2016年11月21日

おためし劇場『サーカス物語』編 レポート

Filed under: おためし劇場

11月20日(日)、「おやこワークショップ」に続き、『サーカス物語』おためし劇場を開催。その様子をレポートします!
「おやこワークショップ」の様子はこちらよりご覧下さい。

今回は静岡芸術劇場のリハーサル室に皆さんをご案内。
普段はなかなか見ることのできない、SPACの心臓部ともいえる「作品が誕生する場所」です。

さて、そのリハーサル室では、衣裳と同じくこの作品の大きな見どころ(聴きどころ?)のひとつ、「歌」がたくさん登場するシーンの稽古をご覧いただきました。一度聞くと耳に残る、「ガラスの城」に住むエリ王女(鈴木真理子)のソロ、そしてとにかく楽しい「明日の国」のコーラスと、俳優たちの遊び心がふんだんに盛り込まれたシーンで、大人の方のみならず、お子さんたちからも笑い声が聞こえてきました。
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稽古をご覧いただいたあとには、演出ユディさんと俳優へのQ&A。

お客様から「このダンス的な要素も多い『サーカス物語』に向けて特別に身体づくりなどされているのですか?」とご質問があり、それに対して出演俳優9名、ひとりひとり自己紹介を交えながら答えていきました。
身体づくりといっても色々あり、ランニングや水泳、それから格闘技まで。また歌うシーンの多い役柄では「歌うための身体づくり」も行っているようです。

そして「3歳の息子と一緒に来ましたが、息子が“本番も観たい”と言っています。」との声もいただき、あらためて大人も子どもも楽しめる作品なんだと確信を得ることができました。
SPACでは託児サービスをご利用いただける日(次回は12/10)や、0歳からご利用いただける親子室もございますので、是非ご利用いただければと思います。

リハーサル室をあとにする前に、ユディさんからは「この作品には『希望』が込められています。サーカス団員たちに迫る危機は、今世界中で起こっている様々な問題にも共通し、この作品が直接その問題を解決することはないけれども、この作品を観ることで、新しい視野が生まれ、解決へと向かう力になることを願っています。」とメッセージをいただきました。
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次は衣裳室へ。
『サーカス物語』ほかに、来年1月に上演する、新作シェイクスピアの『冬物語』の衣裳制作もはじまっています。

衣裳室では、どのようにデザインが決まり、どうやって作られているのか、という創作現場の様子をとても興味深くご覧になっていました。
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『サーカス物語』に登場する「明日の国」はサーカス団員達による手作り感をイメージし、衣裳にダンボールが使われています。
ただ、パーツによっては破れてしまわないようにダンボールに見える別の素材が代用されていたり、また俳優の動きに支障が出ないような工夫など、思いやりも込められています。

そして衣裳を作るだけではなく、公演時には日々の洗濯や、舞台袖での着替えの手伝いや、過去作品の保管なども衣裳班の仕事です。
舞台の裏には本当にたくさんの努力が隠されています。

今回のおためし劇場は、まさに「裏側にある創作の現場」をご見学いただくこととなりました。

『サーカス物語』一般公演は12月3日(土)より、はじまります。
平日にも中高生鑑賞事業があり、一般の方にもお席を販売している回もございますので、是非チェックしてみてください。

皆様のご来場を心より、お待ちしております。

★★★公演情報はこちら★★★★★
SPAC秋→春のシーズン2016 ♯3
『サーカス物語』
一般公演:12月3日(土)、10日(土)、18日(日)、23日(金・祝)
演出: ユディ・タジュディン (俳優・スタッフ一同の構想に基づく)
作: ミヒャエル・エンデ
訳: 矢川澄子 (岩波書店刊『サーカス物語』より)
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
★★★★★★★★★★★★★★★


【『サーカス物語』稽古場ブログ番外編】 おやこワークショップ!

11月20日(日)に『サーカス物語』関連イベント「おやこワークショップ~じぶんだけの“王冠”をつくってみよう」を開催しました。

『サーカス物語』のたくさんある見どころのひとつ、それは衣裳!

ピエロのジョジョが、同じサーカス一座の少女エリのためにつくりだしたお話のなかで、ジョジョ扮するジョアン王子の色とりどりな「明日の国」に登場するような、王冠をつくりました。

講師は『サーカス物語』衣裳デザインの駒井友美子(SPAC創作・技術部)。
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まず、いくつか用意された型紙のとおり、ダンボールを切りぬいていきます。
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実は「明日の国」のシーンでは、実際にダンボールでつくられた美術や衣裳が登場します。
それはまた、ゆっくりご紹介しますね。

さて、ダンボールで組み立てた王冠に、飾りをつけていきます。
お父さんお母さんもいっしょに、色紙やフェルト生地をさまざまな形に切ったり、キラキラしたビーズやスパンコールで飾りつけ、それぞれの個性がみえてきました!
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男の子はなんだか強そうに、小さなお姫様の王冠や、とても立派な星がついたもの、なかには「お魚」がついた王冠まで。その様子を見ていると手を動かしたくなり、遊びにきた少女エリ役の布施安寿香も一緒につくりはじめました。
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ほんとに個性豊かな王冠が出来上がりました。
劇中でも「明日の国」について、「とりわけ住人達は自由な心の持ち主だ。思い思いのことに励みながら、他人を煩わすこともない。人々はそれぞれに芸術家だ。自由の本質を知るために一生懸命遊んでいるよ。」とあるように、自由な発想で、想像をふくらましながら一生懸命つくった芸術的な“王冠”で、皆さんもすっかり「明日の国」の王子様、王女様です。
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続いて、午後は『サーカス物語』おためし劇場です。
おためし劇場のレポートはこちらからどうぞ。

★★★公演情報はこちら★★★★★
SPAC秋→春のシーズン2016 ♯3
『サーカス物語』
一般公演:12月3日(土)、10日(土)、18日(日)、23日(金・祝)
演出: ユディ・タジュディン (俳優・スタッフ一同の構想に基づく)
作: ミヒャエル・エンデ
訳: 矢川澄子 (岩波書店刊『サーカス物語』より)
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
★★★★★★★★★★★★★★★


2016年11月19日

『高き彼物』出演俳優トーク

◆中高生鑑賞事業「SPACeSHIPげきとも!」 パンフレット連動企画◆

中高生鑑賞事業公演では、中高生向けの公演パンフレットをみなさんにお渡ししています。
パンフレット裏表紙の俳優トークのロングバージョンを連動企画として、ブログに掲載します。

<リアルな芝居を目指して>

左・野村市恵役 本多麻紀(ほんだ・まき)
2007年よりSPAC参加

右・猪原正義役 渡辺敬彦(わたなべ・たかひこ)
2010年よりSPAC参加

―『高き彼物』は、8月下旬に第1期の稽古がありましたが、そこではどのようなことをしたんでしょうか。
本多(以下H) 演出の古舘さんからは、『高き彼物』ではリアルということを大事にしますというお話があり、古舘さんがアメリカの演劇学校で学ばれた「メソッド演技」という方法をみんなで共有するところから始まりました。講義があり、実際に身体を動かして試すエクササイズにも、かなりの時間があてられました。

―それは、今まで SPACでされていたこととは違いますか?
 古舘さんのお話を聞いて自分の中で解釈すると、これまで芸術総監督の宮城さんや、海外からいらした演出家の作品の稽古で言われていたことと、表面的には違うように見えても、最終的にはつながる部分があるなと思いました。
渡辺(以下W) 古舘さんは、リアリズムの芝居について、「日常の現実の常態を舞台に立ち上げることができれば、それだけですごいこと。それはすごく面白くて、ずっと観ていられる」とおっしゃっていて、1期の稽古では、そういうリアルをどうやって舞台上で作り出すのかを、ひたすら試行錯誤しました。とはいえ、舞台はお客さんに見せる作業だから、隠しカメラでどこかのお茶の間を撮って、そのまま見せるというようなわけにはいかない。もっと凝縮して作品にしなきゃいけない。そこがまた難しいところでもあるんだけれど。
 リアルを求める古舘さんの言っていることは特別なことでないし、他のいろんな演出家が言っていることも、特別ではなくて、それはどこかでつながっていると思う。僕がいつも思うのは、ボリュームをどうするかなんですよ。
 どんな芝居もやっていることは基本的には同じで、どんなにリアルな芝居も演技の様式的なものを全否定するないわけではないし、様式性で作られた舞台もリアルなものを全否定しているわけではない。だから、俳優はいろいろな演技の引き出しをもっているけれども、そのいろいろなツマミのボリュームを調整して、どこでバランスをとるかという問題だと思うんです。一流の俳優は、みんな「自分はこのボリュームが好き」という好みはあっても、それとは別にその都度作品や演出家が求めるところに、自分の演技のボリュームを合わせる能力を持っているんじゃないのかな。
 具体的にはどんなボリューム?
 リアルなボリューム。ひたすらリアル、でも作らない。といっても、作る。
 そう、だからそのさじ加減がむずかしいなって(笑)

―具体的には、古舘さんからはどのような指示が出されたんですか。
 よく言われたのは、「普段の自分がどうしているか」や「もっと普通に」ということでした。例えば「この場所のこういうところに、こういうモノがあって、それがこうなって…」という話を、セリフとして言おうとすると、言葉ばかりが立っちゃって、描写されている情景があまり見えてこないことがあるんです。そういう時、古舘さんは「ちょっと雑談しましょう」と。そして、「今日あなたがお家を出てからここに来るまで、どういう道を通ってきましたか?」と質問する。すると俳優は「玄関を出て、右に曲がってエレベーターを降りて、駐車場に行くのにちょっとぐるっと回るんだけど…」みたいな自分の普段の話をする。すると、そこで描写されている情景は、不思議と聞いている人の頭に浮かんでくるんです。一旦、そういう話をさせた後に、古舘さんは「じゃあ、今の感じでセリフをしゃべってください」と稽古に戻る。こういう手段を経ると、普段の自分が自然に無意識にしていたことに、意識を向けさせられます。これまでとは違う筋肉を鍛えられている感じがして、面白かったですね。

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―今回この作品のためのオーディションで選ばれた、とみやまあゆみさんと石倉来輝さんは、初めてSPACの作品に出演しますね。
 敬彦さんは、お二人のこと、すごい褒めてましたね。
 SPACでずっとやっている俳優とは鍛えている筋肉が違うから、すごく新鮮な出会いになったと思います。違いますか?
 そうですね。もう、本当にうまいなあと思って。今回稽古をしている中で、自分もいろいろな障害にぶつかって、うまくいかないところがあるんですけど、お二人はさすがにオーディションで選ばれただけあって、障害の越え方が非常に軽やかだなあと思います。見ていてすごく勉強になりますね。

 僕も、これまでいろんな舞台に出て来たけれども、ここまでリアルな演技を求められるのは初めて。
 敬彦さんは、役を丁寧に作っていて、演じているというより、この人は素もこうなんじゃないかと思うくらいのフィット感がありますけど。
 うーん。そうかなあ?でも、台本を読んでいると、正義の体験したことと自分自身の体験で、バチンバチンと重なるところもあって、彼の発言や考え方全てに共感しているわけではないんだけれども、分かる気はする。それは、お互いの年齢が近いし、自分も歳をとったということかもしれない。でも、物語は1978年、55歳の正義は戦争を経験している。そこをどう捉えたらいいのかには、頭を抱えています。俺は戦争を経験せずに生きてきたから… たとえば、正義は何を思って英語教師になったのかを、戦争とか時代背景もからめて考えると、なかなか難しい。
 戦争中、英語は敵国の言葉でしたしね。

―本多さんは、ご自身が演じる野村市恵に共感する部分はありますか。
 話を聞いていてとるリアクションとかは割と近いところがありますね。たとえば、誰かが話すのを周りがじっと聞いているようなシーンで、「ああ、やっぱりここは母親ならではの視線でそこに意識がいくよね」とか。でも、全てが自分に近いわけではないんです。市恵は恋愛に関しては本当にストレートで迷いがない。正義のことがずっと好きで、15年も彼のことを想っているわけですけれども、その想いをああやってバシって言えちゃうのはすごいなと。

 お互い最終的にどれだけの説得力を持つことができるか、これからの稽古で挑戦していきたいね。

2016年9月20日 静岡芸術劇場にて

公演情報詳細はこちら。
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SPAC秋→春のシーズン2016 ♯2
『高き彼物』
一般公演:11月3日(木・祝)、5日(土)、13日(日)、19日(土)
演出:古舘寛治 作:マキノノゾミ 舞台美術デザイン:宮沢章夫
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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2016年11月15日

【『サーカス物語』稽古場ブログ#3】 通し稽古がはじまりました!

稽古がはじまって、あっという間に2週間がたちました。

先週、芸術総監督の宮城がプロデューサーを務めるAPAF(東京芸術祭 アジア舞台芸術人材育成部門)の国際共同制作ワークショップに参加されている日本を含む7カ国から集まったアーティストの皆さんが稽古見学にいらっしゃいました。
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稽古見学の後には、ユディさんによるトークが行われました。
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ユディさんが芸術監督を務めるテアトル・ガラシが設立された時のことや、ガラシの表現活動の背景にあるインドネシアの情勢とその変化、またどのようなプロセスで作品を作っているのかなど、映像を交えてお話しくださいました。

紹介のあった映像のなかには「Shizuoka春の芸術祭2010」にて静岡芸術劇場の2階カフェシンデレラで上演された『南十字☆路』(原題:Je.ja.l.an)も。

そして、今週からは通し稽古がはじまりました!途中止めることなく<プロローグからエピローグまで>です。
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通し稽古の後には必ず「何か感じたことや、意見はありますか?」というユディさんの一言があり、まだまだ話し合いは続けられています。
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さて、今週末は「おやこワークショップ」「おためし劇場」です!!

この作品の大きな見どころでもあるカラフルで見ているだけで楽しい衣裳。この「おやこワークショップ」では、ピエロのジョジョが少女エリのためにつむぎ出した、作り話に出てくる「明日の国」で、俳優たちが身につけている「王冠(かぶり物)」を作ります。

2013年の初演時に俳優たちがかぶっていたのも実はダンボールで出来ていたのです。
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☆おやこワークショップ~じぶんだけの王冠をつくってみよう
11/20(日)10:00~12:00 詳細はこちら

そして、「おためし劇場」。
いつもは劇場でご見学いただいていますが、今回は劇場のもっと奥深いところ、リハーサル室に皆様をご案内し稽古をご覧いただきます!稽古見学というより「稽古に参加している」と錯覚するくらい俳優たちとの距離も近いです。

☆SPACおためし劇場『サーカス物語』
11/20(日)13:00~15:00 詳細はこちら

まだまだ空きがございます、お気軽にご参加ください!

★★★公演情報はこちら★★★★★
SPAC秋→春のシーズン2016 ♯3
『サーカス物語』
一般公演:12月3日(土)、10日(土)、18日(日)、23日(金・祝)
演出: ユディ・タジュディン (俳優・スタッフ一同の構想に基づく)
作: ミヒャエル・エンデ
訳: 矢川澄子 (岩波書店刊『サーカス物語』より)
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
★★★★★★★★★★★★★★★


2016年11月10日

【『サーカス物語』稽古場ブログ#2】 一座の姿が見えてきた!

『サーカス物語』、稽古が始まって約10日が経ちました。
日々、朝いちばんから夕方まではユディさんとの稽古。
そのあとも俳優たちは全員で、細かいところの確認や
作品をより明瞭にするためのいろいろな試行を重ねています。
そして翌日にユディさんとまたディスカッションをしながらさらに練っていき…、と、
今回のメンバーがリハーサル室に初めて集まってから
まだ10日しか経っていないのが信じられないほど、濃い日々です。

昨日は、途中で止めながらではありますが
冒頭から第6景までを通してみることに。
(※物語全体は、第7景+エピローグ まで、です。)
もちろんまだまだ粗くはありますが、
今回のメンバーでの『サーカス物語』の姿が見えてきています。

…ユディさんの普段の表情がそのまま全体の雰囲気に反映されたかのように
あたたかさでいっぱいの“一座”です。

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チャーミングであたたかいからこそ、
とっても切ない瞬間があるわけなのですが。

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そのあたりはまたゆっくりご紹介したいと思います。
 
 
さてさて。
そんな素敵な一座に、
公演よりも少し早めに会いに来ていただける「おためし劇場」
11月20日に開催します。
残席僅かになっていますので、お申し込みはお早目にどうぞ。
☆おためし劇場 詳細はこちら

そして同日午前中には、おやこワークショップも開催。
『サーカス物語』の登場人物たちに負けないような、
自分だけの王冠をつくってみましょう♪
☆おやこワークショップ 詳細はこちら

ご参加お待ちしております!

★★★公演情報はこちら★★★★★
SPAC秋→春のシーズン2016 ♯3
『サーカス物語』
一般公演:12月3日(土)、10日(土)、18日(日)、23日(金・祝)
演出: ユディ・タジュディン (俳優・スタッフ一同の構想に基づく)
作: ミヒャエル・エンデ
訳: 矢川澄子 (岩波書店刊『サーカス物語』より)
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
★★★★★★★★★★★★★★★


2016年11月8日

【『高き彼物(かのもの)』への道 11歩目】 開幕!

SPAC秋→春のシーズン2016-2017#2『高き彼物』、遂に幕を開けました!
ネットにはすでに大変多くの感想があげられており、好評いただいております。
http://togetter.com/li/1044917
ありがとうございます!

今日は、多くの方々の共感と感動を呼んだ「猪原家をとりまく人々」をご紹介いたします。



猪原家の主、様々な葛藤を抱えながら生きる元高校教師・猪原正義



猪原家を支える元気印、一人娘の猪原智子


いつでもマイペースなおじいちゃん・猪原平八



真面目でまっすぐ、でもちょっと不器用な先生・野村市恵
正義を教師として尊敬し、たびたび猪原家を訪れている。



悩み多き十八歳、東京から来た少年・藤井秀一
正義を「先生」と慕い、猪原家でしばらく過ごすことに。


ご近所のおまわりさん、不器用な感じが憎めない正義の元教え子・徳永光太郎


真面目で爽やかな好青年?片山仁志

お客さまからいただいたアンケートの一部もご紹介させていただきます。

・シリアスなところに被さるようにしてコミカルなシーンがあってずっと
みいってしまいました。最後、「高き彼物」というタイトルが心にしみました。(20代・女性)

・展開が激しくて、泣きながら笑いました。舞台と自分が一対一になれる、
そんな舞台でした。(30代・男性)

・シンプルな舞台セットでしたが、色々想像できてよかったです。
木の香りがする舞台も新鮮でした。(50代・男性)

・先生は、大人は、人間は、正しくなくてはいけないのか?間違いを認め向き合っていくことの大切さ、
またしっかり向き合っていこうと思える素晴らしい芝居でした。(40代・男性)

・まさに「人生を目撃」しました。こんなに心が震えたのは久しぶりです。(50代・女性)

まだ携帯電話も無かった時代、田舎の雑貨屋・猪原商店の茶の間で、繰り広げられる人間模様。
彼らの一挙手一投足の、何処かに共感できる何かを見つけられるはず。

さあ、舞台はまだ始まったばかりです。
静岡芸術劇場へ、彼らに会いに来てください!

【一般公演】
 11月13日(日)16:00開演
  ※話題の映画『淵に立つ』監督・深田晃司さんとのアーティストトークあり!
 11月19日(土)14:00開演
  ※気になる舞台裏をスタッフが解説、バックステージツアーあり!

【平日の中高生鑑賞事業「SPACeSHIPげきとも!」】
 http://spac.or.jp/news/?p=12594
 ※一部チラシとは開演時間が異なっていますので、こちらでお確かめください。

公演情報詳細はこちら。
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SPAC秋→春のシーズン2016 ♯2
『高き彼物』
一般公演:11月3日(木・祝)、5日(土)、13日(日)、19日(土)
演出:古舘寛治 作:マキノノゾミ 舞台美術デザイン:宮沢章夫
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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2016年11月3日

【『サーカス物語』稽古場ブログ#1】稽古開始!

11月1日より、『サーカス物語』の稽古がはじまりました!
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2013年に初演した『サーカス物語』、今回は新しいキャストを迎えて待望の再演です。

静岡芸術劇場リハーサル室には、初演時に登場したあの丸いステージが組まれ、サーカス一座のワゴンなどなど、懐かしいモノたちが3年ぶりに戻ってきました。

そして、演出のユディ・タジュディンさんと、音楽のイェヌー・アリエンドラさんのお2人は稽古にあわせてインドネシアより来日、稽古初日には初演時の出演者やスタッフと3年ぶりの再会を喜んでいました。
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また、新しいキャストやスタッフの参加も温かく歓迎してくださいました。

稽古初日の顔合わせ。出演者・スタッフが集まってスケジュール確認などの業務連絡はもちろんですが、この作品を再演するにあたり、「どのような作品にしていきたいか」「初演時の『サーカス物語』の映像を観たり、台本を読んだりしたとき、どう感じたか?」などなど、早速、ディスカッションがはじまりました。

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ユディさんの初演時の演出意図やプロセスなども共有し、目指すべき先をあらためて全員で見つめ直し、一丸となって再び『サーカス物語』に挑んでいきます。
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ユディさんは、出演者やスタッフとディスカッションを重ねて作品をつくりだしていくので、初演から3年がたち、新しいキャスト・スタッフを迎えた今回の『サーカス物語』が初日までの約1ヶ月の間にどのように生まれ変わるのか、今からとても楽しみです!

★★★公演情報はこちら★★★★★
SPAC秋→春のシーズン2016 ♯3
『サーカス物語』
一般公演:12月3日(土)、10日(土)、18日(日)、23日(金・祝)
演出: ユディ・タジュディン (俳優・スタッフ一同の構想に基づく)
作: ミヒャエル・エンデ
訳: 矢川澄子 (岩波書店刊『サーカス物語』より)
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
★★★★★★★★★★★★★★★


2016年11月1日

『高き彼物(かのもの)』への道 10歩目】出演者インタビュー第7弾・吉植荘一郎

『高き彼物』出演者インタビュー、最後の7人目は、猪原平八役の吉植荘一郎さんです。
多くは語らないけれど存在感のあるお爺さんを演じるのは、おしゃべり好きな吉植さん。インタビューでも様々な小話が飛び出しました。
(収録は第一期稽古期間〔8月〕に行いました。)

–猪原平八という人物について教えてください。

普通のお爺さんです。お店に誰もいなければ「まいどー」とかやるかもしれませんが、農作業をやって、煙草を吸って、ビールを飲んでるようなお爺さんです。
背景はいくらでも考えられますね。この人は明治28年の生まれで、(息子の)正義が生まれたのは大正12年です。この年は関東大震災の年でしたし、正義は戦争の時代に育ったことになります。震災によって起こった様々な出来事を見て、「せいぎ」とも読める正義という名前を付けたのかなぁなんて思いました。それに、ああいう田舎町で自分は農業をしていて、息子を大学にやるっていうのはいろんな考えがあったんじゃないかと思います。

–いろいろなことを考えながら役作りをされているのですね。

まだまだこれからです。(今の話は)背景であって表には出て来ませんし。平八は周りから見てるとなんだかわからないけど、偏ったところのない人間だと思います。

–猪原家を見守ってきた立場からして、正義は息子として何点でしょうか?

そうですねぇ……63点ですかね。教師という職に就いて、妻子をもち、けっこう出来た息子だとは思うんですけど、退職後はやっぱりどうもいまひとつ頼りないんですよね。
現役時代には、教師を天職だと思って生徒と向き合っていたようで、まぁみんなから慕われているのを見るといい先生だったのだろうなと思います。しかしある事件をきっかけに教師を辞めることになったのですが、その過去をずっと引きずって、家で「はぁ~」とかなんとか言ってるのを15年間見ているので、どこか少し弱いところがあるんだなと。基本的には「お前しっかりしろよ」って思ってるだろうし。
平八は、孫の智子が抱える恋愛問題にも、正義よりも先に気付いて、気にかけています。嫁として家を出ていってしまったら、家に残るのは平八と正義の年寄り二人だけですから。そんなこともあり、63点くらいでしょうか。

–これまで色々な演出家の作品に出演されてきましたが、古舘さんの演劇の作り方はいかがですか?

そんなに多くの演出家のことは知らないんですけど、古舘さんもまた独特な考えですね。役者がハプニングなど実際に起こることに反応する姿がいいっていう。私はこれまで強靭な様式性を持った演劇しか知らず、ここ5年くらいでリアリズムとは何か、あるいは力まない演劇とは何かを考えている演出家の作品に出演する機会がありまして、今回は必然的な出会いだった気がします。

–稽古はいかがでしょうか?

(クロード・)レジさん演出の『室内』(2013年初演)と通じていると思うことがあります。古舘さんから「吉植さん、あなた音を聞いてないでしょ、聞いてほしいんです」と言われたときに、レジさんから「荘一郎、君は素晴らしい共演者がいっぱいここにいるのに、それを見ずに自分のイメージだけで喋っている」ってよく言われたことを思い出しました。
この作品は日常の生活を描いているので、「演技をしてません、っていう演技」ではなく「この人なんもしないね」って見えるようになればと思います。ただ、私は88歳という今の自分とかけ離れた年齢の役をやるので、がけっぷちですね。それに古舘さんから「老人ぽく痩せてくださいね」って言われてますから、期待に応えてなんとか痩せたいとは思っています。

–遠州弁はなんとかなりそうですか?

川根に行って地元のおっちゃんたちの言葉を聞いたときに、まさにこれだよこれって感じました。私は構えてしまって固い言い方をしているなと思いますので、もうこれからやり込むしかありません。

–ありがとうございました。

公演情報はこちら。
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SPAC秋→春のシーズン2016 ♯2
『高き彼物』
一般公演:11月3日(木・祝)、5日(土)、13日(日)、19日(土)
演出:古舘寛治 作:マキノノゾミ 舞台美術デザイン:宮沢章夫
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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2016年10月30日

『高き彼物(かのもの)』への道 9歩目】出演者インタビュー第6弾・本多麻紀

『高き彼物』出演者インタビューの6人目は、野村市恵役の本多麻紀さんです。
とても真面目で熱い気持ちも持っている野村市恵を演じる本多さん。今回の演技について伺っていると、本多さんからも役に通じる真剣な様子が見えました。
(収録は第一期稽古期間〔8月〕に行いました。)

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–本多さんが演じられる野村市恵についてお聞かせください。

本多:袋井の中学校で国語の教師をしていて、10歳の息子がいるシングルマザーです。以前に猪原(正義)先生と同じ高校で教えていた縁で、猪原先生とそのご家族とお付き合いしています。

–本多さんから見た野村市恵の印象はいかがでしょうか。

本多:冗談の通じない真面目な人という描写があるなど、いかにも中学校の国語教師といった雰囲気ですが、時々イメージを裏切るような行動をとることもあって。読み返すたびに発見がある、けっこう振れ幅の大きい役だなと思いました。
戦後に少女時代をすごし、結婚して割とすぐに離婚して息子を育て、苦労してきただろうなぁと思います。市恵は猪原先生のどういうところに惹かれたのかという事を考えているのですが、(猪原先生の)何かのモノサシで人を見るのではなく、その人自身をちゃんと見よう、その上でちゃんと向かい合おうとする情熱的なところかなと。それって言葉では簡単ですけど、実際にそういう人はなかなかいなくて、市恵もそうなりたいけど難しいと悩んでいます。市恵は、猪原先生はそれを実現している人だと思っています。そんな人はたしかに素敵ですよね。

–本多さんは猪原家をどんな風に見ますか。

本多:正義も平八(正義の父親)も智子(正義の娘)も直接口にしないこともありますが、ふとした瞬間のさりげない思いやりをみせるのでグッときます。例えば電話が鳴っているのに近くにいる平八が電話に出ず、智子に出させるシーンがあります。「それくらいしてあげればいいのに融通が効かない頑固なじいさんだなぁ」なんて思いましたが、平八はその電話には智子が出た方がいいだろうと思っていたから出なかったんですよね。「なんだ、平八は実はいいやつじゃん」って。そういう家族ならではのやさしさは美しいですよね。

–そういった人物を作っていく稽古、古舘さんの稽古はどのように進んでいますか。

本多:この『高き彼物』は、(SPACで上演する)宮城の演出作品ではあまり扱わない現代戯曲です。古舘さんご自身も現代口語演劇の方というイメージが強く、それらをあまりやったことがない私に出来るのだろうかという苦手意識がありました。
でも、稽古で何度かワークショップをしたりお話を伺ったりしているうちに、普段自分が戯曲や役に向かい合っていることと根っこは同じなんだなと感じました。それからは少し肩の荷がおりました。
ただ、突き詰めるポイントの違いはあって、そこはすごく面白いです。日常で無意識にしている動きや話し方に意識的になりました。例えば、驚く時にどういう意識の流れで、どの瞬間にどういう動きをして、どのポイントで驚くのかということを考えます。声や動きなどのリアクションが入る細かいポイントを発見していくのが新鮮でおもしろいです。これはこの先、芝居を続けていく上で大切なことだと思います。
いざそれをやろうとすると、難しくてなかなかできないんですけどね。

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–お話を伝える上で、そうした演技のディティールなどが大切になりそうですね。それでは、『高き彼物』というお話に抱いた印象や伝えたいことがありましたらお聞かせください。

本多:どの登場人物も時として愚かで誤った選択をしてしまい、誰かを傷つけることがありますが、そこで苦しみ懸命にもがく姿こそそれぞれの人物の「高き彼物」の切望であり、人間ってしょうがないな、尊いなといったところにつながっている気がします。台本の最初に書いてある人間賛歌はこういうことなのかなと。それは時代が変わってもあることですし、伝わるといいですね。

–「演技」をせずに自分でいてください、と稽古で古舘さんはおっしゃっていますが、自分ではしないことも芝居では行いますよね。そういう時は、役者としてはどのような状態なのでしょうか。

本多:例えば今やっているリーディング(第一期稽古で行いました)は、先のことを考えずに1つ1つの台詞をその時の相手の反応を見ながら進めるというものです。台本の流れをよく知らないまま進んでいくので、途中でその人物が自分の思いもよらない選択をすることがあります。そういう内心「それはない!」と思うこともたまにありますが、今はその気持ちに嘘はつかずに「ないわ~」っていう身体性に乗せて、その選択をするということをしています。
これは相手役から発せられた台詞によって初めて生まれる感情もあるので、1人で台詞を考えているだけでは思いつかないことです。だから稽古は面白いですね。
古舘さんの理想とする”真のリアリズム”、舞台上の人物みんなが、客観的リアルではなく主観的リアルでいる状態というのはとっても難しいし、私も観たことがないけれど、その壮大なチャレンジをさせていただけることはやりがいもあり、とっても嬉しいと思っています。

–ありがとうございました。

公演情報はこちら。
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SPAC秋→春のシーズン2016 ♯2
『高き彼物』
一般公演:11月3日(木・祝)、5日(土)、13日(日)、19日(土)
演出:古舘寛治 作:マキノノゾミ 舞台美術デザイン:宮沢章夫
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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2016年10月19日

『高き彼物(かのもの)』への道 8歩目】出演者インタビュー第5弾・若菜大輔

『高き彼物』出演者インタビューの5人目は、片山仁志役の若菜大輔さんです。
片山仁志はこの物語のキーパーソンになる人物です。インタビューでは、そんな役に真摯に向き合う俳優の姿が見えてきました。(収録は第一期稽古最終日2016年8月31日に行いました。)

–若菜さんが演じる片山仁志というのはどういう人物でしょうか?

戦後に生まれ、パチンコ屋を営む両親のもとで育った33才の男性です。
本人がどう感じるか分りませんが、名前のとおり志の高い人間だと僕は思います。
そして、ちゃんと地に足をつけて、もしくはつけようとして、生きていこうとする強さをもった人だと感じます。

–第一期稽古が終わったばかりですが、片山をどのように演じたいというような思いはありますか?

“地に足つけて生きることへの強さ”と言いましたが、言うだけならば簡単で、血管に血が流れる生々しさのところで実践するとなると、きれいなことだけではないし、想像もつかないほど生半可なことではないと思います。それを片山が持っているのであれば、何とかして向き合わなければいけないと思っています。

–古舘さんの稽古はいかがですか?

第一線で活躍されている表現者の考えに触れさせてもらうことは、自分の至らなさを感じるばかりです。表現に対する捉え方に曖昧なところがなく具体的です。これまで自分が演技と向き合ってきた中で何となく感じていたことを名付けてもらっている感覚が何度もありました。揺るがない表現に対する思いや考えを中心に据えた稽古場です。

–『高き彼物』という戯曲からはどういう印象を受けましたか?

きれいな面だけではない、だからこそ、“高き彼物”へと向えるのだと思うのですが、必死でもがくある種の美しさを持つ人間が集まっている、とてつもなく大変な作品だと感じます。

–ありがとうございました。

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『高き彼物』
一般公演:11月3日(木・祝)、5日(土)、13日(日)、19日(土)
演出:古舘寛治 作:マキノノゾミ 舞台美術デザイン:宮沢章夫
静岡芸術劇場
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