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2019年6月15日

SPACワンコインシアター

『アンティゴネ』出演のSPAC俳優たちによる、生演奏付きのパフォーマンスシリーズ!
間近で、“ワンコイン” 500円で、気軽にお楽しみください♪

公演日時・出演者

 
◆5月20日(土) 15時開演

土方巽『病める舞姫』 / 川端康成『片腕』
演出:大岡 淳
出演:貴島 豪(『病める舞姫』)、武石 守正(『片腕』)
ピアノ:吉田 伊津子

貴島豪
貴島 豪
 武石守正
 武石 守正


 
 
◆5月27日(土) 15時開演

太宰治『グッド・バイ』
構成・演出:牧山 祐大
出演:加藤 幸夫 鈴木 真理子、桜内結う
ピアノ:米山淳一〔SPAC制作部〕

牧山祐大
牧山 祐大
 加藤幸夫
 加藤 幸夫
 鈴木真理子
 鈴木 真理子
 桜内結う
 桜内 結う


 
 
◆6月3日(土) 15時開演

宮沢賢治『オツベルと象』
演出:棚川 寛子
出演:三島 景太、森山 冬子
演奏:吉見 亮、山﨑 智美〔SPAC創作・技術部〕

三島景太
三島 景太
 森山冬子
 森山 冬子
 吉見亮
 吉見 亮


 
 
◆6月10日(土) 15時開演

MY LIFE TO LIVE ~女と男のいるカフェ
 ジャン・リュック・ゴダール『女と男のいる舗道』より
 /ジョン・パトリック・シャンリィ『星降る夜に出掛けよう』

演出:寺内 亜矢子
出演:吉植 荘一郎、山本 実幸、永井 健二
演奏:大坂 孝之介

寺内亜矢子
寺内 亜矢子
 吉植荘一郎
 吉植 荘一郎
 山本実幸
 山本 実幸


 

 

チケット情報

チケット料金 500円

<チケット好評発売中!>
ご予約・お問い合わせ
SPACチケットセンター TEL.054-202-3399(10:00~18:00)

~ゲスト演奏家プロフィール~
 
5/20(土)
吉田伊津子 YOSHIDA Itsuko

京都芸術大学ピアノ科卒業、国立ウィーン音楽大学舞台演奏ピアノ科ディプロム取得。ベルリンとニューヨークで R.シュタイナーの動きの芸術オイリュトミーを学ぶ。現在は八ヶ岳山麓に暮らし、静岡県を拠点にウィーン、ハンブルク他、国内外で音楽活動を展開。静岡県文化奨励賞受賞。2009年よりSPAC俳優と共演。「特別な音」と称される音色は広く愛されている。

2019年6月11日

ロミオとジュリエット(ローザンヌ)

[ローザンヌ公演]

「SPAC秋のシーズン2012」で初演され、2013年のスイス・フランスツアーを経て、新たなキャストを迎えての2016年静岡芸術劇場での再演でも絶賛された、SPAC‐静岡県舞台芸術センター、テアトロ・マランドロ共同制作作品『ロミオとジュリエット』(演出:オマール・ポラス)が、2017年9月19日から10月8日まで、オマール氏が芸術監督を務めるスイスのTKM Théatre Kléber-Méleau劇場にて上演されました。


▲TKM劇場での舞台写真(©Mario Del Curto)

構成・演出:オマール・ポラス
原作:ウィリアム・シェイクスピア
日本語訳:河合祥一郎
フランス語訳:フランソワ=ヴィクトル・ユゴー

出演:山本実幸、宮城嶋遥加、イヴ・アダン、大内米治、貴島豪、
武石守正、舘野百代、永井健二、吉見亮、ピエール=イヴ・ル・ルアルン

※詳細は、TKM劇場のウェブサイトをご覧ください。

公演日程・会場

9月19日〜10月8日(18回公演)
TKM Théatre Kléber-Méleau〔ルナン/スイス〕

演出ノート(2012年初演時より)

シェイクスピア、東洋を行く
オマール・ポラス

 シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』で見せつけられるのは、キャピュレット家とモンタギュー家という二つの家のあいだの絶え間ない憎しみの物語だ。この憎しみは世代から世代へと受け継がれ、もはやその由来を知るものすらいない。これは、私たちの時代に起きている内戦の状況ともちょっと似ている。この憎しみに唯一抵抗するのが、対立する家に生まれた若い二人、ロミオとジュリエットによる情熱的な恋だ。これはきわめてよく知られた恋物語だが、同時に、わずか五日間しか続かない、きわめて短い恋物語でもある。この恋は日曜日の華やかなパーティにはじまり、木曜日には運命の星の下で幕を閉じることになる。

 エリザベス朝式の舞台に浮世絵や屏風も取り入れ、古いヨーロッパと日出ずる国の二つの文明が結びあわされた舞台装置は、この壮大な家族のドラマを理解するために作り出されたものである。シェイクスピアの時代のエリザベス朝式劇場は、世界を映す鏡であると考えられていた。この劇場は、欲望と欲望とが対立し、緊張と暴力が渦巻き、自然なことだけでなく、超自然的なことも起きてしまう危険な場所である。同時に、この悲劇の登場人物たちは、浮世絵の世界の人物たちのように、ふと姿をあらわし、情に流され、やがて過ぎ去っていく。SPACの劇場の一つである楕円堂をかたどった舞台装置においては、まさに「鏡としての劇場」というエリザベス朝式劇場のあり方と、浮世絵の美学とが交叉している。

 この作品の舞台も、日本に置かれることになった。時代や地域は限定されていないが、ここには、キャピュレット家とモンタギュー家のように、激しい憎しみに取り憑かれ、古くからの争いによって引き裂かれた二つの家が存在している。このような理屈の通用しない争いという文脈の中で、対立する両家の継承者であるロミオとジュリエットのあいだに、恋という奇跡が芽生えるのである。

 だが、そもそも私と私が主宰するテアトロ・マランドロは、この『ロミオとジュリエット』という作品を、なぜあえて日本で作ることを選んだのだろうか。その答えは、なによりもまず、東洋の演劇とその技術や約束事、儀式的な性格への私たちの思い入れにあるのだろう。SPACの俳優たちと作品を作る際には、演劇へのアプローチの違いによる衝突もあるだろうが、一方で共通点も十分見つかるはずだ。テアトロ・マランドロのメソッドも、SPACのメソッドに劣らず厳密なものである。様々な演劇文化をかけあわせて生まれたメソッドを、この新作のために集められた日本とヨーロッパの俳優たちの体のうちに注ぎ込むのである・・・。これこそ、私たちの仕事道具なのだ。なぜなら私たちが望むのは、演劇の源流へ、舞台の最も原初的な形態が見出されるところへ、神話へと戻っていくことなのだから。こうして、異文化の交差点に置かれた『ロミオとジュリエット』は、様々な演劇の伝統が出会う、経験のるつぼとなっていくのである。

(翻訳:SPAC文芸部 横山義志)

2016R&J_YI529
© Y. INOKUMA

 
『ロミジュリ』ローザンヌ公
 
【チケット予約/Ticket】
TKM Théatre Kléber-Méleau
Tel:+41 21 625 84 29
E-mail:billetterie@tkm.ch

【問い合わせ/Administration】
TKM Théatre Kléber-Méleau
Tel:+41 21 625 84 00
E-mail:tkm@tkm.ch

 
<過去の『ロミオとジュリエット』>
『ロミオとジュリエット』公演サイト(2016)
English page of “Romeo et Juliette”(2016)
『ロミオとジュリエット』スイス・フランスツアー(2013)
『ロミオとジュリエット』公演サイト(2012)
English page of “Romeo et Juliette” (2012)

 

「SPAC秋のシーズン2012」公演時のポストカード
2019年5月11日

オフェリアと影の一座

SPACシアタースクール2017 発表会

演出・構成: 中野真希
原作: ミヒャエル・エンデ『オフェリアと影の一座』(矢川澄子訳/岩波書店刊)
Dramatization rights licensed by AVA International GmbH, München

出演: 静岡県内の中学校1年生から高校2年生まで

SPAC – 静岡県舞台芸術センターでは、専属劇団による舞台作品の創造とともに人材育成にも力を入れています。そのひとつである「SPACシアタースクール」は、学校では触れる機会の少ない「演劇の面白さ・奥深さ」を、子どもたちとその保護者の方々に知っていただくことを目的に2007年にスタートし、今年で11年目を迎えます。
県内各地から集まった参加者たちは、SPACの俳優たちによる指導のもと、身体や声に関する様々なプログラムに取り組み、「舞台に立つためのからだづくり」を学んでいきます。また、作品をつくるための共同作業を通じて、子どもたちは人それぞれの感じ方や考え方の違いに気づきます。
劇場とは、自分自身と出会い、他者と交流する場。人間の「多様性」に光を当て、その違いを楽しみ、「創造性」をまなぶ場でもあります。
1ヶ月のプログラムを通してぐんと大きくなった参加者たちが舞台の上で身体いっぱいに表現する、その輝きをお楽しみください!

作品紹介

オフェリアさんは、小さな町の小さな劇場で、舞台の上の役者たちを支える仕事をしていました。やがて閉じられることになった劇場でさいごの舞台を終えたあと、オフェリアさんは誰もいない舞台の奥でひとりの「影」に出会います。やさしいオフェリアさんのもとに次々と集まりはじめる、行き場のない影法師たち。自由自在に変身できる彼らとともに、オフェリアさんは世界を旅してお芝居を続けてゆき…。

公演情報

8/19(土) 20(日) 各日16:00開演

静岡芸術劇場 (JR東静岡駅前グランシップ内)
◇アクセス方法、マップはこちら

上演時間:60分

チケット

一般:1,000円
高校生以下:無料(電話窓口予約のみ)

全席自由(要予約)
※整理番号順(予約受付順)での入場となります。

SPACの会会員先行予約受付開始:7月29日(土)10:00
一般前売り開始:7月30日(日)10:00

◎チケット購入方法
SPACチケットセンター
●電話予約 054-202-3399 (受付時間 10:00〜18:00)
●窓口販売 静岡芸術劇場チケットカウンター (受付時間 10:00〜18:00)
●ウェブ予約 https://spac.or.jp/ticket
●携帯電話予約 http://spac.or.jp/m/
●セブン‐イレブンでの販売 店内のマルチコピー機をご利用ください。
[当日券] 残席がある場合のみ、開演1時間前より会場受付にて販売
※当日券販売の有無を、公演当日に必ずお電話もしくはTwitter(@_SPAC_)でお確かめください。

[親子室] (先着3名様)
小さなお子さんと一緒にご観劇いただける親子室がございます。
ご希望の方はご予約時にお伝えください。

[託児サービス] 対 象:2歳以上の未就学のお子様
両日ともグランシップ託児サポーター(ボランティア)による無料託児サービスがあります。ご希望の方は、8月12日(土)までにSPACチケットセンターへご連絡ください。

スタッフ

演出・構成: 中野真希

アシスタント(五十音順)
春日井一平、片岡佐知子、河村若菜、桜内結う
佐藤ゆず、関根淳子、永井健二

舞台監督: 神谷俊貴
演出部: 降矢一美、秡川幸雄
照明デザイン: 藤田隆弘
照明操作: 佐藤花梨
音響: 澤田百希乃
美術: 渡部宏規
衣裳: 駒井友美子、川合玲子
制作: 計見葵、梶谷智、布施知範

主催:SPAC‐静岡県舞台芸術センター
ふじのくに芸術祭共催事業
支援:平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
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2019年4月27日

ANGELS(2017)

8年目のSPAC-ENFANTS=スパカンファン・プロジェクト

静岡の中高生が世界レベルのダンス・パフォーマンスに挑む!

「こどもが踊る、世界レベルのコンテンポラリーダンス作品」という、ありそうでなかった公演です。日本の公立劇場の演目として、大きな鉱脈かもしれないと思っています。

── 宮城聰(SPAC芸術総監督)


▲SPAC-ENFANTS(スパカンファン)プロジェクト『ANGELS』2016年の公演より
(撮影:猪熊康夫)

『ANGELS』は私たちが生きている世界の縮図そのもの。
いろいろなことが起こります。天使的なことも悪魔的なことも。
感受性を培って舞台にいざない、ダンスや歌や演劇の力で何が出来るのかを知ってもらいたい。
これは大いなるチャレンジです。
子どもたちはかつてないほど未来への希望を必要としています。
忘れてはいけません。子どもこそ私たちの未来なのです。
メルラン・ニヤカム


振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:
スパカンファン(静岡県の中高生11名・五十音順)
池ヶ谷優希、岩田麻緒、岡村桃果、岡村玲奈、金森萌倭、鈴木舞子、
永田茉彩、西出一葉、伏見彩花、宮城嶋開人、渡邉茉奈

公演情報


8/19(土) 12:30開演
8/20(日) 12:30開演
 
舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」 (静岡市駿河区平沢100-1)

上演時間:70分(予定)

★開催決定!!「ニヤカムさんと一緒に踊ろう!」
各日終演後、ニヤカムさんと話したり、一緒に踊ったりしてみませんか?ダンスが初めての方も、そうでない方もご参加いただます。ぜひこの機会『ANGELS』振付・演出のメルラン・ニヤカム氏との交流のひとときをお楽しみください。
————–
所要時間:約20分
予約不要・無料
————–
※着替えなどの準備の必要はありません。終演後、そのままご参加いただけます。

アクセス

◎バス
公演当日は舞台芸術公園まで路線バスをご利用いただけます。
しずてつジャストライン静岡日本平線 降車停留所:舞台芸術公園
◎JR静岡駅(北口11番乗場)〜舞台芸術公園【運賃:大人370円】
◎JR東静岡駅(南口2番乗場)〜舞台芸術公園【運賃:大人260円】
———————————————————-
[行き]JR静岡駅11:23JR東静岡駅11:36舞台芸術公園11:48
[帰り]舞台芸術公園14:44JR東静岡駅14:56JR静岡駅15:09
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◎自家用車
日本平動物園より日本平方面へ1.8キロ先左手の舞台芸術公園内駐車場をご利用ください。

◇そのほかのアクセス方法、マップはこちら

チケット

◎チケット料金 ※全てのチケット代金は税込価格です。
●SPACの会 3,400円 ペア割引: 3,200円 (2名様で1枚につき)
●一般: 4,100円
●ペア割引: 3,600円 (2名様で1枚につき)
●グループ割引: 3,200円 (3名様以上で1枚につき)
※10名様以上の場合は電話・窓口にてお取り扱い
●ゆうゆう割引: 3,400円 (満60歳以上の方)
※公演当日、受付にて身分証をご提示ください。
●学生割引: [大学生・専門学校生]2,000円 [高校生以下]1,000円
※公演当日、受付にて学生証をご提示ください。
●障がい者割引: 2,800円  [障害者手帳をお持ちの方]
※公演当日、受付にて障害者手帳をご提示ください。
※付添の方(1名様)は無料 ※電話・窓口のみのお取り扱い

※各種割引の併用はできません。

全席自由(要予約)

SPACの会会員先行予約受付開始:7月29日(土)10:00
一般前売り開始:7月30日(日)10:00

◎チケット購入方法
SPACチケットセンター
●電話予約 054-202-3399 (受付時間:10:00〜18:00)
●窓口販売 静岡芸術劇場チケットカウンター (受付時間 10:00〜18:00)
●ウェブ予約 https://spac.or.jp/ticket
●携帯電話予約 https://spac.or.jp/m/
●セブン‐イレブンでの販売 店内のマルチコピー機をご利用ください。
[当日券] 残席がある場合のみ、開演1時間前より会場受付にて販売
※当日券販売の有無を、公演当日に必ずお電話もしくはTwitter(@_SPAC_)でお確かめください。

スタッフ

メディアディレクション: ニシモトタロウ、松尾邦彦
照明デザイン・舞台監督: 樋口正幸
音響: 原田忍
衣裳: 清千草
美術: 三輪香織
演出部: 守山真利恵、折本弓佳
照明操作: 花輪有紀
舞台装置デザイン(バオバブの木): 鈴木里恵
振付アシスタント:太田垣悠
制作:塚本広俊、太田垣悠、髙林利衣

主催:SPAC‐静岡県舞台芸術センター
ふじのくに芸術祭共催事業
支援:平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
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【振付・演出】
メルラン・ニヤカム 
nyakam振付家、ダンサー、歌手、俳優、ラ・カルバス・カンパニー主宰(Compagnie La Calebasse)。
14歳でカメルーン国立バレエ団に入団。16歳で主席ダンサーとなる。1990年にラ・カルバス・カンパニーを立ち上げ、91年金の穂賞、最優秀ダンサー賞などを受賞。92年よりフランスに拠点を移し、フランスで絶大な人気を誇るモンタルヴォ・エルヴュ・カンパニーなどの作品に出演。振付家としても活躍し、代表作の『遊べ!はじめ人間』が「Shizuoka春の芸術祭」(2007年、08年)でも上演された。14年には、20年ぶりに母国カメルーンで『ダンシング・アフリカ』を創作し「ふじのくに野外芸術フェスタ2015」で上演、アフリカでのさらなる展開を模索している。10年よりSPAC-ENFANTSプロジェクトを手がける。


【メディアディレクション】
ニシモトタロウ (LaLaLaLaboratory)
TARO_LaLaLaLaTASUKI_001ラララ研究所 所長・ディレクター・アーティスト。国内外の様々なコンテンポラリー・ダンスや、舞台・音楽シーンなどで空間を使った映像表現を行う。女子美術大学及び阿佐ヶ谷美術専門学校の非常勤講師。近年はフリスビーを使った街遊びを提案中。
http://www.LaLaLaLab.com

【メディアディレクション】
松尾邦彦 (まつお・くにひこ) (CMprocess)
MatsuoProf_Machu001メディアアーティスト・ダンサー・演出家・映像作家・音楽家として、国内外のダンスカンパニー・振付家との共同演出作品を多く手がけている。近年はインドにてダンスとアートの祭典、オディシャビエンナーレをオーガナイズ中。
http://www.cmprocess.com
2019年4月1日

アンティゴネ(アヴィニョン)

2017年7月、SPACの『アンティゴネ』(演出:宮城聰)は、世界的な演劇の祭典「アヴィニョン演劇祭」(仏)に公式プログラムとして招聘され、メイン会場「法王庁中庭」で同演劇祭のオープニングを飾りました。その年のアヴィニョン演劇祭の「顔」となり大きな責任を担う法王庁中庭でのオープニング作品に、アジア圏の劇団が選ばれるのは71年間の演劇祭の歴史上初めてのこと。
約2,000席の客席は連日満席となり、終演後はスタンディングオベーションが起こりました。舞台に水を張る創意に富んだ装置や、俳優の影を高さ約40mの法王庁の壁面に映し出す仕掛け、そして人を二種類に分けない王女アンティゴネの思想に日本人の死生観を重ねた宮城の演出は、大きな反響を呼びました。現地のメディアはこぞって本作を取上げ、中でも「ル・モンド」紙では、「2014 年、ブルボン石切り場で上演した『マハーバーラタ』で人々を魅了した「美」。我々は法王庁に、あの「美」を再び見出した」と高評価を受けました。

*「アヴィニョン演劇祭」公式サイトの『アンティゴネ』ページはこちら(仏語)

アヴィニョン演劇祭

1947年に開始され、現在では公式プログラム(IN)約40作品、自主参加(OFF)の約1,300作品が上演される、文字通り世界最高峰の演劇祭であり、「世界の演劇人の目標地点」と言われています。メイン会場は「アヴィニョン法王庁中庭」を筆頭に、「ブルボン石切場」、新設の屋内劇場「ラ・ファブリカ」などがあります。特に「法王庁中庭」で上演されるオープニング作品は、「ヨーロッパ演劇界注目の一大イベント」としてフランスの全国紙で大きく取り上げられ、しばしばヨーロッパの国営放送局で生中継されます。

2014年、SPACの『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』は、日本の現代演劇作品としては実に20年ぶりに公式プログラムとして招聘され、メイン会場のひとつ「ブルボン石切場」で上演されました。壮大かつ創意に富んだ演出や舞台装置は注目を集め、約1,000席の観客席は連日満席、終演後はスタンディングオベーションが起こりました。また、フランスの有力紙がこぞって絶賛、ル・モンドにおいて「美しいスペクタクルが到来した」「われわれは至福を味わうことができた」と評されました。
 
Website: www.festival-avignon.com
Facebook: Festival d’Avignon

公演情報

7月6日(木)・7日(金)・8日(土)・10日(月)・11日(火)・12日(水) 
各日22時開演
会場:アヴィニョン法王庁中庭(客席数:約2,000席)

あらすじ

舞台は古代ギリシャ・テーバイ。先の王オイディプスは自らの出生の秘密を知り、国を追われる。その妻であり母でもあるイオカステは自死を遂げた。残された二人の息子ポリュネイケスとエテオクレスは王位を競って争い、ポリュネイケスはアルゴスに追放される。やがてポリュネイケスはアルゴス勢を率いてテーバイに攻め入り、エテオクレスとの一騎打ちとなるが、オイディプスの呪いを受けた兄弟は相討ちとなって共に果てる。そして王位はイオカステの兄クレオンのものとなった。クレオンは国を守ったエテオクレスを手厚く葬り、反逆者ポリュネイケスの死骸を野に晒して野鳥の餌にすることを命じ、これに反した者を死罪に処すことを決める。だが、オイディプス王の娘アンティゴネは王令に従わず、いさめる妹イスメネにも抗して、兄ポリュネイケスに埋葬の礼を施すことを決意する…。

Antigone
▲駿府城公園での舞台写真より(2017年5月)

キャスト

美加理、本多麻紀、赤松直美、阿部一徳、石井萠水、泉陽二、大内米治、大高浩一、加藤幸夫、貴島豪、榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木真理子、大道無門優也、武石守正、舘野百代、寺内亜矢子、永井健二、布施安寿香、牧山祐大、三島景太、宮城嶋遥加、森山冬子、山本実幸、吉植荘一郎、吉見亮、若菜大輔、渡辺敬彦

スタッフ

構成・演出:宮城聰
作:ソポクレス
訳:柳沼重剛
音楽:棚川寛子
空間構成:木津潤平
衣裳デザイン:高橋佳代
照明デザイン:大迫浩二
ヘアメイク:梶田キョウコ

舞台監督:村松厚志
演出部:山田貴大、神谷俊貴
音響デザイン:加藤久直
音響操作:牧嶋康司
照明操作:樋口正幸
小道具制作:深沢襟、三輪香織、渡部宏規
衣裳制作:駒井友美子、大岡舞、川合玲子
ワードローブ:大岡舞
演出補:中野真希
技術監督:堀内真人 (KAAT神奈川芸術劇場)

通訳:平野暁人
仏語字幕制作:コリーヌ・アトラン
字幕操作:大石多佳子
文芸部:横山義志
制作:大石多佳子、丹治陽

製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター
共同製作:アヴィニョン演劇祭
助成:国際交流基金 Logomark_B
    SPEDIDAM (第71回アヴィニョン演劇祭に対して)
協力:KAAT神奈川芸術劇場

 
アヴィニョン演劇祭招聘参加 報告書
【ebooks】 ↓↓↓↓↓

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English  Français
 
アヴィニョン法王庁中庭
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★法王庁中庭での公演映像(ダイジェスト)

 
★ドキュメンタリー映像(ダイジェスト)

 
*トークやインタビュー映像がこちらからご覧いただけます。
 
アヴィニョンブログバナー
 
▼『アンティゴネ』インスタグラム https://www.instagram.com/spac_antigone/

▼▼▼関連イベント▼▼▼
アヴィニョン演劇祭公演報告会
7月24日(月)
  [第一部]15:30~17:30
  [第二部]19:00~21:00
会場:FabCafe Tokyo
【第1部:無料、第2部:1,000円/要申込】

*詳細はこちら
 
アヴィニョン演劇祭公演報告スペシャルトーク
8月11日(金・祝)13:30~
会場:静岡芸術劇場
【無料/要申込】

*詳細はこちら
 
【演出家プロフィール】
宮城聰(みやぎ・さとし)
1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡辺守章・日高八郎各師から演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出は国内外から高い評価を得ている。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、また、静岡の青少年に向けた新たな事業を展開し、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。14年7月アヴィニョン演劇祭から招聘されブルボン石切場にて『マハーバーラタ』を上演し絶賛された。その他の代表作に『王女メデイア』『ペール・ギュント』など。04年第3回朝日舞台芸術賞受賞。05年第2回アサヒビール芸術賞受賞。
 
【劇団プロフィール】
SPAC-静岡県舞台芸術センター(Shizuoka Performing Arts Center:SPAC)は、専用の劇場や稽古場を拠点として、俳優、舞台技術・制作スタッフが活動を行う日本で初めての公立文化事業集団です。舞台芸術作品の創造と上演とともに、優れた舞台芸術の紹介や舞台芸術家の育成を事業目的として活動しています。1997年から初代芸術総監督鈴木忠志のもとで本格的な活動を開始。2007年より宮城聰が芸術総監督に就任し、事業をさらに発展させています。より多彩な舞台芸術作品の創造とともに、「ふじのくに⇄せかい演劇祭」の開催、中高生鑑賞事業や人材育成事業、海外の演劇祭での公演、地域へのアウトリーチ活動を続けています。13年8月には、全国知事会第6回先進政策創造会議により、静岡県のSPACへの取り組みが「先進政策大賞」に選出されました。また14年7月、フランスの世界的演劇祭「アヴィニョン演劇祭」に、『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』と『室内』の二作品が公式プログラムとして招聘され、称賛を浴びました。