2017年8月14日

【シアタースクール通信2017#5】暑さにマケズ…虫にもマケズ…?

◆暑さにマケズ…虫にもマケズ…?
8月9・10日は舞台芸術公園での稽古でした。
厳しい暑さにも負けず、がんばるこどもたち。
舞台芸術公園には大きな虫もたくさん出ますから、苦手な人にはつらかったかも…?

ブログ①

以前ご紹介した「マクベス」以外にも、劇中劇のシーンがたくさんあります。
上の写真は、過去のシアタースクール発表会で上演した作品のワンシーン。
どの作品か分かるでしょうか?「ほうき」がヒントになるかも…。

ブログ②

お昼ごはんは「カチカチ山」(舞台芸術公園の休憩スペース)で。
アシスタント俳優たちも交じって、和気あいあい。

今回、舞台芸術公園に初めて来た!という人も多かったようですが、
静岡にはこんなところもあるのかぁと、知っていただけたら嬉しいです。
SPACの公式SNSには、舞台芸術公園専用のアカウントもありますので、
みなさん、ぜひこちらもフォローしてくださいね!

【Facebook】www.facebook.com/shizuokaperformingartspark/
【Twitter】@_spac_hirasawa

◆劇場稽古がはじまりました!
そして、8月12日にはいよいよ劇場での稽古がはじまりました!
最初の日は、場面ごとに立ち位置を調整し、
「バミリ」と呼ばれる印を舞台床面に貼り付けていきます。

この印に合わせて演技をしないと、
照明がきれいに当たらなかったり、
全体の配置のバランスが崩れたりするので、
なかなか大変です…。

ブログ③

ブログ④

さぁ、いよいよ今週末には発表会です!
照明・音響・衣裳・小道具すべてが揃い、
本番に向けたラストスパートがはじまります。

悔いが残らないように、全力で楽しんでください!
本番まで、体調を万全にして走り抜けましょう!

◆今日の一コマ

ブログ⑤
▲当日パンフレットに載せる写真を撮影中。
カメラの後ろに群がる「笑わせ隊」の活躍で、みんな笑顔に!!

ブログ⑥
▲アシスタントの永井健二が
公演当日に流れるアナウンスを録音しています。

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SPACシアタースクール2017
『オフェリアと影の一座』
演出・構成:中野真希
原作:ミヒャエル・エンデ
出演:静岡県内の中高生
2017年8月19日(土)・20日(日)各日16時開演
会場:静岡芸術劇場
*詳細はこちら
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2017年8月10日

<萌目線。vol.137>明日は8月11日!!

Filed under: 萌目線。

明日、8月11日は!

13:30から静岡芸術劇場でアヴィニヨン演劇祭公演報告スペシャルトークが開催されます!!

日本から応援してくださったみなさまのおかげで無事大成功をおさめることができました『アンティゴネ』、劇場の様子や現地の盛り上がりを、映画監督の本広克行さんが撮影・編集してくださいました!
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この特別映像をご覧いただきながら、芸術総監督 宮城と本広監督のトークが繰り広げられるとのことで、きっとアヴィニョンのアツさが伝わる会になるかと思います!私もとても楽しみです!
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そして16:00からは、舞台芸術公園カチカチ山でSPACの会スペシャルサンクスデーBBQ大会です!!

今年は今までと趣向を変えまして…会員のみなさまと俳優メンバーといっしょにBBQで盛り上がりたいと思います!

カチカチ山ではすでに今日から貴島&舘野ペアが仕込みを開始しております。
会員の澤野宏史さまからご提供いただきました新鮮イノシシ肉を使って、特製カレーが作られるようです。
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初?!会員さまと俳優のコラボ作品ですね!
ご来場いただけるみなさまどうぞお楽しみに!!

その他の会員さまからも、お手製梅酒などお飲み物やデザートの差し入れをいただいております。
みなさま、お心遣い本当にありがとうございます!!

会員のみなさまといっしょに作りあげられるイベントになりそうで、とても嬉しいです!!

ご来場いただけるみなさま、お待ちしています!!


2017年8月7日

<スパカンブログvol.2>稽古は続くよ&夏祭りデビュー!

夏の暑さにも負けず、連日稽古が続いているスパカンファンプロジェクト。
オーディションで選出された新メンバーも、あっという間にスパカンファンの一員として溶け込みました。
みんなそれぞれに部活や学校の行事で忙しい中、少しでも毎日の稽古の密度を高いものにしようと、日々奮闘しています。

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▲ほかのメンバーが稽古を受けている間も、集中して見ることが大事。

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▲制作部で今回アシスタントを務める太田垣(写真左)も、ニヤカムさんのメッセージを正確に伝えるため、努力を重ねています。

前作の『ANGELS』を踏襲しつつ、少しずつその姿を変えている作品。
毎日ニヤカムさんから飛び出す新しいアイディアに、出演者もスタッフも驚かされています。

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ニヤカム写真2
▲ニヤカムさん、本当に楽しそう…。後ろでややあっけにとられるスタッフ。

さて、そんな日々の中、8月5日(日)に、5名のスパカンファンメンバーで、池田島崎公園にて行われた夏祭りでパフォーマンスを行ってきました!
現地に到着すると、すでに太鼓の音が響き、輪になって盆踊りを踊る大勢の人たち…。
幾度もの公演で場慣れしているメンバーも、久しぶりのアウェーでちょっとそわそわ。
リノリウム(舞台で使用される床材)が敷かれた稽古場と違って、公園の地面は砂利そのまま。滑らないように細心の注意を払います。

盆踊りが終わり、お祭りの第一部が終了したところで、スパカンファンの出番。
子どもたちが飛び出して…と思いきや、なんとニヤカムさんの歌唱(!)からスタート。
いかにも日本的な夏祭りの会場に突如として響くアフリカンな響きの歌にお客さんが引き付けられたところで、ニヤカムさんの号令に応えて子どもたちが踊り始めました。

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お客さんの手拍子にのって、『ANGELS』のほんの一部をお披露目。
ところどころで歓声があがり、とても親密な空気の中、パフォーマンスを無事終えました。
驚いたのは、稽古のときとは一味違う、子どもたちの表情。やっぱり人前で踊るのが本当に好きなんだな、と思わせる最高の笑顔でした。

公演でもその笑顔を皆さんにお見せできるように、稽古再開です!

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SPAC-ENFANTS(スパカンファン)プロジェクト
『ANGELS』
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS(スパカンファン)
2017年8月19日(土)・20日(日)各日12時30分開演
会場:舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」
*詳細はこちら
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2017年8月6日

【シアタースクール通信2017 #4】もう折り返し地点!?

◆もう折り返し地点!?
この見出しにドキッとした人も多いかもしれませんが、8月2日は稽古15日目でした。本番を除いて30日間稽古があるうちの、もう半分以上が過ぎたということです。あッという間に、本番まであと2週間!!! セリフにダンスに演奏……まだまだやることがたくさんありますが、焦らず1日1日を大切に過ごしていきましょう!

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▲オフェリアさんと影たち

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▲稽古の時間も熱が入る…。それぞれのグループにアシスタントがついて、必要に応じたアドバイスをしています。

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▲こちらは語りの特訓中!?

◆おためしで劇場稽古
本番の舞台空間をイメージしながら稽古をするために、静岡芸術劇場の舞台で稽古をしてみました。いつものリハーサル室とは環境が違い、やや緊張気味の様子…? とても集中して稽古をすることができました。

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今回、はじめて劇場の舞台に立ったという人も多かったのではないでしょうか。舞台袖や客席もあるので、とても広く感じますね。演出の中野は舞台全体を見るため、客席のやや離れたところに座ります。距離が遠くなるので、演出の指示を出すのにもマイクを使います。
劇場での稽古が始まるのはもう少し先になりますが、舞台に立ったときの感覚を思い出しながら稽古ができるとよいですね。

◆ベース衣裳のフィッティング
シアタースクールではベース衣裳と呼ばれる綿麻生地の衣裳を全員が着用します。参加者ひとりひとりの個性を際立たせるようなシンプルなデザインで、2007年の当初から変わらない衣裳です。

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オフェリアさんや影たち、マクベスなど、それぞれの役の衣裳はこのベース衣裳の上から着ることになりますが、こちらは鋭意製作中です。もうじき完成。お楽しみに!

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▲衣裳を製作中の川合玲子(衣裳班)

◆小道具も続々と…

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▲稽古場に置かれた小道具+写りたがりのメガネ男子2名。

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▲小道具を製作中の渡部宏規(美術班)

先日、ある保護者の方が見学にいらしたので、お子さんの様子を聞いてみました。
「ダンスが苦手で、今年も苦戦しています…」とのこと。

はじめは、一人だけ違う動きをしているわが子を見て心配していたそうですが、
「最近はズレてるのを面白がるようにしてます」と笑いながら話すお母さん。

素敵!!

もちろん練習不足なのはカッコ悪いかもしれませんが、
稽古初日で中野が言っていたように、一人一人、ちょっとずつ違っているのが面白い。
劇場は、周りの人と「ズレている」ことを楽しめる場所です。
発表会でも、そんなことをお客さんにも感じてもらえたら嬉しいです。

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SPACシアタースクール2017
『オフェリアと影の一座』
演出・構成:中野真希
原作:ミヒャエル・エンデ
出演:静岡県内の中高生
2017年8月19日(土)・20日(日)各日16時開演
会場:静岡芸術劇場
*詳細はこちら
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2017年7月29日

【シアタースクール通信2017 #3】チームに分かれて…

◆チームに分かれて…
先日、劇中劇「マクベス」のキャスティングが発表されました。マクベスやバンクォーなどの人物を演じるチーム、「魔」を演じるチーム、語りと演奏を担当するチームの3つに分かれて稽古を進めていきます。まだまだ手探りの部分も多いですが、それぞれのチームの稽古風景を少し覗いてみました。

<人物チーム>
このチームではSPAC芸術総監督・宮城聰が用いる「二人一役」の手法に挑戦します。この手法は文楽のように、一人の登場人物を「動き手」と「語り手」に分けて演じるスタイルです。二人の呼吸を合わせるのが難しいですが、それぞれの得意なことを活かすことができます。
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<魔チーム>
原作の『マクベス』では3人の魔女が現れますが、今回は10人ほどで演じるようにアレンジされています。役の名前も「魔女」ではなく「魔」。うねうねと怪しい動きをしています…。とっても元気のいいチームで、和気あいあいと楽しい雰囲気で稽古をしています。
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<語り&演奏チーム>
ナレーター的ポジションのこのチームは演奏も担当。演奏といってもやや特殊な楽器ばかり。見ただけでは、どうやって音を出すのか分からないものも…。また、楽器だけではなく、声も使いながら、「マクベス」の不穏な空気を演出します。
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◆トーク会「俳優ってどんな人?」
昨年も開催したトーク会「俳優ってどんな人?」を7月25日に行いました。これから演劇の勉強をしてみたい人や、舞台関係の仕事に興味がある人に向けて、それぞれのスタッフがどういう選択をして、どういう経緯でいまの仕事をしているのか、お話しました。

演劇大学へ入学してからの競争の日々や、ダンサーとしての海外生活など、まさに十人十色の人生譚…。様々な生き方があるんだということを知るだけでも、参考になる部分があったのではないかなと思います。

「好きという気持ちを大事にしてほしい」「自分にしかできないことを見つめてほしい」などのメッセージも送られましたが、シアタースクールでの経験を通じて、自分や他人のことを見つめるきっかけになればと思っています!
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◆アシスタント・スタッフのご紹介
最初のブログで名前だけご紹介しましたが、桜内結う、佐藤ゆず、永井健二が、『アンティゴネ』アヴィニョン公演から無事に帰国し、稽古に合流しています!

これまでもアシスタントの経験があり、シアタースクールを知り尽くした頼もしい3名。途中からの参加であるにもかかわらず、すぐに子どもたちの心を開いていくのはさすがです!

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左から、佐藤、永井、桜内

創作・技術部のメンバーもトーク会に参加したので、写真をパチリ。神谷俊貴(舞台監督)、澤田百希乃(音響)、川合玲子(衣裳)、佐藤花梨(照明操作)です。昨年のシアタースクールでも中高生から絶大な人気を誇った神谷が、今年も担当します!

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左から、澤田、神谷、佐藤、川合

さて!!明日7月30日(SPACの会会員は本日29日)からはチケット前売り販売が開始されます。
一般1,000円、高校生以下は無料!

中高生が舞台で輝く姿を、ぜひ観に来ていただきたい!!!!
たくさんのご予約お待ちしております!!!!

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SPACシアタースクール2017
『オフェリアと影の一座』
演出・構成:中野真希
原作:ミヒャエル・エンデ
出演:静岡県内の中高生
2017年8月19日(土)・20日(日)各日16時開演
会場:静岡芸術劇場
*詳細はこちら
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2017年7月27日

アヴィニョン法王庁日記(14) 2017年7月11日 公演五日目 フランスの『アンティゴネ』について、等々

SPAC文芸部 横山義志

午前11時から隣町ヴィルヌーヴでパリ第三大学演劇学研究所の研究集会で『アンティゴネ』に関するQ&Aに呼ばれて話をさせてもらう。所長のピエール・ルテシエさんが先生や修士・博士課程の学生を30人ほど連れて、アヴィニョン演劇祭で観劇しつつ、研究集会を開いている。前日に全員で『アンティゴネ』を観劇してくださったという。自分も同研究所に修士課程で在籍していたので、ちょっと感慨深い。能や仏教、神道との関係などについて、次々と質問が出る。古代ローマ演劇を専門とするピエール・ルテシエさんが能に関する授業をやっていることもあり、非西洋的な演劇形態への真摯な関心が見えて、自分が学生だった頃とはちょっと時代が変わったような感じがする。

法王庁中庭の階段状客席を何度も上り下りしていると息が切れる。これほど広大な客席で仕事をしたのははじめて。
現在は約2,000席だが、中庭の一番奥まで客席を組んでいたときには約3,000席あったという。1960年代には、二階バルコニーを含め約4,000席の客席が組まれたこともあった。法王庁中庭技術ディレクターのクロードによると、「舞台から20メートル以上離れるとさすがに見にくいので、最近はあまりにも遠い席は削っていった」とのこと。フランスでは二つ目のテレビ局ができたのが1964年で、その頃からテレビ文化の発達が加速していった。映像文化の発展と並行して、「遠くにいる人」の体を感じる能力が低下してきたのかも知れない。

今日は開演4時間前から並んだ方はなんとか当日券が取れたものの、並んでもチケットが取れずに帰らざるを得なかった方が100人近くいらしたという。

今回のアヴィニョン演劇祭では、公式招聘(いわゆる「イン」)の演目のなかに、『アンティゴネ』に関連する作品が他に3作品あるらしい。オリヴィエ・ピィの『レ・パリジャン(パリの人々)』には、主人公のアーティストが『アンティゴネ』を演出する場面がある。「アンティゴーヌ」という名前のクラウンが登場するフランスの作品も。

フランスでは、中学校や高校でジャン・アヌイによるソフォクレス『アンティゴネ』の翻案『アンティゴーヌ』を読むことが多いので、アンティゴネはギリシャ悲劇の登場人物の中でも、かなり馴染深い登場人物になっている。アヌイの作品はナチス・ドイツ占領下のフランスで書かれたもので、1944年に初演されている。ジャン・ヴィラールも1948年に『アンティゴネ』の翻案を発表している。フランスではアンティゴネの人物像が第二次大戦下でのレジスタンスと深く結びつけられてきた。

プロンプター(上演中台詞を忘れた俳優に台詞を言う係)に焦点を当てたティアゴ・ロドリゲス(ポルトガル)の作品『息』でも、俳優たちが『アンティゴネ』を演じる場面があった。その場面では、プロンプター(フランス語・ポルトガル語では「息を吹き込む係」と呼ぶ)が、「今この舞台でクレオンを演じる俳優の肺には、20年前にこの舞台の上でクレオンを演じた俳優の息も吹き込まれている」と語る。

この法王庁中庭の舞台で『アンティゴネ』が上演されるのは、1960年、1961年のジャン・ヴィラール演出『アンティゴネ』以来、56年ぶり。1961年の再演時は、作曲家モーリス・ジャールも演出に名前を連ねている。ジャールは映画音楽家として知られているが、1952年に法王庁中庭で上演されたジャン・ヴィラール/ジェラール・フィリップ演出『ロレンザッチヨ』のためにジャールが作曲したトランペットのファンファーレは、今でもアヴィニョン演劇祭のほぼ全ての演目の開演前に流されている。この法王庁中庭の舞台には、今でもジャン・ヴィラールの劇団の俳優たちが呼吸した空気が流れているのだろう。

以下のリンクで、1960年のヴィラール演出『アンティゴネ』に関するインタビューと、アンティゴネがクレオンと対立する場面の映像を見ることができる。

※映像はこちらからもご覧いただけます。

以下のジャールのインタビューでは、『ロレンザッチヨ』公演時のファンファーレの様子を見ることができる(1:00~1:03)。

※映像はこちらからもご覧いただけます。

そのヴィラールの劇団で1960年代にたびたび法王庁中庭の舞台に立っていた女優のジュディット・マーグル(Judith Magre)さんが、私たちの『アンティゴネ』を観にいらしてくれた。今年で90歳になるそうだが、舞台でも映画でも活躍しつづけている。「ここでこんなに素敵な舞台を観るのは何十年ぶり。本当に楽しかった。私も「ミニアンティゴネ」に使ってくれないかしら」とおっしゃってくださったという。

*アヴィニョン法王庁日記バックナンバー*
(1) 2017年6月27日 静岡からフランスへ
(2) 2017年6月28日 アヴィニョン到着
(3) 2017年6月29日 仕込み一日目
(4) 2017年6月30日 仕込み二日目
(5) 2017年7月1日  仕込み三日目
(6) 2017年7月2日  アヴィニョン法王庁の歴史
(7) 2017年7月3日  法王庁中庭での上演の歴史
(8) 2017年7月4日  フォトコール
(9) 2017年7月5日  最終公開稽古(ゲネプロ)
(10) 2017年7月6日 公演初日
(11) 2017年7月7日 公演二日目
(12) 2017年7月8日 公演三日目
(13) 2017年7月10日 公演四日目

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第71回アヴィニョン演劇祭オープニング招待作品
アンティゴネ
構成・演出:宮城聰 / 作:ソポクレス / 出演:SPAC
7月6日(木)・7日(金)・8日(土)・10日(月)・11日(火)・12日(水)各日22時開演
会場:アヴィニョン法王庁中庭
*詳細はこちら
*アヴィニョン演劇祭サイトはこちら
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2017年7月25日

アヴィニョン法王庁日記(13) 2017年7月10日 公演四日目

SPAC文芸部 横山義志

昨日7月9日は休演日で、各々洗濯をしたり、オリヴィエ・ピィさんの舞台を観に行ったり。あちこちで「『アンティゴネ』よかったですよ!」と声をかけられる。

今日は14時から15時半までヨーロッパの演劇・文学研究者による『アンティゴネ』関連の研究集会「尊厳とヒロイズム(主体の放浪)」に参加。ギリシャ悲劇に詳しい学者さんたちが「ヨーロッパ人による『アンティゴネ』の演出は心理劇になってしまいがち。宮城さんの演出はコロス(合唱隊)をみごとに使っていて、これだけソフォクレスの精神に忠実な演出はなかなか見られない。また改めて研究集会を開きたい」などとおっしゃってくださる。

16時半からアヴィニョン大学の中庭で宮城さんのトーク「アンティゴネ、必要な悲劇」。去年の演劇祭のトークよりもだいぶ人が多いという。猛暑のなか、200人くらいが熱心に聞いてくれた。宮城さんが『アンティゴネ』の翻訳を使わせていただいた柳沼重剛さんが、被爆後60年以上経った2008年に原爆症で亡くなったという話をすると、会場が静まりかえる。

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▲トーク「アンティゴネ、必要な悲劇」


▲トークの全編映像 こちらからもご覧いただけます。

法王庁の楽屋では15時半から『少女と悪魔と風車小屋』主演のデリア・セピュルクル・ナティヴィさんによる「ミニ・アンティゴネ」発音指導。

20時、アヴィニョン演劇祭支援者のためのパーティーに顔を出す。アヴィニョン演劇祭の理事長でもある元ルノー自動車会長兼CEOのルイ・シュヴァイツァーさん(アヴィニョン演劇祭の理事長)が『マハーバーラタ』につづき、法王庁でこれほどの舞台はなかなか見ていません」とおっしゃってくださる。フランソワーズ・ニッセン文化大臣のご友人という方から、「『アンティゴネ』のあと、フランソワーズさんからSublissime !(最高!)というSMSをいただいた」とのこと。

22時、客席開場。要領がよくなったのか、22:10にはほぼ客入れ完了。今日の「ミニ・アンティゴネ」は発音も演技のリズムもよくなっていた。抑制もきいて、必要なところだけ拍手が入るように。

見覚えのある真っ白な修道服姿の方が。ゲネにも来てくださったドミニコ会の修道士のレミさん。ストラスブールの大学で神学を教えつつ、カトリック系新聞の劇評欄を担当なさっている。「2014年に石切場で見た『マハーバーラタ』がすばらしかったので、アヴィニョンに来る前から楽しみにしていました。(ストライキで公演中止になったときの)法王庁前でのマハーバーラタ公演も、トレーニングからすぐそばで座って見ていました」という。「十字架のすぐ下で、(トレーニングの)お経を唱えていて、すごくドキドキしたのですが、気になりませんでしたか?」と聞くと、「私は、異なる要素は互いに対立するのではなく、共鳴するのだ、と考えています」という。

「フランスのカトリックの方はこのアヴィニョン法王庁を誇らしく思っているのでしょうか?」と聞くと、「複雑な気持ちでしょうね。この教会(法王庁)はまるで要塞のようですが、教会というものは本当は家のようなものでなければなりません。この教会はふだんは閉ざされていますが、アヴィニョン演劇祭がこれを多くの人に開いてくれているので、とてもうれしいです」とのこと。

レミさんが研究対象としている神学者マイスター・エックハルトは異端の告発を受け、弁明のためにアヴィニョン法王庁に赴き、その途上で1328年に亡くなったとされる。だから、アヴィニョンに来るたびに複雑な気持ちになる。1328年には、まだ現在の宮殿の建物はできていなかったが、当時の教皇によって建てられた聴聞室(裁判所)は、今の法王庁中庭の舞台上手側の下、ちょうど薔薇窓の下にあたる部分にあった。レミさんは「薔薇窓にクレオンの影が重なるたびにドキドキしました」という。この巨大な薔薇窓は「赦免の窓」と呼ばれ、1351年に完成した「新宮殿」の目玉ともいえる構造物。ここは「名誉の中庭」に集まった大群衆の前で新教皇が戴冠し、祝福を与えるところだった。今回の演出では、アンティゴネを裁こうとする新王クレオンの影がこの薔薇窓に重なる。

レミさんはかつて東エルサレムの美術館で学芸員をしていたそうで、「いつか、この『アンティゴネ』をエルサレムでも上演できたらいいですね」という。三つの一神教の聖地で、「嘆きの壁」を背景に上演したら、どんな『アンティゴネ』に見えてくるだろう・・・。

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▲写真右から二人目がレミさん
 
 
*アヴィニョン法王庁日記バックナンバー*
(1) 2017年6月27日 静岡からフランスへ
(2) 2017年6月28日 アヴィニョン到着
(3) 2017年6月29日 仕込み一日目
(4) 2017年6月30日 仕込み二日目
(5) 2017年7月1日  仕込み三日目
(6) 2017年7月2日  アヴィニョン法王庁の歴史
(7) 2017年7月3日  法王庁中庭での上演の歴史
(8) 2017年7月4日  フォトコール
(9) 2017年7月5日  最終公開稽古(ゲネプロ)
(10) 2017年7月6日 公演初日
(11) 2017年7月7日 公演二日目
(12) 2017年7月8日 公演三日目
(13) 2017年7月10日 公演四日目

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第71回アヴィニョン演劇祭オープニング招待作品
アンティゴネ
構成・演出:宮城聰 / 作:ソポクレス / 出演:SPAC
7月6日(木)・7日(金)・8日(土)・10日(月)・11日(火)・12日(水)各日22時開演
会場:アヴィニョン法王庁中庭
*詳細はこちら
*アヴィニョン演劇祭サイトはこちら
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2017年7月24日

2017年、『ANGELS』は新しいステージへ!

長らくお待たせいたしました!
いよいよ2017年夏、新しいスパカンファンが始動いたします。
2015年に創作が始まった、スパカンファンプロジェクト二作品めとなる『ANGELS』。
ワークインプログレス、コミュニティダンスフェスティバル、大道芸ワールドカップin静岡などを経て、
昨年夏に本公演を成功させました。
今年はオーディションによって新しいメンバーが加わって、新しくパワーアップした『ANGELS』を再創造します!

オーディションは7月22日、23日の二日間にわたって行われました。
昨年までのおなじみの顔ぶれと、新しい希望者たちが入り交じります。
オーディションとはいっても、机を並べて一人ずつ面接して…といった形ではありません。
自己紹介が終わったら、ウキウキしたニヤカムさんに促されておなじみのウォーミングアップからスタート!
どこか緊張していた面持ちの子どもたちも、すぐにほぐれていきます。
午後には昨年の『ANGELS』の動きをみんなで復習。
きっとこれからは前回の『ANGELS』にはなかったシーンもたくさん生まれることでしょう。

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オーディションには、昨年までアシスタントをつとめてくださった木野彩子さんも駆けつけてくださいました!

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おなじみのメンバーはもちろん大喜び!
8年にわたってスパカンファンを見つめてきた木野さんからのメッセージを胸に、新しいステージへ。
今年からは、制作スタッフの太田垣悠がアシスタントをつとめます。

オーディションの最後には、保護者の皆さんにもお越しいただいて、ニヤカムさんからのお話。オーディションの結果は決して能力で決まるわけではないこと、一人ひとりのかけがえのない個性と才能を伸ばすため、いろいろなことにチャレンジしてほしいこと。「子どもたちは私たちの希望です」という言葉は、プロジェクト開始から8年がたっても、変わりません。

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さっそく明日25日からは新しい顔ぶれでの本格的な稽古が開始。
8月19、20日の公演まで、暑い夏を走り抜けます!

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SPAC-ENFANTS(スパカンファン)プロジェクト
『ANGELS』
振付・演出:メルラン・ニヤカム
出演:SPAC-ENFANTS(スパカンファン)
2017年8月19日(土)・20日(日)各日12時30分開演
会場:舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」
*詳細はこちら
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2017年7月23日

【シアタースクール通信2017 #2】稽古!

◆着々と稽古が進んでいます。

稽古もだんだんと本格的になってきました。
毎回の稽古は、まず、SPACの俳優たちが行っているトレーニングから開始します。
このトレーニングは「スズキ・トレーニング・メソッド」と呼ばれる、SPAC初代芸術総監督の鈴木忠志が考案した俳優訓練法をもとにしています。この訓練法は国際的に評価され、いまや世界中の俳優たちの間で、稽古やトレーニングに取り入れられています。

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この訓練法では、特に下半身の感覚や重心移動などを重視し、さらに呼吸のコントロールや、「丹田(たんでん)」と呼ばれる、おへその下の体の奥にある、力をためるのに重要な部位へ意識を向けることなど、「舞台に立つための身体」をつくっていきます。
このようなトレーニングによって、参加者は、俳優としての身体の使い方や発声にとって大切なことを学んでいきます。

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◆ダンス稽古開始! 

シアタースクールの公演ではダンスシーンが恒例となっています。今回の『オフェリアと影の一座』にもスピード感あふれるダンスがあります。
参加者はSPACの俳優たちに教わった振り付けを覚え、お互いにアドバイスをしながら練習に励んでいます。

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◆劇中劇「マクベス」

『オフェリアと影の一座』では、劇中劇(ひとつの芝居の中で別の芝居が演じられる演出方法)が取り入れられています。いくつかの有名な芝居の名シーン、名セリフが出てきますが、その中のひとつが、シェイクスピアの名作『マクベス』です。全員に「マクベス」の台本が配られ、この難しい芝居への挑戦も始まりました。

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<マクベス>
ウィリアム・シェイクスピア四大悲劇の一つ。1606年頃の作品。
ストーリー:スコットランドの勇敢な武将マクベスは、魔女の予言と妻の言葉にそそのかされ、主君であるダンカン王を暗殺して王位を奪う。しかし自分の良心に責め苦しめられ、心がすさみ暴君となり、妻も狂い死ぬ。そしてついにダンカン王の子ども達に倒される。
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SPACシアタースクール2017
『オフェリアと影の一座』
演出・構成:中野真希
原作:ミヒャエル・エンデ
出演:静岡県内の中高生
2017年8月19日(土)・20日(日)各日16時開演
会場:静岡芸術劇場
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アヴィニョン法王庁日記(12) 2017年7月8日 公演三日目

SPAC文芸部 横山義志

16時30分から18時まで、アヴィニョン大学にて宮城さんと観客とのトークイベント。
約180名の観客からの質問や感想を受けて、
衣裳の色、影、俳優の動き、盆踊り、日本人にとってのギリシャ悲劇などなど、大いに語る宮城さん。

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▲「観客とのトーク」の様子


▲トークの全編映像 *トークの全編映像はこちらからもご覧いただけます。
 
 
チケット売り場には長蛇の列。タニノクロウさん、SPAC芸術局長の成島洋子さんが二回目に見ようとして並んだものの、チケットが取れなかったという。

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▲100名以上の人たちが当日券を求めて並んでいた。

今日は曇り。月が出ていない。その分、舞台に集中できる明かりになっている。

「ミニ・アンティゴネ」で一人一人の名乗りのたびに拍手。今日は積極的に楽しんでくれるお客さんが多い。

終演後、「ミニ・アンティゴネ」チームで反省会。「拍手を待って、芝居がたっぷりになりすぎてしまっている」という。拍手が来すぎないように調整。

昨年までに法王庁で見た作品では、途中でお客さんが帰っていくのをよく見かけたが、今回はほとんど客席を去っていくお客さんを見かけない。

クリスチャーヌ・トビラ元法相がいらして、とても気に行ってくださったよう。
 
 
*アヴィニョン法王庁日記バックナンバー*
(1) 2017年6月27日 静岡からフランスへ
(2) 2017年6月28日 アヴィニョン到着
(3) 2017年6月29日 仕込み一日目
(4) 2017年6月30日 仕込み二日目
(5) 2017年7月1日  仕込み三日目
(6) 2017年7月2日  アヴィニョン法王庁の歴史
(7) 2017年7月3日  法王庁中庭での上演の歴史
(8) 2017年7月4日  フォトコール
(9) 2017年7月5日  最終公開稽古(ゲネプロ)
(10) 2017年7月6日 公演初日
(11) 2017年7月7日 公演二日目
(12) 2017年7月8日 公演三日目
(13) 2017年7月10日 公演四日目

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第71回アヴィニョン演劇祭オープニング招待作品
アンティゴネ
構成・演出:宮城聰 / 作:ソポクレス / 出演:SPAC
7月6日(木)・7日(金)・8日(土)・10日(月)・11日(火)・12日(水)各日22時開演
会場:アヴィニョン法王庁中庭
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