運命の黒枠に縁どられた未熟な恋
十四歳、いや十四歳にはまだ二週間足らぬ少女と、十六歳の少年の恋。ロミオもジュリエットも今から思えばずいぶん早熟だ。
尤も、平均寿命の極めて短く、死が常に身近にある時代と現代を簡単には比較できない。といって、二人の恋が成熟した恋として認められるものだったというわけでもない。
シェイクスピアにすれば、見せたかったのは子供の火遊びを一歩越えたくらいの若者の恋の危うさだったろうから、初演当時の観客にとってもこの二人は若すぎて目の離せない存在と認識されたことに間違いはあるまい。
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