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2019年3月27日

『マダム・ボルジア』ブログ2 〜講演会レポート〜

こんにちは。制作部の宮川です。

「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」の開幕まで、あと5週間となりました。
3月15日から静岡芸術劇場内のリハーサル室では『マダム・ボルジア』の稽古が始まり、日々白熱したクリエーションが行われています!

稽古開始に先立つ3月9日(土)、〈イタリア・知識のサロン〉主催の公開講座「魅惑のSPAC新作野外劇『マダム・ボルジア』を楽しむための先行解説と文化講演」が行われました。
第2回目のブログでは公開講座の模様をお届けします♪

この日、受付前には「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」公式ポスターと『マダム・ボルジア』のメインビジュアルを飾って、皆さまをお迎えしました。
おかげ様で会場は満員御礼。

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公開講座が始まる前に30分ほどお時間を頂戴し、芸術総監督の宮城と芸術局長の成島が今年の演劇祭の上演作品や見どころを皆さまに紹介しました!

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上演作品を紹介したショートクリップを流した後、宮城がこれらの作品を招聘するに至った経緯や作品の概要を説明。
中でも宮城が熱く語ったのは、『歓喜の詩(うた)』で来日するイタリアの演出家、ピッポ・デルボーノさんについて。
ピッポさんの生い立ちや、彼が率いるカンパニーメンバーとの出会いや別れ、そしてこの『歓喜の詩』がピッポさんにとっても、メンバーにとっても集大成の作品になることなどをお話しました。

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「これは見逃せない演劇祭になりそうだ!!」と、会場は熱気と期待に包まれました。

演劇祭のラインナップ紹介のあとは、いよいよ公開講座がスタート!
第1部は宮城による「ヴィクトル・ユゴー原作『ルクレツィア・ボルジア』の魅力」、第2部は静岡県立大学名誉教授の立田洋司氏による「イタリアルネサンス期を駆け抜けたボルジア家とは」と題した、豪華な二部構成の解説講座でした。

ところで。
『マダム・ボルジア』とはいったいどのような物語なのでしょう?

『マダム・ボルジア』は、『レ・ミゼラブル』の作者としても有名なヴィクトル・ユゴーが書いた『ルクレツィア・ボルジア』という戯曲が原作です。
主人公のルクレツィア・ボルジアは、ルネサンス期のイタリアに実在した人物で、稀代の悪女として知られています。ローマ法王・アレッサンドロ6世を父に、そしてイタリア全土統一をもくろみヨーロッパ中を恐怖の渦に陥れたチェーザレ・ボルジアを兄に持ち、自身は類稀なる美貌の持ち主でした。男たちの陰謀、嫉妬…渦巻く憎悪に翻弄されながらも、激動の時代を生き抜いた女性として語られています。

日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、ヨーロッパではドニゼッティ作曲のオペラとしても人気のある作品だそうです。

それを今回SPACでは!!
宮城が物語の世界観を織田信長が生きた戦国時代後期の風俗や衣裳を重ねて、祝祭音楽が彩る痛快歴史スペクタクルとして立ち上げます!

公開講座の第1部では、宮城が自ら作品のあらすじや見どころを、本作出演のSPAC俳優・阿部一徳の朗読を交えて解説しました。

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宮城の解説のあとに阿部の朗読が続くことよって、臨場感溢れる作品の一場面が表現されました!

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第2部では、「イタリアルネサンス期を駆け抜けたボルジア家とは」と題して、静岡県立大学の立田洋司先生が悪名高い名家ボルジアについて、時代の特徴や社会背景を紐解きながら、細やかに解説しました。ボルジア家は頂点に君臨した期間は短かったものの、圧倒的な行動力と突出した存在感で歴史に名を刻んでいったそうです。

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スライドを巧みに使った分かりやすい解説と軽妙な話術で、会場からは時折「へえー!」と納得の声が所々からあがりました。

講演後、聴講した方からは「作品を見る前にこのような解説があると観劇の際の助けになるし、より期待が膨らみます!」といった声をいただき、お客様はもちろん私たちスタッフにとっても、とても有意義で豊かな時間になりました。

ご参加の皆様、またこのような貴重な機会をくださったイタリア知識サロンの皆様、本当にありがとうございました!
宮城×SPACの新作野外劇『マダム・ボルジア』。
皆さま、ぜひ楽しみに待っていてください!
SNSもどんどんアップしていく予定ですので、覗いていただけたら嬉しいです♪
SPAC Twitter / Facebook / Instagram

また、駿府城公園での野外作品のチケットは、ありがたいことに毎年完売御礼を頂いていますので、早めのご予約をオススメします!!
ぜひお見逃しなく!!

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『マダム・ボルジア』
構成・演出:宮城聰
作:ヴィクトル・ユゴー
訳・翻案:芳野まい
音楽:棚川寛子
振付:太田垣悠
出演:SPAC

公演日時=5月2日(木・休)、3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)各日18:45開演
会場=駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
上演時間=未定(120分以内) ※日本語上演/英語字幕
*詳細はコチラ
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2019年3月21日

『マダム・ボルジア』ブログ1 〜メインビジュアルができるまで〜

こんにちは。制作部の雪岡です。

第1回目のブログでは、
SPAC新作野外劇『マダム・ボルジア』のメインビジュアルが出来上がるまで、
1月某日に行われた撮影現場レポートをお届けします!

当初、宮城によって打ち出されたビジュアルのコンセプトは、
「イタリア バロック期の画家・カラバッジョが描いた、陰影のある人物画のようなイメージ」でした。

というのも、この作品は「悪女が主役のお芝居」。
顔に光と陰を作ることで、悪女のイメージを押し出すことにしました。

さらに、演劇祭のフェスティバル感、野外劇のスペクタクル感、新作の期待感も添えるべく、
タイトルロールのルクレツィア・ボルジアにはお花をもっていただくことに。

ルクレツィアが生きたルネサンス期、群雄が割拠し、
権力闘争から人を殺めることも頻繁に起こった時代の「猥雑さ」や「栄枯盛衰」
といったイメージを喚起するようなフラワーアレンジにしては?というアイデアに辿り着きました。

そこで今回フラワーアレンジを依頼したのが、
静岡市葵区人宿町SOZOSYAキネマ館1Fにあるお花屋・TEN ROSEs (テンローズ)代表の河西和也さん。
撮影当日、みずみずしい生花に加えて、萎れたもの、枯れたもの、
いびつな形状のものを持ってきていただき、現場で花かご作りがスタート。

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さっそく、茎や葉がカットされ、土台が大胆に作られていきます。
河西さんは花屋で働きながら、ほとんど独学で生け花の知識と技術を習得されてきたそうです。
 
 
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ここで、ひと呼吸。「何か考えてるんですか?」と尋ねたら、
「栄枯盛衰・・・」と一言もらし、しばらく吟味。
 
 
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花びらを手でちぎったり、欠けたお花を混ぜる工夫も。
 
 
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ものの30〜40分で出来上がりました。
 
 
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ここで一度、写真家の加藤孝さんに、実際にカメラで撮ったときの写りぐあい、
色味などのチェックとアドバイスをいただき、その場で少しお花を差し替えて、完成!!
 
 
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と思ったら、そこからさらに、
撮影用のライトをあえて近くから当てて全体をなじませていくという技も。
 
 
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しばらくすると、でれーんと垂れ、花同士のちょっとした隙間が埋まっていき、
不思議と調和していきました。
 
 
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こちらは舞台芸術公園産の枯れたり、虫喰いのある草花。
撮影は一発勝負ということで、万全を期して、スタンバイさせておきましたが、
残念ながらフラワーアレンジメントでの出番はありませんでした!
押収された毒草のようで、撮影現場の雰囲気作りに貢献しました。

“毒”といえば、ボルジア家は”毒使い”としても知られ、即効性のあるものから
週・月単位でじわじわと身体を蝕んでいくタイプのものまで、
巧みに使い分け、暗殺などに用いられていたそうです。
ヴィクトル・ユゴーの原作『ルクレツィア・ボルジア』でも、この”毒”は
ルクレツィアと周りの人々の運命を狂わせてくアイテムとして登場しています。
 
 
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さて、衣裳・ヘアメイクの準備も整い、いよいよ撮影がスタート!
 
 
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プレーンな表情、凛とした表情、高飛車な表情、儚げな表情など、
カメラマンの加藤さんによって次々と撮られていき、写真を隣のパソコンで確認。
 
 
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撮り進めながら、構成・演出の宮城による最終チェックと微調整も。
そして、各分野のプロの技が結集し、出来上がった1枚がこちら!
 
 
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トレーラーも公開です!


 
 
どのような舞台に仕上がっていくのか、どうぞお楽しみに!
 
 
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『マダム・ボルジア』
構成・演出:宮城聰
作:ヴィクトル・ユゴー
訳・翻案:芳野まい
音楽:棚川寛子
振付:太田垣悠
出演:SPAC

公演日時=5月2日(木・休)、3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)各日18:45開演
会場=駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
上演時間=未定(120分以内) ※日本語上演/英語字幕
*詳細はコチラ
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2019年3月14日

SPAC初!!『ふたりの女』多言語リーディング・カフェ 開催レポート☆

SPACの人気企画、「リーディング・カフェ」。
SPAC俳優による作品解説を聞きながら、お茶を片手に演劇の台本を声に出して読んでみる、という企画ですが、それをなんと今回は!
SPAC初のチャレンジとして “多言語” で開催しましたヽ(^o^)丿
今日は2月27日(水)に行われた第1回目の模様をレポートします♪

この日読んだのは、日本の現代演劇を代表する劇作家・唐十郎の名作 『ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む』。この戯曲は、『源氏物語』の光源氏と妻・葵上、生霊となった六条御息所の三角関係に、狂気と正気の境界を描くチェーホフの『六号室』を巧みに織り込んだ傑作です。

今回はその戯曲を日本語、英語、中国語、ベトナム語、モンゴル語の5カ国語で読む、という試みでした。

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さて、本企画。
どんな方が集まるか??と期待と不安が入り交じる中…
当日を迎えてみると、なんと16名の方々が集まってくださいました!

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う~ん、多国籍!!
日本人はもちろん、中国、ベトナム、モンゴル、インドネシア、ブラジル、そしてパプア・ニューギニアの方まで7カ国の方々がカフェ・シンデレラに集結し、さっそく自己紹介からスタート♪

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今回のナビゲーターは、俳優の奥野晃士さん。
『ふたりの女』には是光役で出演されていますよ♪

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奥野さんのリードでなごやかに、そして時に笑いも交えながら、良い雰囲気で自己紹介を終えると、みなさんお待ちかねの台本読みの時間です!
最初は各言語ごとに読んでいきました。

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モンゴル語など、なかなかじっくりと聞いたことのない言語もあったりで、皆で聞き入ってしまったり…

本読みの途中では、奥野さんから台本が描かれた当時の時代背景の解説があり、台本の内容と照らし合わせながら、読み深めました。
(この本では学生運動の熱気や興奮が描かれており、実際に当時を体験されたという参加者の方もいらっしゃいました。 )
また、出演俳優ならではの初演時の稽古エピソードなども交えながら、どんどん読み進めていきます!

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終盤には「自分が担当する役は、母国語で読む」という画期的な方法で挑戦しました!!
1つのシーンを日本語→ベトナム語→英語→モンゴル語→日本語……と様々な言語で語っていく様子がみられました^^
言葉はわからなくても、何となく通じ合っているかのような不思議な体験を味わっていただきました。

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初開催となった「多言語リーディング・カフェ」はとても素敵なひと時になりました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました♪
今後も開催していきたいと思っています!ぜひ、ご期待ください^^

また、3月26日にはタリーズコーヒー 富士市中央公園店にて日本語のみのリーディング・カフェを行います♪
まだご予約可能ですので、ご興味のある方はぜひご参加ください!詳細はこちら

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今回読んだ『ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む』は、ゴールデンウィークに開催する「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」にて待望の再々演となります!
もちろん今回ナビゲーターを務めた奥野さんも出演いたします♪
野外劇場での迫力ある演技をぜひご体感ください!!人気作品ですので御予約はお早めに!

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『ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む』
演出:宮城聰 作:唐十郎
公演日時:4/27(土)18:00、4/28(日)18:00
会場:舞台芸術公園 野外劇場「有度」
上演時間:80分(日本語上演/英語字幕)
座席:全席自由
詳細はこちらのページをご覧ください↓
http://festival-shizuoka.jp/program/two-ladies/

2019年3月11日

妖怪ブログ#9~気になる!あの妖怪たち~

いよいよ、明日の中高生鑑賞事業公演で大千穐楽を迎える『妖怪の国の与太郎』。

劇中に登場するキャラクターは、なんと70体以上!衣裳は80着以上!!と
9名の出演俳優たちの七変化も見どころの本作ですが、今回は一瞬しか出てこなかったけど、気になる!
という妖怪をほんの一部ですがご紹介しま~~す。

まずは、大きな舌と柔軟な身体で観る者を驚かす、垢なめ♪
お風呂掃除しないと出てくるよ~
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次は・・・
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雨女です・・・彼女??が泣くと雨が降るそうです。

こちらは、とかとんとん!
彼が杭を打つトカトント~ンという音が聞こえる人には痛みが走るとか。
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出た!砂かけ婆!!なんで怒ってるんだろう・・・?
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お花柄の前掛けが可愛らしい?子泣き爺。いつも犬にお尻噛まれちゃいます。
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続いては、中高生に人気だった、逃げ足!う、浮いてる?!
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こちらは、花の女王??と花の精たち。妖艶な舞で、与太郎を誘惑します。
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最後に、おさげ髪がお似合いのヴィーナス★ な、なんで??
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ま、そんなことは気にせず、みんなで陽気に歌いましょう♪
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お越しくださった皆様、応援、温かい手拍子、本当にありがとうございました!

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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #4
妖怪の国の与太郎
演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ
台本・翻案・ドラマツルギー:ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同
翻訳:平野暁人
音楽:ジャン=リュック・テルミナリアス、棚川寛子
*詳細はコチラ

2019年3月9日

妖怪ブログ#8~ん?コレは妖怪??な人々~

いよいよ明日、一般公演最終日を迎える『妖怪の国の与太郎』。

これまで主な登場人物&妖怪たちをご紹介してまいりましたが、今回は劇中でとてつもないインパクトを放ちつつも、よくよく考えれば「コレは妖怪なのか??」という“妖怪の国”の住人をピックアップ★

まずは何といっても、この人たち!
死神エルメスが暇つぶしで開業したカラオケ屋さんに集まる・・・
カラオケ好きのおねぇさま達で~~~す!
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右から、みー子さん、荘子さん、きじ子さん、そして琴子さん。

一曲目は、みー子さんのエネルギッシュなナンバーからはじまり・・・
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そして、荘子さんと琴子さんの心温まる、感動的なデュエット曲♪
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最後は、きじ子さんの命を懸けた十八番に与太郎も加わって、みんなで楽しく歌いはじめます。
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続いては・・・平日の中高生鑑賞事業公演でもテッパン!
はらぺこの与太郎が出会う新聞紙?に身を包んだこの人たち、実は“精霊”なのです。
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ここで与太郎は、自分が死んでしまった「驚愕の理由」を知るのですが・・・
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何の精霊なのかは、みなさんのご想像にお任せしま~す!
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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #4
妖怪の国の与太郎
2019年3月10日(日)14:00開演
会場:静岡芸術劇場

演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ
台本・翻案・ドラマツルギー:ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同
翻訳:平野暁人
音楽:ジャン=リュック・テルミナリアス、棚川寛子
*詳細はコチラ

2019年3月5日

妖怪ブログ#7~イケイケだけど、友情に厚い河童たち~

2/15のげきとも公演で幕開けとなった『妖怪の国の与太郎』もラストスパート!
与太郎と妖怪たちとの旅も少しずつゴールが見えてまいりました。

さて、今回はみなさんも馴染み深い、妖怪の代表格・河童をご紹介します♪
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“妖怪の国”の案内人・死神エルメスが暇つぶしに河童を集めて相撲大会を開くのですが、エルメスのひと声で、
♪カッパ、カッパ、カッパラッパ~ カッパ、カッパ、カッパラッパ~♪
と、ノリノリでイケイケな音楽とともに飛び出してくるのは、一見ガラの悪そうなラッパーの河童たち。
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ちなみに「お皿の上には、かっぱ巻き」がのっているらしいのですが、「ワサビは抜いてよ!食べれない!」んだそうです笑。ちょっと可愛らしい一面もあるのですね。

さてさて、そんな河童の相撲大会に迷い込んでしまった主人公・与太郎は、ヤンチャな河童たちに絡まれて・・・
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あれよあれよと相撲で対決することに。
筋肉ムキムキの河童ミシマとの、男のプライドをかけた大一番!
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ガンチンコ勝負に勝った与太郎は、あっという間に仲間入り。
友情の証に河童のシンボル「お皿」をもらい、泳げるようになった与太郎の旅は・・・
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海の中へと続くのでした。
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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #4
妖怪の国の与太郎
2019年3月9日(土)、10日(日)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場

演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ
台本・翻案・ドラマツルギー:ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同
翻訳:平野暁人
音楽:ジャン=リュック・テルミナリアス、棚川寛子
*詳細はコチラ

2019年2月26日

妖怪ブログ 特別編~ SPAC俳優・三島景太インタビュー「ジャン・ランベール=ヴィルドってどんな人?」~

 ジャン・ランベール=ヴィルドは、2011年に上演された『スガンさんのやぎ』から今回の『妖怪の国の与太郎』を含めて4つの作品を静岡で上演し、SPACとの交流を深めてきました。そんな4作品のうちのひとつ、『ジャン×Keitaの隊長退屈男』をジャンさんとともに創作し、2014年の静岡初演後フランス公演を行ったSPAC俳優・三島景太に、ジャンさんの人柄について聞きました。
 

ジャンさんとの出会いについて教えてください。
 最初の出会いは2010年、ジャンさんがSPACに『スガンさんのやぎ』上演に向けた下見に来られたときです。そのときたまたま、私が参加していた別の芝居の稽古を観に来られて、「あの俳優さんの脚の動きが面白い。彼に出演してほしい作品があるんだけど」とスタッフに伝えて帰られた。私は稽古が終わってからその話を聞いて、「ぜひやりたい!」と。それがのちに、ジャンさん演出、出演者は私だけの一人芝居『ジャン×Keitaの隊長退屈男』として上演されることになります。
 当初は実現する保証なんて全然ないわけですよ。もちろん私は絶対やりたいと思っていたんですけど。でも、彼は一度口に出したことは必ず実現させる人なんです。私もやりたいと言っているということが彼に伝わると、「すぐ始めよう!」って。ちょうど日本に行く機会があるから会いましょう、ということになりました。それが忘れもしない2011年2月14日。池袋でお会いしました。

静岡では直接会話されなかったのですか?
 まったくしなかった。直接お話しできたのは池袋でお会いした時が最初でした。そのときにジャンさんが言われたのが、「特別な人とは必ず出会えるものだ」と。それに対して私も「そうなりたいです」と言ったら、「もうあなたは特別な人だから、私たちは出会えているのです」って。

ちょっとロマンチックなやり取りですね。
 ジャンさんはとてもロマンチストです。子どもみたいな目をした人で。本当に純粋な、独特の雰囲気があって、相手に邪気を抱かせない。こういうやりとりも、最初はリップサービスだと思っていたのですが、話すうちに「この人本気なんだ」って。むしろこちらが、「私のどこに、そんなにこの人を惹き付けるものがあるんだろう」って少し不安になったくらい。

『ジャン×Keitaの隊長退屈男』の稽古の様子はどんな感じだったのですか?
 ジャンさんが当時拠点としていた、フランスのカーンという街の劇場に行って、そこの小さめの稽古場に案内されて。私とジャンさんの他に、日本と現地のスタッフ5人くらいで稽古を始めました。フランスでの滞在は2週間だったんですけど、実は、3、4日ほどでほとんど完成してしまった。

最初から、作品に対するお互いのイメージが一致していたのでしょうか。
 それがたぶんそうではなくて。今回の『妖怪の国の与太郎』の稽古でもそうなんですけど、ジャンさんは自分が想定していたイメージに対して、こちらが提出していたものが「ずれて」いても気にしない。どちらかというと、その「ずれ」を大事にする。たとえば、彼の方から何かアイデアを出したとして、こちらは「たぶんこういうことなんだろうな」と思うんだけど、それは私の肉体を通したときにまったく別のものになります。それで「私の感覚と肉体を通して表現すると、こういうものになるよ」という感じで示す。ジャンさんはそういうものを「面白い」と言ってくれる。

実際に一緒に作品をつくってみて、ジャンさんに対するイメージは変わりましたか?
 『ジャン×Keitaの隊長退屈男』から今回の『妖怪の国の与太郎』まで、彼のイメージは全然変わらないですね。本当に第一印象そのままです。純真無垢な人ですが、とても意志が強い。「やると言ったことはやる」というのと一緒で、稽古の進め方も筋が通っている。「この人は常に本気なんだ」って思う。嘘を言わない人。迷いがない。
 『妖怪の国の与太郎』って、実は台本がない状態でつくられていった芝居なんです。俳優が自由に考えた演技を積み重ねて作品にする。もちろん俳優たちは「台本がほしい台本がほしい」っていうわけです。先が不安だから。でも彼は一貫して台本を書かなかった。「大丈夫です。これは絶対にうまくいきます。なぜなら今うまくいっているから。」って。私は「彼は一度こうやるって決めたスタイルを、最後まで貫くだろうな」と思っていましたけど。

そのようなジャンさんのスタイルは、お芝居の演出の際にはどのようなに現れるのでしょうか。
 たとえば、言葉で俳優たちをコントロールしたりはしませんね。また、最初から彼の中に「正解」を用意しておいて、それを俳優に答えさせるような演出もしません。むしろ、俳優にはものすごく自由にさせてくれる。自由にさせたうえで、何が出てくるかをジャンさん自身も楽しむ。その方法が一番良いという確信があるようです。
 今回も、俳優たちはみんな、ジャンさんの中の正解を探そうとはしていないと思います。普通は考えるじゃないですか、演出家としてはどう考えているのかとか、褒められたいとか、嫌われたくないとか。でも、この芝居の稽古場でそういったことを考えている人は、たぶん誰もいないと思う。自分が何を面白いと感じるか、その感覚に正直にやるしかない。それぞれが自分にとって一番面白いものを探している。だから作品づくりとしてはとてもイイ感じです。たぶんジャンさん自身が一番、稽古場にいることを楽しんでいるんだと思う。そこが重要なのでしょうね。
 彼はいつも私たちに言うんですよ。「なにをしてもいい。いまあなたが自由であることが、何よりも大切なんだ。一番嫌なのは、ここが自由を束縛する稽古場であること」って。

俳優さん達にとっても貴重な体験ですね。
 ちょっと童心にかえるというか。小さい頃に友達と遊んでる感覚に近いかも。子どもの頃って、相手にどう思われるか、とか考えないじゃないですか。そんな中で、だんだん彼の魔法にかかっていくみたいな(笑)。

ピーターパンの魔法にかかったウェンディのように…。
 それに近いかもしれない。確かにジャンさんはピーターパン系。大人には見えないかも(笑)。
 個人的な考えですけど、私は、いい演出家は魔術師だと思っていて。私自身、魔法にかかりたいタイプ。うまく魔法にかけてもらえれば、俳優としてはそれだけでいいって感じで(笑)。

完全な自由の中で作品をつくるというのはどんな感じなのでしょうか。
 それが、実は結構大変です。「自由」というのは、本当はなかなか難しい。特に日本人にはそうかもしれません。私たちって、抵抗がないと自由を感じられないところがありますよね。芝居でも同じことが言えます。
 もちろん、台本が無いといっても、稽古が進むとだんだん決め事はできてきます。でも、毎日の稽古でかならず新しいことが起こる。それは、彼が最初から一貫して、この作品を「自由な心」で作ることを第一とし、私たち俳優もその中で作品づくりをしてきたからでしょう。だから、新しいものが出てくることに対して誰も恐れないし、みんなチャレンジングになっている。ジャンさんのつくる空気が「自由」というものに対する恐れを取っ払っていく。

中高生鑑賞事業で今回の芝居をご覧になる中高生の皆さんにメッセージはありますか?
 これは正解がない芝居。正解がないところからはじまって、最後まで正解をださずに作られていった芝居です。ジャンさんが大切にする、「正解をつくらない」ことや、そのための「自由な心」は、若い人たちが一番理解してくれて、好んでくれると思います。なにか、出演している私たちも気づかない、もしかしたらジャンさんだけには見えているものを、中高生の皆さんはキャッチしてくれるかもしれないですね。
 

三島 景太(みしま・けいた)
水戸芸術館ACM劇場専属俳優を経てSPACに創立時より所属。国内外70都市以上での公演経験を持つ。主な主演作品として、『ロビンソンとクルーソー』、『ドン・ファン』、『ドン・キホーテ』など。 2014年ジャン・ランベール=ヴィルド台本・演出の一人芝居『ジャン×Keitaの隊長退屈男』に出演。同作は2016年にフランス・リムーザン国立演劇センターでも上演され、現地で大好評を得た。
 
 

2019年1月21日 静岡芸術劇場にて
聞き手・構成:布施知範(SPAC制作部)

2019年2月11日

妖怪ブログ#6~魂コレクターの妖怪 小豆はかり~

まだまだ、本作に登場する妖怪たちを紹介してまいりますよ!

続いては・・・・・貴島豪さん演じる、妖怪・小豆はかり!
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(与太郎のパジャマ同様、こちらの衣裳に見覚えのある方がいらっしゃるかも・・・?)
 

「小豆はかり」は日本に古くから伝わる妖怪で、姿は見せないのですが、人家に住み付き、屋根裏などから小豆の音を立てるのみ。最初は遠慮がちにしているのですが、だんだん調子に乗って大きな音になっていくのだとか。特に悪いことはしないらしいですが、十分迷惑ですよね笑。

さて、本作に登場する小豆はかりはどんな妖怪か・・・端的に言いますと、魂のコレクターです。
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いつも抱えている容れ物の中にはカラフルな魂がいくつも入っていて、1つずつ手にとっては愛おしそうに、眺めています。
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ここで、恒例?の小豆はかりクイ~ズ★
小豆はかりはエルメスに、とある著名人の魂をあげると言われ、そのかわりに一番のお気に入りをだまし取られてしまいます。さて、その著名人とはいったい誰でしょうか?
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答え合わせは劇場で♪ ご来場お待ちしておりま~す!

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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #4
妖怪の国の与太郎
2019年2月16日(土)、17日(日)、24日(日)
3月2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)
各日14:00開演 <2月24日(日)のみ15時開演>
会場:静岡芸術劇場

演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ
台本・翻案・ドラマツルギー:ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同
翻訳:平野暁人
音楽:ジャン=リュック・テルミナリアス、棚川寛子
*詳細はコチラ

2019年2月9日

妖怪ブログ#5~吹替え妖怪?!アテちゃんレコちゃん~

与太郎死神エルメスに続きまして、今回ご紹介するのは・・・この2人!!

吹替え妖怪のアテちゃん(森山冬子さん)と、
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レコちゃん(小長谷勝彦さん)で~す♪
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アテちゃん&レコちゃんは、『妖怪の国の与太郎』オリジナルの妖怪。

この作品は、紙芝居のように語り手が絵を見ながらナレーションや登場人物のセリフを演じ分けていく、という演出。なので、アテちゃんとレコちゃん2人で舞台上で行われていることに合わせて、キャラクターごとに声色を変え、全てのセリフをアテています。
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その軽快なやり取りはまるで夫婦漫才!
(でも、アテちゃんにはれっきとしたコレ(彼)が他にいるらしいですよ…)
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リズミカルにセリフを回しテンポよく場面を進めながら、楽器の演奏をして歌も歌って、そして時々舞台上で起きている事にも加わって・・・と、とにかく忙しそうです。
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さてここで、レコちゃんクイズ★
レコちゃんは、ある生き物に姿を変えて与太郎たちのもとに現れます。何の動物でしょうか?
ヒントはこの写真↓↓↓
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答え合わせは劇場で!お待ちしております♪

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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #4
妖怪の国の与太郎
2019年2月16日(土)、17日(日)、24日(日)
3月2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)
各日14:00開演 <2月24日(日)のみ15時開演>
会場:静岡芸術劇場

演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ
台本・翻案・ドラマツルギー:ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同
翻訳:平野暁人
音楽:ジャン=リュック・テルミナリアス、棚川寛子
*詳細はコチラ

2019年2月8日

妖怪ブログ#4 ~台本がないのは妖怪の仕業?~

『妖怪の国の与太郎』、
こちらのブログで進めている登場人物紹介も次はいよいよ妖怪たち!

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…の前に、
本日は、その妖怪たちがどんなふうに「生まれたか」を
ご紹介したいと思います!

この作品、実は現在進んでいる稽古は第3期目。
2017年9月に実施したワークショップ、そして2018年4月の稽古に続いて
年明けから今回の稽古が始まっています。

で・す・が、年始の1月5日、稽古場に集合したメンバーたちの手には
「台本」がありませんでした。
妖怪のせいで。
ではなく。
演出のジャンさんの手元にも、誰の元にも、まだ存在しなかったのです。

これまでのワークショップや稽古の中で俳優たちが提案してきた様々な妖怪たちの姿から
個別のシーンのイメージは既に見えてきていたものの、
それぞれの場面や作品全体を具体的にどう描き、まとめていくか?という検討は
この年明けの稽古から始まりました。

それはもう、演出家であるジャンさん・ロレンゾさんと俳優たちとの
綿密でありながら怒涛のような、 “ガチ” の共同作業。
(ガチ、という言葉がよく似合う稽古場です。)

提示された各シーン、各キャラクターに対して、
俳優たちが熱量たっぷりに披露する即興や提案を
これまた熱く熱く受け止め、まとめ、深めていくジャンさん、ロレンゾさん。
時には、演出家チームと俳優たちとの間で長く議論が交わされることも。
既にある台詞をもとに動きや音楽が決まっていくのではなく、
言葉、動き、音楽、いろんな要素が絡み合いながら
各場面が定まっていき、そして作品全体の流れが大きな渦のごとく現れたのでした。

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俳優たちが試しに試し、生み出してきた様々な描写には
笑いあり、驚きあり、涙あり苦しみも混じり(?)、
本当に、暑くるし… エネルギッシュな作品になっています。

難しいことは一切無し!
舞台をご覧くださる皆様も、主人公・与太郎と一緒に
パワフルで愉快な妖怪たちとの旅を楽しんでくださいね♪♪♪

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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #4
妖怪の国の与太郎
2019年2月16日(土)、17日(日)、24日(日)
3月2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)
各日14:00開演 <2月24日(日)のみ15時開演>
会場:静岡芸術劇場

演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ
台本・翻案・ドラマツルギー:ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同
翻訳:平野暁人
音楽:ジャン=リュック・テルミナリアス、棚川寛子
*詳細はコチラ