2016年12月19日

「SPAC俳優の朗読で楽しむ中勘助」レポート

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木内琴子と片岡佐知子が出演した
朗読会「SPAC俳優の朗読で楽しむ中勘助」(11月26日開催)をレポートいたします。

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木内と片岡が中勘助の『鳥の物語』から「鵜の話」を選び、
二人で創りあげていきました。

舞台芸術公園のカチカチ山にて読み合わせを行ったり、

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楕円堂にて、ゲネプロ(本番と同じ流れで行う稽古)を行い、
細かな修正を重ねての本番となりました。

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中勘助の「鵜の話」には、
竜神に奪われた玉を取り返しに海へと身を散じた海女がでてきます。
「鵜の話」は謡曲「海士」として知られる海女の玉取り伝説物語で、
このお話を中勘助は鳥の視点で描いています。

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定員いっぱいの30名のお客様にお集まりいただきました。

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今回の朗読会ではお客様には台本を持ってご観劇いただき、
鵜が出てきて会話をする場面ではセリフを読んでいただきました。
みなさんの力のこもった朗読!
声のすばらしさに俳優も驚きました。

参加型の朗読会をお楽しみいただけたようです!

中勘助文学記念館のスタッフの方、
中勘助氏と交流のあった方々が来てくださり、
素晴らしい時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。

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記念館内では、中勘助の著作が読めたり、
中勘助が過ごした杓子庵を楽しむことができます。
是非、皆様も足を運んでみてはいかがでしょうか。
http://www.city.shizuoka.jp/000_002241.html


2015年9月24日

アウトリーチの活動紹介~森町立三倉小学校 & 浜松市立西小学校

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みなさん、こんにちは!
SPAC俳優の永井健二です。

今日は、先日に引き続き、「アウトリーチ活動」のひとつを、新たに紹介します。
今日ご紹介するのは、最近行ってきた、2つの小学校での活動です。

最初は、森町立三倉小学校での「演劇指導」。
こちらの学校で指導するのは、今年が3年目です。

「袋井・森地区 音楽科研究発表会」という音楽発表会が、
毎秋、森町のミキホールで開催されており、
通常は、袋井・森地区の各小学校の4年生が、合唱や合奏を披露しています。

しかし、三倉小学校は、全校児童が20名に満たない小規模校のため、
毎年、4年生だけでなく、全校児童でこの発表会に臨んでいます。
とは言え、全校児童で臨んでも、他校に対し、数やパワーでは勝負しづらいので、
地区に伝わる民話を題材に、お芝居と合唱を交えた「音楽劇」を創り上げ、
発表会でその成果を披露しています。

音楽発表会において異彩を放つ、その独創性あふれる「音楽劇」の、
「お芝居部分のレベルアップを図りたい」、という狙いで、
SPACの俳優に声がかかり、3年前から僕が講師として招かれています。

毎年、3回の訪問(各回100分)を通じ、
児童たちの表現力を高めるための、声と身体に関するワークショップだけでなく、
実際のパフォーマンスに対するアドバイスなど、演出的なこともおこなっています。

今年の演目は「庄五郎とたぬき」。
炭焼き小屋に住む庄五郎が、いたずら狸を懲らしめる……といった内容。

児童に紙筒を持たせ、それを合掌造りの屋根のように組み合わせることで、
炭焼き小屋の屋根を表現できたらと思い、前回の訪問時に先生方に提案したところ、
そのアイデアを上手く取り入れてくださり、素敵な演出に仕上げていました。
(さすが3年目。先生方の演出力もアップしている!)

それでも、まだ上手くいかない所もあったので、
合唱部分と演劇部分が交互になっている構成の、そのつなぎ部の流れに手を加えたり、
立ち位置や動き、演出面など、多岐に渡ってアドバイスいたしました。

子どもたちの本番は9月30日(水)。
何とか駆け付けられそうなので、見届けたいと思っています。

ちなみに、学校関係者でもご存知ない方が多いのですが、
文化庁の「文化芸術による子供の育成事業」なる助成制度がありまして、
その申請を学校側がおこない、審査が通れば、芸術家が派遣される仕組みになっています。
三倉小学校でのSPACの指導も、この制度を利用したものです。

もう一校は、浜松市立西小学校での「身体表現ワークショップ」。

学区内にある「鴨江アートセンター」に、
西小学校とSPACの、橋渡し的役目を果たしていただき実現した、
3年生2クラスを対象とした、身体表現に関するワークショップ、
「目に見えないモノを感じるチカラ、伝えるチカラ」。

三倉小学校と異なり、何か具体的なパフォーマンスのための指導ではなく、
「児童たちの表現力を伸ばしたい」という要望にお応えしての、
単発(100分)のワークショップでした。

いきなり初対面の人間に「何かを表現しよう!」と言われても、児童は戸惑うわけで、
肩慣らし的に、少しずつ少しずつ、表現の要素を加えていくような内容で、
2人一組で向かい合っておこなう「鏡」や、
普通に歩いているところに、「音を立てないように」とか、「熱い砂漠の上」など、
様々な要素を加えて、それを表現させながら歩く「歩行」など、
おそらく児童たちは、「いろんなゲームをして楽しかった!」という感想の、
ゲームのようなワークショップ。
写真は、「エア長縄跳び」のひとこま。

西小学校は、3年生が対象という事で、
収拾がつかなくなるかもと思いましたが、杞憂に終わりました。
元気の良さを、上手くゲームへの集中に替え、楽しんでもらえた様子でした。
校長先生をはじめとした先生方にも喜んでいただけたようで、安堵。

子どもの社会では、勉強や運動、生活態度、家庭環境などを元に、
知らず知らずのうちに様々な優劣の関係が生まれやすいと思うのですが、
「表現」とか「演じる」という分野に関しては、
正解が無い分、優劣も生まれにくいのが良いところ。
普段あまり目立たないような存在の児童が、思わぬ演技心を見せたり、
賑やかな児童が、身体へのずば抜けた集中力を感じさせたりと、
小学校での指導は驚きの連続で、何度行っても飽きません。

SPACでは、各学校・各学年に合わせた、このような講師派遣もおこなっています。
なお、11月にも、僕は掛川市立和田岡小学校で、
木内琴子も藤枝明誠高等学校で、指導をおこなう予定です。


2015年9月19日

アウトリーチの活動紹介~沼津市「高齢者学級」

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みなさん、こんにちは!
SPAC俳優の永井健二です。

8月中は、自身の出演作品『王国、空を飛ぶ!』の稽古に励んでいましたが、
9月に入った今、稽古は一旦お休み。
「アウトリーチ活動」に精を出しています。

……「アウト、リーチ」???

という具合に、ピンとこない人もいるかと思うので、少しご紹介をしたいと思います。

が、一口に「アウトリーチ」と申しましても、色々なものがございますので、
ここでは、先日、沼津でおこなった、
「高齢者学級」で担当した講座のことを書いてみたいと思います。

沼津市では、市の教育委員会が主導する形で、
沼津市内の各地域ごとに高齢者学級が開設されています。

高齢者の生き方、健康と食事、体操、歴史、音楽、文学……など、
幅広いテーマで月に1回の学習をする、65歳以上を対象とした学級で、
地域により2種類の学級、「万年青(おもと)大学/10学級」「寿(ことぶき)大学/16学級」があります。

その学級で、SPACは「演劇教室」という講座を受け持っていて、
僕は、今月だけで2つの学級の講座を受け持ち、
12月にも別の2つの学級を受け持つ予定です。
ちなみに、今日はSPAC俳優 横山央も講座を受け持ちました。

「演劇教室」と言っても、高齢者の皆さんの中には、
演劇に馴染みのない方もおられますし、プロの俳優を志しているというわけでもなく、
幅広く色々なことを学びたい人たちの集まりなので、
僕はそこで、専門的な演劇ワークショップをやるわけではありません。

無数にある「演劇的な要素」の中から、
高齢者の皆さんに身近に感じられそうな部分を抜き出し、
たとえば、「顔の体操」、「喉の体操」、「簡単な発声練習」、「ジェスチャーゲーム」など、
カラオケで歌う時や日常での会話、美容法なんかにも使えそうなメニューを、
60分ほどにまとめて、一緒に体験していただいています。

学級には、好奇心旺盛な方が大勢いらっしゃるようで、
皆さん結構ノリノリで、楽しみながら参加してくださり、
毎回、高齢者の皆さんの「精神的な若さ」に驚かされます。

また、せっかくの出会いなので、
ささやかでも「観劇体験」も味わっていただきたいなと思い、
講座の最後30分ほどで、僕の「朗読パフォーマンス」を披露しています。

パフォーマンスには、いくつかレパートリーがあるのですが、
最近は、太宰治の『カチカチ山』を披露する機会が多いですね。
いわば、学級に参加している高齢者の方々のためだけに演じる「一人芝居」。
朗読の合間合間には、ジャンベの演奏も挟みながら演じています。

SPACでは、ご要望があれば、こういった形での講師派遣も積極的におこなっています。

まだまだ「アウトリーチ活動」には色々あるのですが、
それはまた別の機会に、ということで。


2013年3月12日

富士山静岡空港展望デッキでの特別記念パフォーマンス『古事記!!エピソード1』(2013年3月3日)

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富士山静岡空港に新たに完成した
「石雲院展望デッキ」。

3月3日、このオープンを記念して
SPACでは、新作の野外パフォーマンス
『古事記!!エピソード1』 (演出:宮城聰、出演:SPAC)
を上演しました。

休日ということもあり、親子連れなどひときわ賑わっていた富士山静岡空港。
開演直前まで、俳優もスタッフもフル動員で道行く人へ声がけしていました。

デッキでは心配された強風も吹いておらず
沢山のお客さんが詰め寄せ、飛行機に見入っていました。

見渡すかぎりの青空に、壮大に広がる2500mの滑走路。
飛行機が次々に降り立っては飛び立つというフライトスケジュール。

その間をぬって、飛ばない時間帯でSPACのパフォーマンス・・・のはずが
いざ始まってみたところ、まさかの上演まっさい中での離陸!

開演直前の出発便が出遅れたようです。
雄々と飛び立っていくFDA(フジドリームエアラインズ)便をバックに進むSPACの舞台。
まさかのコラボは、空港らしいハプニングでした。

さて、今回の新作では『古事記』から
八俣の大蛇(やまたのおろち)の場面を描いています。

お客さんにも襲いかかるほど(!)狂暴な八俣の大蛇が現れると

空にも届かんばかりな巨人と化したスサノヲの命(みこと)が立ちはだかります。

かの有名な草薙の剣を発見したスサノヲの命は

それを姉である天照大御神へと献上しました・・・

俳優の生演奏によるパーカッションが周囲一帯に響き渡る中、
男性コロスの力強いナレーションに導かれながら
白い衣裳に身をまとった古代の神々が繰り広げる物語。

当日の様子はこちらからご覧いただけます。
(静岡空港シティニュースより)

上演はこの日1ステージのみでしたが

いずれ再演される日まで(?)・・・どうぞお楽しみに!


2012年9月5日

静岡×鹿児島 演劇交流ワークショップ リポート

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静岡県と鹿児島県の文化交流を目的に、4日間に渡り行われた
静岡×鹿児島 演劇交流ワークショップ」の様子をリポートします!

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■一日目:8月18日(土)

夕方、鹿児島県より若手俳優たちが静岡に到着しました!
19歳~25歳の男女4名、今日から4日間SPACでいろいろなプログラムを体験します。
まずは静岡芸術劇場へ!みなさん、まだとても緊張している様子・・・。

その後、清水にあるスノドカフェ
SPACのアウトリーチ活動
リーディング・カフェ
(進行:SPAC俳優・奥野晃士)に参加です。

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今回は「鹿児島スペシャル!」と銘打ち、「鹿児島ゆかり割引」を実施したものの該当者は出ず(笑)。
しかし、鹿児島をキーワードに会話は大盛り上がりです。

この日は秋のシーズン上演作品から選び抜いた「恋の台詞をリーディング。
椅子に座っての読み合わせのはずが、「ロミオとジュリエット」の愛の言葉に盛り上がりすぎて、立ち稽古(!?)になってしまう場面も・・・!

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■二日目:8月19日(日)

朝10:00、眠たい目をこすりながら舞台芸術公園のカチカチ山に集合です。
SPAC文芸部の大岡淳による演劇講座「20世紀演技術の展開」が行われました。
大学時代の講義などを思い出しながら、なかなかさわやかな朝だったのではないでしょうか。

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お昼休憩をはさんだ後は「演技ワークショップ」で身体を動かしていきます。
講師はSPAC俳優・牧山祐大。
舞台に立つための身体を知る・作るトレーニング、台本の読み合わせなどを行いました。

夜はカチカチ山にて交流パーティを行いました。
ワークショップの参加者などいろいろな方が参加してくださり、鹿児島県の演劇事情を聞いたりと互いに情報交換。
パーティ後にはあちらこちらから「鹿児島に行きたくなった!」との声。

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■三日目:8月20日(月)

今日は見学三昧です。朝から舞台芸術公園内の3つの劇場と稽古場を見学しました。
天候にも恵まれ、お茶畑の先に夏の黒い富士山をのぞむことができました。

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そして、SPACの俳優が日々行うトレーニングを見学後、2回目の「演技ワークショップ」です。
昨日にも増して集中が高まっている様子。

演技WS

そして、稽古真っ最中の『ロミオとジュリエット』とタカセの夢の稽古場を見学。
どちらの現場も熱気が溢れ、フランス語や英語といった外国語と、日本語の入り交じる刺激的な環境でした!

最後に舞台裏や衣装制作室などの施設見学をしました。

衣裳室

過去の作品の装置や衣裳の数々に、鹿児島参加者のみなさん興味津津・・・!

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■四日目:8月21日(火)

最終日の朝、静岡市内にある倉庫を改装した劇場「アトリエみるめ」を訪れました。
アトリエみるめを
運営、そして劇団を主宰する渡辺亮史さんに演劇を取り巻く静岡の状況についてお話を伺います。

みるめ

そしてあれよあれよと出発のとき。
あっという間の4日間でしたが、「見て・学んだことを鹿児島に持ち帰って活かしたい」と話してくれたことが何より嬉しい言葉です。
こうして生まれたご縁を大切に、互いに刺激を受けながらより良い演劇文化を育んでいきたいものですね。

まだまだ若い鹿児島からの参加者の皆さん。静岡に来てくれてありがとう!今後の活躍、期待しています!


2011年11月24日

<萌目線。vol.90>ロミオとジュリエットと演奏と大岡さん

11月21日、浜松大平台高校へ、
先日朗読とピアノの午後でも公演した『ロミオとジュリエット』をお届けに行ってまいりました!!

会場は学校にある演技実習室というスタジオのような教室で、
照明設備があったので、元・照明さんの制作部舞ちゃんに明かりを作ってもらいました。
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蛍光灯を消したら、教室は一気に小劇場の雰囲気に。

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3時間目のチャイムが鳴って開場!

生徒たちや先生方をお迎えし、
本番一回目。

休み時間に次のクラスと入れ替わってもらって、
本番二回目。

みんなはじめのうちは戸惑いつつも、大岡さんの合いの手的な解説に笑いながらとても集中して見てくれました。

昼休みには、集まってくれた生徒たちとご飯を食べながら、直接感想や質問を聞いたり。

「どうすればあんな声が出るようになるんですか?」というような質問に永井王子が答えていて、俳優や声優に憧れている生徒たちが真剣に聞いていました。

私は5年前に大平台高校の定時制を卒業した。

色んな事情で小学校中学校に通えなかった子たちや、家族や自分の生活支えるために働きながら通っている生徒がほとんどの学校です。

時間の融通がきくし自由が多いぶん、私がいたころは、入学しても卒業できるのは1/3と言われていました。

事情を抱えて辞めていった同級生も何人もいますが、
子育てしながら勉強したり、在学中に就職したり、がんばって卒業した仲間もたくさんいます。

今回の主張公演が、母校の後輩たちにとって将来の選択肢をひろげたり、
演劇と出会ったことによって毎日の授業が楽しくなるようなものになったなら嬉しく思います。

もちろん鑑賞事業で静岡芸術劇場へ観に来てもいただきたいですが、
それが難しい学校には、私たちが出張していく公演も、これから続けていきたいと思ってます!!
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<萌目線。>とは・・・
SPAC新人俳優石井萠水の目線で稽古場や舞台裏の様子をお届けしています。
GREEもブログ更新中。


2009年6月7日

奥野組、組員募集!(静大・天晴れ門前塾)

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静岡大学には「天晴れ門前塾」という学生による自主ゼミがあるそうです。

第一線で活躍する社会人を「頭」(講師)として招き、少人数制の「組」(ゼミ)を作り、組ごとの活動を通じて「小僧」(学生)が文化、社会、経済の一端を感じて学ぶというもの。

「情報意匠論」という授業の企画として2004年から始まりました。
5期目を迎えた今年、SPAC演技部の奥野晃士が「奥野組」の頭として招かれました。

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「普段、無意識になっている喜怒哀楽の感情を表現することで私たちはコミュニケーションしています。じゃあ、表現するって何だろう、それを舞台で演じるって何だろう」という紹介文。
テーマはズバリ、「『表現』を意識する」。無意識を意識することへのトライから、学生ならではの感性で見えてくるものが期待できそうです。

他の組のテーマを見ると、恋愛・結婚、マナー・自律、某模型企業の経営者から学ぶ、などバライエティに飛んだ組み合わせ。次回の交流会(顔見世会)は6/12(金)@静岡県教育会館であるそうです。専門学校生、大学生、院生なら参加OK。詳細はこちらをごらんください。


2009年6月3日

リーディング・ナイト@NAS’H開催!

5月25日、鷹匠のNAS’Hという素敵なカフェで、リーディング・カフェのデラックス版、リーディング・ナイトを開催しました。

リーディング・カフェの参加者が15名ほどだったのに対し、リーディング・ナイトは50名と倍以上! SPACとしても初の試みでした。

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取り上げた戯曲はサラ・ケイン作の『ブラスティッド』という作品。サラ・ケインはたった5作品を残して自殺してしまったという夭逝の劇作家。『ブラスティッド』は彼女の処女作です。90年代にイギリスで初演されたときには、その過激な表現に賛否はわかれ、センセーションを巻き起こしました。問題作であるがゆえに、多くのアーティストに多大な影響を与え、今では、「現代の古典」といえる作品です。

この問題作をリーディング・ナイトで読むことになったわけですが、それというのも、この春の芸術祭で、フランス人演出家ダニエル・ジャンヌトーがこの作品を演出し、上演するからなんです。

開始前、会場となったNAS’Hには、参加者がぞくぞくと集まり、賑やかな歓談がやみません。そんななか、司会を務める二人が登場、SPAC俳優部の奥野晃士と文芸部の横山義志です。二人の漫才のような司会でリーディング・ナイトはスタートしました。

今回のリーディングが今までと少し違うのは、くじで当たった方々にミニステージに立っていただき、50人の参加者の前で戯曲をよんでもらう、ということでした。なかなかこんな機会はないと思います。そもそも戯曲を読むためだけに50人もの人が集まるということはとても珍しい現象です。しかも見ず知らずの人を前に台詞を読むわけですから、これは緊張するでしょうし、それを楽しむためにこんなに人が集まっていただけるとは、なかなかどうして貴重なことです。

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いざ読みはじめると、過激な台詞が飛び交うにもかかわらず、読む側も、見る側も、真摯にそれを受け止める、という、淡い緊張感の、独特の雰囲気になりました。DJ青木(SPAC技術スタッフ)のサウンドで、その空気が一層引き立ちます。戯曲のなかでは人間の汚い側面、特に暴力が直接的に描かれているのですが、それにただ嫌な顔をするのではなく、その意味を探ろうとするような、参加者の厳粛な表情が印象的でした。

ひと段落すると、スペシャルゲストとして、このたびSAPC製作の『ブラスティッド』を演出するダニエル・ジャンヌトーが登場。会場は拍手に包まれます。ジャンヌトー氏がこの作品について話をはじめると、演出家ならではの鋭い洞察力に、会場からは思わず唸り声が。たとえば、こんな言葉… この作品のなかでは男が男を強姦するという過剰な暴力が表現されていますが、それは愛情でもあるんです… 

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演出家だけではなく、『ブラスティッド』に出演する俳優も駆けつけました。阿部一徳、大高浩一、布施安寿香の三人です。阿部さんからは舞台美術家でもあるジャンヌトー氏を絶賛する声が! 今回の『ブラスティッド』の舞台美術はジャンヌトー氏のデザインです。阿部さんは、舞台美術も見逃せない!、と力をこめて語ったのでした。

また、鷹匠のお店を紹介するミニコーナーも設けました。撮らせていただいたお店の写真をスライドショーで紹介しました。SPAC制作部の成島洋子と佐伯風土、それから鷹匠企画の立役者、劇団伽藍博物堂の佐藤剛史さんが登場、鷹匠の魅力を語りました。鷹匠には独特のポリシーをもった素敵なお店がいくつもあります。スライドショーを見て、行ってみたい!、と思った方も多いはず。ぜひ、鷹匠の路地を散策してみてください。

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50人もの方に集まっていただき、SPACとしても、どうなることかと不安もありましたが、蓋を開けてみると、唯一無二の、文化的な空間が生まれた、と思います。

思えば、戯曲を読むためにこんなにも人が集まるのも、文化的な遊びを楽しむ心をもっている方々が、そうした気持を発散できずに、きっとまだまだいらっしゃるということでしょう。SPACとしては県民の皆様のそうした欲求に応える必要があると考えていますから、今回の試みはまずもって成功裡に終えることができたと思います。

これからも、様々な境遇の人が集い、文化を通して、同じ物事について思いを巡らせたり、新しい人間関係を築いたり… という企画を続けたいと思っていますので、応援していただければ幸いです。

鷹匠ナイト、次回は6月14日(日)から始まる「barがらんどう」@伽藍博物堂です!春の芸術祭で来日する海外カンパニーのメンバーと交流するチャンス!
詳細はこちら。http://spac.or.jp/news/?p=617


2009年6月1日

静岡文化芸術大学でミニセミナー開催!

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5月22日、静岡文化芸術大学でミニセミナーを開催しました。

「shizuoka春の芸術祭」では今年、劇場から飛び出し、近隣の大学と劇場が学びの場として連携-静岡県内の大学とSPACが共同で開催するアカデミア・シアターとして、ミニセミナーを開催していきます。

5月22日のテーマは「市民と公共劇場」。

静岡文化芸術大学の鈴木滉二郎先生(文化政策学部芸術文化学科 教授)、永井聡子先生(文化政策学部芸術文化学科 講師)、そして私たちSPACからは成島洋子(芸術局 主任)が講師として、教壇に立ちました。また私は、この3月に静岡文化芸術大学を卒業したばかり、この折に懐かしい方々にお会いすることができました。

さてミニセミナーでは、市民の皆さんと一緒に歩んでいくこととは?公立の劇場の果たすべき役割とは?といったことを3部にわたって、各講師が講義をすすめていきました。聴講生には静岡文化芸術大学の学生の方々、一般の方と幅広い世代の方々が約100名。皆さん、熱心に耳を傾けていました。

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 第一部では「劇場プロデュース~泣いたり、笑ったり~」と題して、永井先生ご自身が取り組まれたの知立市文化会館での貴重なお話が聞けました。知立市文化会館では市民ボランティアの方が総勢100名、年間延べ800人もの市民の方が専門のスタッフの方と一緒に劇場を支えている、その体験を実感とともにお話いただきました。
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第二部 「社会を映す鏡としての公共劇場」では、鈴木先生から日本における公共劇場の成り立ちについて、お話がありました。また昨年のSPACの活動のことにも触れていただき、公共の劇場の役割を身近に考えることができる時間となりました。

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第三部では「shizuoka春の芸術祭2009 制作の立場から」と題し、SPAC成島洋子が講師をつとめました。今年で10年目を迎える春の芸術祭の歩みを自身の体験から語りました。そして最後には、今年の「Shizuoka春の芸術祭2009」のプロモーションDVDを見ながら、今年の見どころを成島から紹介。

静岡文化芸術大学は、文化政策を学部に据えた日本でも数少ない大学です。春の芸術祭のオープニングとして6月6日に開催されるSPAC社会講座では、川勝平太学長も講師として登場していただきます。地域と文化の在り方について、大学とSPACは連携しながら様々な企画を立てて行きたいと思います。


2009年5月29日

文芸部横山のフランス文化講座!

Filed under: アウトリーチ

5月24日にエスパス・エクラタンで静岡日仏協会主催のフランス文化講座が開講しました。
全10回のうち2回をSPAC文芸部・横山義志が担当しますが、そのうちの1回が行われました。
題して「フランスで劇場に行こう!」。
フランスの主要な劇場を取り上げながら、豊富な経験をもとに解説しました。

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オペラ座、コメディー・フランセーズ、オデオン座、シャイヨー国立劇場… フランスの名だたる劇場を観劇経験から語る横山の話しぶりに、受講者は思わず乗せられて、なごやかなムードになりました。シアターゴアーならではの裏話も満載で、なるほどそういう劇場なのか、と腑に落ちる、そんな講義でした。

オペラ座の安い席には「sans visibilité」つまり「見えません」と書いてある、という冗談のような話まで聞くことができました。大劇場の最上階ともなると舞台が見えないんですね。オペラが耳を澄まして聴くものなら確かに見えなくてもいいのかもしれませんが、一般的に日本でオペラといったら、華やかな美術も連想します。「見えません」と書いてあるチケットを買うかといわれると… 皆さんはどうでしょう?

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講義の後は、飲み物を片手に、受講者と歓談。フランスへ旅行経験のある人も多く、話が弾みます。フランス文化についての情報や意見が雑談のなかで交わされる、貴重なひと時になったと思います。

フランス文化講座はまだまだ続きます。
次回は6月7日(日)。横山の担当で「静岡でフランスの舞台を見よう!」。「Shizuoka春の芸術祭2009」を紹介します。

詳しくはこちらの静岡日仏協会HPでご確認ください。


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