日本で歌舞伎に親しみ、アメリカでオペラに親しんだ天心が、今後の世界への灯火とすべく書き残した『白狐伝』。SPACが長年築き上げてきた「二人一役」の手法と俳優による生演奏、音楽性あふれるセリフ術、唯一無二の劇的空間で天心の最後の夢が形を現す。あたかも、一夜駿府城に現れる狐火のように…
あらすじ
狐のコルハは殺されそうなったところを人間の男保名に救われる。保名の恋人葛の葉が悪者にさらわれ、同情したコルハは葛の葉に姿を変えて保名の前に現れ、二人は幸せに暮らす。数年が経ち、葛の葉が無事でいることを知ったコルハは───
公演情報
【静岡公演】
2024年5月3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)、6日(月・振休)各日:19:00開演
会場:駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
<静岡公演 関連企画>
〈プレトーク〉
18:15より特設会場前にて、作品を面白く観劇できるポイントをSPAC文芸部大岡淳がご紹介します。(約10分/参加無料/予約不要)
〈プレパフォーマンス〉
18:30より特設会場前にて、県立清水南高等学校芸術科演劇専攻によるプレパフォーマンス「ミニびゃっこでん」がございます。(約5分/参加無料/予約不要)
出演:静岡県立清水南高等学校芸術科演劇専攻
(大木里桜、太田小春、加藤凜子、立川鈴奈、田中那夏、橋本莉心、藤浪栞奈、山村夏帆)
演出:宮城嶋遥加
指導:片岡佐知子
【浜松公演】浜名湖花博2024
2024年5月25日(土)14:30開演
会場:浜名湖ガーデンパーク 屋外ステージ
上演時間:85分/日本語上演
※雨天でも上演いたします。(客席には屋根がございます。)
<浜松公演 関連企画>
〈あらすじ紹介〉
14:25より会場にて、演出の宮城聰が作品のあらすじをご紹介いたします。(約10分/参加無料/予約不要)
チケット
【静岡公演】演劇祭特設サイトをご覧ください。
https://festival-shizuoka.jp/ticket/
【浜松公演】*無料/花博会場への⼊場券(有料)が必要です
詳細は「浜名湖花博2024」公式サイトをご覧ください。
https://hanahaku2024.jp/ticket/
スタッフ/キャスト
演出・台本:宮城聰
作:岡倉天心(『THE WHITE FOX』)
音楽:棚川寛子
出演[M=Mover(動き)/S=Speaker(語り)]
美加理 [コルハ(M)・葛の葉(M)]
葉山陽代に代わり宮城聰 [コルハ(S)・葛の葉(S)]
大高浩一 [保名(M)]
若菜大輔 [保名(S)・演奏]
貴島豪 [悪右衛門(M)・演奏]
吉植荘一郎 [悪右衛門(S)・演奏]
池田真紀子 [侍女(M1)・狐(S1)・巡礼(M1)・演奏]
内山怜菜 [兵士(M4)・狐(S5)・巡礼(M7)・演奏]
大内米治 [兵士(M1)・演奏]
加藤幸夫 [兵士(M3)・演奏]
河村若菜 [兵士(S2)・狐(M6)・演奏]
榊原有美 [侍女(S1)・狐(M1)・巡礼(S1)・演奏]
桜内結う [侍女(S5)・狐(M5)・巡礼(M3)・演奏]
鈴木真理子 [侍女(M3)・狐(S4)・巡礼(M5)・演奏]
舘野百代 [兵士(S1)・狐(M2)・巡礼(M6)・演奏]
寺内亜矢子 [侍女(S4)・狐(S2)・演奏]
藤見花 [侍女(M4)・狐(S6)・巡礼(M8)・演奏]
布施安寿香 [侍女(S2)・狐(M3)・巡礼(M2)・演奏]
本多麻紀 [侍女(S3)・狐(M4)・巡礼(S2)・演奏]
森山冬子 [侍女(M2)・狐(S3)・巡礼(M4)・演奏]
渡辺敬彦 [兵士(M2)・演奏]
美術デザイン:深沢襟
照明デザイン:花輪有紀
音響デザイン:澤田百希乃
衣裳デザイン:清千草
ヘアメイクデザイン:梶田キョウコ
演出補:中野真希
舞台監督:小川哲郎
演出部:杉山悠里、佐藤洋輔、吉田裕梨、土屋克紀(浜松公演)、森正吏(浜松公演)
照明:吉嗣敬介、水野ヒカル
音響:大朏実莉、牧嶋康司(エス・シー・アライアンス)、望月愛美(エス・シー・アライアンス)
人形デザイン:吉田裕梨
美術担当:佐藤洋輔、森正吏
衣裳制作:清千草、牧野紗歩、池田佑菜、石川光輝、高橋佳也子、マドレーヌ・テシエ(インターン)
ワードローブ:清千草、池田佑菜
ヘアメイク:梶田キョウコ、高橋慶光(静岡公演)、若林あかね(浜松公演)
字幕翻訳(中国語・韓国語):ブレインウッズ株式会社
字幕制作(英語):Ash
字幕・演出助手:大石多佳子
二幕コルハガウンデザイン:高橋佳代
技術監督:村松厚志
演出助手・字幕:大石多佳子
制作:大石多佳子、佐藤飛子、仲村悠希(浜松公演)
宣伝美術: 阿部太一
宣伝写真: 加藤孝
宣伝写真ヘアメイク: 梶田キョウコ
[ふじのくに野外芸術フェスタ2024静岡・浜松]
主催:ふじのくに野外芸術フェスタ実行委員会
上の画像↑をクリックするとチラシをご覧いただけます。(表裏/PDF)
【演出家プロフィール】
宮城聰(みやぎ・さとし)
演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。静岡県コンベンションアーツセンターグランシップ館長。東京大学で小田島雄志・渡邊守章・日高八郎各師から演劇論を学び、1990年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、またアウトリーチにも力を注ぎ「世界を見る窓」としての劇場運営をおこなっている。2017年『アンティゴネ』をフランス・アヴィニョン演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。他の代表作に『王女メデイア』『マハーバーラタ』『ペール・ギュント』など。近年はオペラの演出も手がけ、2022年6月フランス・エクサンプロヴァンス音楽祭にて『イドメネオ』、同年12月にはドイツ・ベルリン国立歌劇場における初の日本人演出家として『ポントの王ミトリダーテ』を演出。2004年第3回朝日舞台芸術賞受賞。05年第2回アサヒビール芸術賞受賞。18年平成29年度第68回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。19年4月フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。2023年第50回国際交流基金賞、ルネサンス・フランセーズ栄誉賞フランス文化普及賞を受賞。
【作家プロフィール】
岡倉天心(おかくら・てんしん)
明治期の美術行政家、思想家。1877年に新設された東京大学へ進み、教師として招かれていたアーネスト・フェノロサと出会う。卒業後は文部省に勤務。東京美術学校(現・東京芸術大学)の設立にたずさわる一方で、フェノロサらとともに古美術調査を行う。20代にして美術学校校長に就任するが、1898年に校長排斥運動により辞職、同年横山大観らと日本美術院を創設した。1901年インド旅行中に英文で執筆された『東洋の理想』がイギリスで出版される。ボストン美術館の仕事にも携わり、同館東洋部長に就任。1906年にはニューヨークで『茶の本』を出版。1913(大正2)年没。享年51歳。