつつ交流。
 
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5月3日(金・祝)~6日(月・休)に開催する「ストレンジシード静岡」のプログラムディレクターを務めるウォーリー木下さんも駆けつけてくださいました!
「ストレンジシード」は静岡の街が劇場になるストリートシアターフェスティバル。今年は初めての海外勢含む全26組が参加します!
詳しくはこちら。http://www.strangeseed.info/
 
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「フェスティバルgarden」「フェスティバルbar」のプロデュースを手掛けるスノドカフェ代表・柚木さんも参加してくださいました!
「フェスティバルgarden」では特別に、地元の人気自家焙煎珈琲豆販売所「島仙珈琲」代表のロースター田中氏がブレンドした珈琲「マダム・ボルジア ブレンド」を販売!キックオフミーティングではその試飲会を行いました。珈琲豆も限定数販売予定だそうです。『マダム・ボルジア』観劇の記念にぜひどうぞ!
 
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そして中盤に差し掛かり、『マダム・ボルジア』チームが階段から登場!
 
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劇中のシーンの一部をキックオフミーティング特別バージョンで披露し、会場は大盛り上がり。
気になる全貌はぜひ駿府城公園でご覧ください!

さらに続いて、『ふたりの女』チームも登場!
 
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写真を見てわかる通り、すごい勢いで会場を巻き込み作品を宣伝。(笑)
そしてあっという間に参加者全員を誘導し、みんなで集合写真!
「ふじのくに⇄せかい演劇祭」開幕に向けて団結を深めた1日となりました。
 
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2019年4月17日

竹千代と石合戦@静岡まつり

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みなさま初めまして。この春からSPAC制作部の一員となりました、入江と北堀です。本日のブログは、この新人2人がお届けいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 

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▲北堀(左)、入江(右) 初の現場でワクワクしております。北堀は静岡県出身です!
 
桜がとてもきれいなこの季節。4月5日(金)~7日(日)に駿府城公園で開催された「静岡まつり」へ、今年も参戦しました。今回は、それについて書いていきたいと思います。(*SPACの出演は、4月6日(土)、7日(日))
 
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▲楽屋にて、出演前のSPAC俳優たち。がんばります!
 
今回上演した作品は、SPAC俳優による出前芝居『竹千代と石合戦』
静岡まつりが徳川家康にちなんだお祭りということで、SPACも家康がまだ竹千代だった頃のお話を駿府大演舞場にて上演しました。
 
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▲出演者:(左から)吉見亮、武石守正、石井萠水(上)、春日井一平(下)、舘野百代、仲村悠希
 
SPACの舞台といえば生演奏!
他の静岡まつりの演目でも見たことがないような楽器が登場し、役者は演じる傍ら楽器演奏もしました。
また、今回の衣裳が和服ということで海外の方も足を止めて観てくれ、写真を撮っていたのが印象的でした。
7日お昼の公演は、とても暖かく、前日よりもたくさんの方が観に来てくれました。
 
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また7日の公演後には、使用した楽器の紹介も行いました。
今回の公演は、普段からSPACを観に来て下さる方にとっても貴重な機会となったのではないでしょうか。 
 
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2日間の公演は無事終了。劇場の公演と違い、今回は道行く人々にも見てもらえたのでSPACを知ってもらう機会となり、多くの方に興味を持ってもらえたのではないかと思います。
さて、今度のゴールデンウィークには、なんと、この駿府城公園で、SPAC新作野外劇『マダム・ボルジア』を上演いたします!
(日々のクリエーションの様子は、Instagramとブログにて発信中です!)

 
そのほかにも、美味しい地ビールや珈琲、静岡のソウルフードなどが、緑に囲まれながら楽しめるコミュニティースペース「フェスティバルgarden」や、同時多発的に、演劇やダンス、パフォーマンスが行われるアウトドア劇場体験「ストレンジシード静岡」が開催されます。静岡まつりとはまた違う賑わいをもたらしますのでどうぞお楽しみに!
静岡駅から徒歩15分で来ることができる駿府城公園で、一緒にこのお祭りを盛り上げませんか?お待ちしております!!

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▲フェスティバルgardenチラシ(クリックするとPDFが開きます)
 
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『マダム・ボルジア』
構成・演出:宮城聰/作:ヴィクトル・ユゴー/訳・翻案:芳野まい/音楽:棚川寛子/振付:太田垣悠/出演:SPAC
公演日時=5月2日(木・休)、3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)各日18:45開演
会場=駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
上演時間=未定(120分以内) ※日本語上演/英語字幕
詳細はこちら
 
「フェスティバルgarden」
日時=5月2日(木・休)、3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)各日11:00~18:30
会場=駿府城公園 東御門前広場
★5/4(土・祝)16:20~17:20「広場トーク」開催!詳細はこちら
 
「ストレンジシード静岡」
日時=5月3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)、6日(月・休)各日11:00~18:30
会場=駿府城公園、静岡市役所・葵区役所など静岡市内
詳細はこちら
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2019年4月15日

『マダム・ボルジア』ブログ4 〜棚川音楽の魅力に迫る!後編〜

こんにちは。
制作部の宮川です。
 
『マダム・ボルジア』の初日まで、あと20日となりました!
稽古場では少しずつ作品の全貌が見え始め、音楽や仮の舞台装置と合わせての通し稽古が進められています。
 
中でも劇中の見所の一つである俳優たちによる生演奏は、日々積み重ねられていく稽古により、どんどん磨き上げられていく様子が見られます!
 
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今回のブログでは、前回に引き続き棚川音楽の魅力に迫っていきます!
演奏を担当する俳優たちの中で、指揮やメロディーパートなどを担っている森山冬子さんに、劇中で演奏をすることの魅力について、俳優ならではの視点からお話ししてもらいました♪
 
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▲指揮をする森山さん。手を使ってリズムや小節を演奏者へ伝えます。
 
 
大学時代は音大で声楽をやっていたという森山さん。
 
棚川さんと始めて創作した時は、楽譜を使わずに“口伝え” で曲を作っていくことにとても驚いたそうです。
「楽譜を見て演奏するのではなく、一人が演奏しているフレーズの上に他の人がどんどん音を重ねていくので、(音楽が)立体的に仕上がります。実際に音が立ち上がっていく様子が見えるのが面白いんです。」と教えてくれました。
 
演奏稽古を見ていていると、曲の出来上がるスピードの早さ、そして棚川さんが一人で曲を作るのではなく、俳優一人ひとりが共同作業で曲を立ち上げていくことに驚きます。ちなみに楽譜の覚え方は俳優それぞれ違うそうで、台本に直接書き込む人もいれば、棚川さんが実演している様子を撮影し、手の運びなどをコピーしている人もいるそうです。
 
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そして、より難しい本番での演奏。普段の稽古場とはうって変わって、独特の空気が舞台上に流れる中で、音楽を奏でていく難しさがあります。
「本番中に一番気をつけているのは、自分を閉じないこと。(指揮をするポジションにいることが多く、)自分の背面で芝居が行われていることが多いので、実際には見えないけど、よく聞いて、なるべく感覚を360度開くことを心がけています。見えてなくても感じる。他の俳優の空気を読むことで、より芝居と一体化した、セリフを喋っているかのような演奏をすることができます。セリフを発する俳優の呼吸は毎回異なりますが、自分も俳優なのでセリフとの絡みやこの場でこの音が欲しいとかが、わかる。プロの人の演奏に比べたら、私たちはまだまだですが、間を取るとか俳優の息遣いを汲み取ることが出来るのは、俳優が演奏をやっているならではの事かな、と思います。」と、SPACの俳優だからこそ出来る音楽劇の魅力を語ってくれました!
 
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▲役者との合わせ稽古にて。セリフに合わせた音のボリューム調整や、”止め” などを確認していきます。
 
「一音だけ音を発しなければいけない場面も難しいです。空間の中にどう音を置くか?考えすぎてしまい、渾身の一音を外してしまうときもあったりします(笑)。でも、セリフとうまく絡めた時や、客観的に見ながらも気持ちよく演奏出来た時、空間と一緒に音楽を演奏できた瞬間はとても嬉しいです。」と、笑顔で答えてくれました!
 
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▲演者の動きを見て一音一音、慎重に音を出していきます。
 
インタビューを行なった日のリハーサルの最後には、棚川さんから演奏隊へ向けてエールが。
「一音叩くのと、一つのセリフを喋ることは同じです。曲はループしているものを演奏しているし、セリフも決められたものを喋っている。なので、強弱や抑揚をつけたりする工夫は俳優一人一人がやる仕事。台本が頭に入ってくれば自然とシーンに沿った音を叩けるようになります。繊細かつ、でも大胆に演奏してもらいたい!」
和やかに、でも力強くエールを送っていたのが印象的でした。
 
稽古の最中では、話し合う姿もたくさん見られ、チームワークの良さを見せながらも、どんどんブラッシュアップを続けていく演奏隊。
観客の皆様にはぜひぴったり息の合った、力強い演奏を演技と共に楽しんでいただきたいです!
 
公演チケットは、すでに沢山のご予約を頂いていますが、まだまだ絶賛販売中です♪
ゴールデンウィーク後半はぜひ駿府城公園へ!!
 

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『マダム・ボルジア』
構成・演出:宮城聰
作:ヴィクトル・ユゴー
訳・翻案:芳野まい
音楽:棚川寛子
振付:太田垣悠
出演:SPAC

公演日時=5月2日(木・休)、3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)各日18:45開演
会場=駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
上演時間=未定(120分以内) ※日本語上演/英語字幕
*詳細はコチラ
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2019年4月5日

『マダム・ボルジア』ブログ3 ~棚川音楽の魅力に迫る!前編~

みなさん、こんにちは。
制作部の宮川です。

『マダム・ボルジア』の初日まで約1ヶ月。
3月15日からスタートした稽古は、早いもので3週間が経過しました。
現在は静岡芸術劇場内へ稽古場所を移し、4月末から始まる駿府城公園での現地リハーサルへ向けてより具体的な構想のもと、創作が進んでいます。

さて、宮城作品の見どころの1つといえば、何と言っても俳優たちによる生演奏ですよね!
劇中の迫力ある演奏は、芝居をより一層盛り立て、観客をあっという間に作品の世界へと引き込みます。演奏を楽しみに、宮城作品を観にいらっしゃるお客様も多いのではないでしょうか?

今回と次回のブログでは前編・後編に分けて、演奏隊の魅力に迫っていきます!
今回も舞台音楽を担当しているのは、長年、宮城作品の制作現場に立ち会い、音楽によって作品の魅力を引き出し続けている棚川寛子さん。
そんな棚川さんに、新作『マダム・ボルジア』の舞台音楽について、まだまだ制作途中ですが構想を聞いてみました。

◇棚川さんが登場している過去のブログはこちら↓
・【シェイクスピアの『冬物語』稽古場ブログ#3】舞台音楽家・棚川寛子インタビュー【前編】
・【シェイクスピアの『冬物語』稽古場ブログ#4】舞台音楽家・棚川寛子インタビュー【後編】
『夜叉ヶ池』舞台音楽 棚川寛子さんインタビュー(2012年)

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▲絶賛創作中の棚川さん

 
かのヴィクトル・ユゴーが描いた戯曲『ルクレツィア・ボルジア』はイタリア・ルネサンス期が舞台ですが、今作は物語の設定を織田信長が生きた戦国時代後期に置き換えて描かれています。なので当然、物語に登場する地名や人物の名前がTHE・JAPANESEに変換されて描かれています!

よって、音楽も「和」テイストなのか?と思いきや、今回は敢えて「和」のテイストを前面に押し出さずに曲作りをしているそう。

「台本に出てくる固有名詞は「和」だけど、逆に音楽は「和」を意識しないで作っています。だってその方がギャップあって面白いでしょ?」と遊び心たっぷりの棚川さんらしい回答が返ってきました。

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▲曲を作る際には、棚川さん自らが演奏し、出来上がったリズムやメロディーなどを俳優たちにコピーさせて、どんどん音を重ねていく様子が見られました。

 
また、いつもは静かな音楽を作ることが多いそうなのですが、今回は珍しく明るい曲が増えそうだと話していました!特に、冒頭は派手で華やかな「ジプシー音楽」をイメージして作っているとのこと。実際の創作では太鼓、ピアニカ、笛など様々な種類の楽器を使って曲作りを行なっていて、音色豊かな音楽に仕上がっていました!

どのようなシーンで演奏されるのかは、観てからのお楽しみに♪

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▲棚川さんから次々と出される指示に対して、即座に反応していく俳優たちのチームワークは圧巻です!

そして、最後に。

棚川さんからみた今作品の見どころを聞いてみると、「見どころは全部!と言いたいところだけど(笑)、あえて言うなら “音楽とセリフのコンビネーション” かな。演奏隊全員がセリフを聞いて、その内容や俳優の呼吸に沿わせて音楽が演奏されていく。セリフと音楽の融合をぜひ楽しんでもらいたい。」と答えてくれました!ご覧になる際には、セリフ&音楽を「音」として楽しむのも面白い見方かと思います!

 
次回のブログでも引き続き、棚川音楽の制作秘話をお届けします♪
演奏を担当する俳優さんに、気になるあんなコトやこんなコトを聞いてみました!
お楽しみに!!

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『マダム・ボルジア』
構成・演出:宮城聰
作:ヴィクトル・ユゴー
訳・翻案:芳野まい
音楽:棚川寛子
振付:太田垣悠
出演:SPAC

公演日時=5月2日(木・休)、3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)各日18:45開演
会場=駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
上演時間=未定(120分以内) ※日本語上演/英語字幕
*詳細はコチラ
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